当ブログでもアメリカ・カリフォルニア州で6月に行われる100マイルのトレイルランニングレース、Western States Endurance Runについては何度も紹介しているが、2010年のWestern Statesでの4人のエリートランナーを追ったドキュメンタリー映画、”Unbreakable”がいよいよ完成。11月下旬からアメリカでは劇場での上映が始まっていたが、12月下旬にいよいよDVDもリリースされた。
予告編は下のとおり。
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当方も予約していたDVDが火曜日に届いたので早速鑑賞。レースのシーンだけを取っても、トップランナーが競い合う手に汗握るシーンが多い。よほど走力のあるカメラマンでなければこのような映像を撮ることはできないだろう。特に最終盤でトップが入れ替わる展開には興奮させられる。また、ランナーの家族やガールフレンドも登場して、ランナーの素顔をみることができるのも貴重な機会。
以下は当方の視点でみた解説と見どころ。
・登場する4人のエリートランナーは、WS100で二度優勝しているHal Koerner、出場した100マイルレースでは負けなしのGeoff Roes、ウルトラマラソンで負けたことがないAnton Krupicka、UTMBで既に二度勝っているスペインのKilian Jornet。この2010年のWS100は中盤からTony(Anton)、Geoff、Kilianの3人がトップ集団を形成。下りでいったんKilianがトップに立って引き離すが、80マイルあたりから脱水症状に見舞われて減速。Tonyがトップに立つ。GeoffはTonyから一時は15分差で3位。Tonyがこのままトップでフィニッシュするかと思われたところでGeoffが猛烈な加速。残り7マイル地点で逆転して優勝。Halは左太もものトラブルで残念ながら80キロ地点でリタイア。これがレースの概要。レース後半、TonyのサポートクルーをしていたJoe GrantがGeoffがKilianを抜いて追い上げていると聞いたときに発した”It’s on.”という言葉が印象的。
・見どころはたくさんあるが、特にHalの明るい姿勢が印象に残った。彼はレース中は一緒に走るランナーにも応援してくれる人たちにもいつも笑顔をみせているのだという。この2010年のWS100でもそんなHalの姿が映っているが、実際には途中から太ももの痛みと闘っていた。エイドステーションを通過して、人影が見えなくなったところで一人左太もものストレッチをしている姿が痛々しい。
・長髪をなびかせながら上半身裸で走るスタイルがみるものに強い印象を与えるTonyの映像もたっぷり。後半には今年の信越五岳にやってきたJenn Sheltonがペーサーをしているシーンも。
・忘れてはいけないのがGordy Ainsleigh。彼こそが1974年に乗馬レース(Tevis Cup)で馬から下りてコースを24時間以内に走った、WS100そして100マイルトレイルレースのパイオニアだ。映画の中でもその思い出を語る姿が何カ所かに挿入されている。そしてこの2010年のレースを走っているシーンも!
他にもいろいろ面白い見どころが詰まったこの映画のDVDは下のリンク先で購入できます。ちなみに日本語字幕や吹き替えはありません。ご興味ある方は、このような見応えあるドキュメンタリーを作ってくれたことへの応援の意味を込めて購入してみてください。
Unbreakable: The Western States 100 – DVD