UTMBのレースレポートを書き綴っている最中だが、一つ書きたかったことのメモ。
長く苦しいレースである反面、UTMBは次々にシーンが変わる、長くドラマティックでロマンティックな旅だった。
目の前に言葉に尽くせない迫力のある山容が広がることもあれば、漆黒の暗やみに包まれることもある。秋のような爽やさのトレイルもあれば、雪が横殴りに降りつける。ポカポカと快適な午後もあればジリジリと照りつける麓の町の太陽もある。夕闇迫る霧と強い風の吹き付けるGrand Col Ferreは神の世界に踏み込んだようだった。
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自分の心の葛藤。もう無理だとうなだれることもあれば、奮起して前に駆け出すこともある。変更後の未知のコースにとまどいながら踏み出す緊張感。
そしてレース中の人とのふれあい。エイドのスタッフと片言のフランス語で話して喜ばれたこと。日本人ランナー同志で叱咤しあって前に進んだこと。コース上で、言葉こそ交わさないが前後に連なって長く走ったランナーたち。
わずか40時間ほどで何度も旅をしたような濃厚な時間の記憶。それもUTMBの魅力だろう。
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