2011年も鎌倉・材木座のOSJ湘南クラブハウスのトレイルランニングのセミナーには大いに楽しませていただいたが、恒例となりつつある年末の人気企画が「グルッと」だ。年末の夜にスタートしてナイトランを楽しんだ後、夕方まで走るこの企画。寒い年末に徹夜で山道を走るわけだから決して楽なものではないが、レースのようにずっと走っているわけではないし、ランナー同士で励ましあえるので意外と楽しく充実感がある。さらに、100キロ、100マイルのレースに挑戦しようというランナーにとっては長時間のナイトランを時に眠気に耐えながら続ける経験をできるのも魅力に違いない。
そんな「グルッと」が今回は京都にて開催。京都なら当方は帰省のついでに参加できるので、昨年の三浦半島に続いて参加。
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(スタート)
・開催日の早朝に東京から滋賀の実家に新幹線で帰省。前日はOSJの上級セミナーでかなりがんばったので疲労が心配。実家で少し寝ておこうかと思ったが、いろいろやっているうちに夕方となってしまい、夕食をすませてから京都へ。
・京都駅に着くと、いつも鎌倉でご一緒する面々が続々集合。関東方面から今日きて大晦日の翌日帰るという強者も。35名ほどの参加者のうち、10名強は関西からのご参加のようだ。関西の鏑木ファンとして我々の間で有名なNaokiさん、先週ロングトレイルセミナーでもご一緒したHiwaさんもご参加。
・サポートは先頭を瀧地さん、スイーパーにおなかの調子が冴えないという滝川さん、自動車で移動するクルーにいつの間にかOSJ顧問に就任されていた高橋さん、などなどといった陣容で午後9時半頃京都駅八条口をスタート。
(伏見稲荷から東山トレイルへ)
・わいわいとにぎやかにロードを走り始める。当方は前半はのんびり抑えめにいこうとグループの後半で皆さんとUTMBの話などしながらついて行く。伏見稲荷の駅のあたりから京都一周トレイルの道標が現れる。今回のコースは基本的にこの道標をたどっていくことになる。
・伏見稲荷は赤い鳥居が続くところに照明が当たっていたりして幻想的な雰囲気。時々振り返ると京都の夜景が美しい。
・伏見稲荷の境内から参道を登り切るとトレイルが現れる。フラットな走れるところだけ軽く走り、登りは歩く。前方ではのりさん、まめさんほかいつものメンバーがにぎやか。泉涌寺の前にいったん下りて、住宅街に入ってから再びトレイルへ。下りて国道一号線を渡ってもう一度トレイルへ。
・11時32分、10.7キロ地点の将軍塚の手前、東山山頂公園でトイレ休憩。このあたりから少し雪がちらつき始める。
・トレイルを下り、11時52分、12.3キロのローソン東山三条神宮道店で休憩。暖かいコンビニの中に入りたいが、寒さをしのぐのもこのグルッとでのねらいと考えて当方は手持ちのジェルで補給して店内には入らず。昨年同様、トイレに行列ができたりして休憩は長引きがち。
・再出発して、東に向かい蹴上から再びトレイルへ。グイグイ上って標高450mほどの大文字山山頂に到着したのは1時7分、17.0キロ地点。寒いが目の前に広がる京都市内の夜景がすっきりと見える。この下の五山送り火の火床からの眺めもよかった。
・大文字山を下りると銀閣の目の前に出る。ここからロードをたどって二回目のコンビニエイド、サークルK白川別当町店についたのは1時52分、20.4キロ。これらの休憩ポイントでは預けた荷物とともに顧問・高橋さんが先回りしてくださっているのが心強い。
(比叡山)
・再びトレイルへ。ここからは比叡山へ向けて長い登りとなる。それほど急なところはないが、全体に無理に走らず登りは早歩き。当方も後ろの方で皆様と話しながら進む。所々視界が開けると夜景が美しい。
・このころから雪が降り出す。風はあまりないが底冷えする寒さ。立ち止まって休憩すると途端にふるえるほど寒くなる。標高が上がるせいか、トレイルに雪が積もっている。
・ロープウェイ比叡駅に到着。暗くてよくわからないが、昼間は売店などもあるようだ。午前4時、27.5キロ。このあたりの標高は750mくらい。標高70mくらいのところから上ってきたから距離は長いもののそれなりに上ってきている。足下は積雪5センチくらいか。
・ここからは舗装路をたどり、奥比叡ドライブウェイを渡って延暦寺まで。薄く雪が積もっていて凍結しているかもしれないので、当方は走らず、足裏全体で着地しながら早歩きで進む。念のためシューズはグリップのありそうなMontrail/Badrockを選んできたが、きっと効果はあったと思う。
・奥比叡ドライブウェイ沿いのトレイルに入るが足下は雪。気をつけながら進む。そしてこのあたりからひどく眠くなる。前方でのりさんの大きな声が聞こえるが、遠い世界のように響く。いつもは元気なけんさん、さうけんさんも静かに重い足を進めるばかり。
・横川中堂へ向かう山門のあたりで大原方面へ向かうトレイルに入るが、ひどく長く感じる、木段を下る箇所がいくつかあるが段差が大きい。凍結で滑るのと足へのショックを小さくするため、着実に着地するよう気をつけて下りる。途中道標のあるところで6時2分、35.1キロ。
(大原から北山へ)
・空が白みはじめるころ、眠さも最高潮。寒さもあってひどくつらい。無言で進むばかり。
・ようやく里に下りて、6時47分、38.3キロ地点、ファミリーマート大原三千院店で休憩。ここまでで寒さのせいか手持ちの補給食もかなり消費していたので、ここでは買い物をしてしっかり食べることにする。おにぎり、サンドイッチなどをたっぷり。この後は食べ物を補給できるところがないので、ここで補給しておいて正解だった。
・7時過ぎに出発。朝日を浴びると多少体も暖かくなり、補給も十分したせいか、少し元気になってきた。このあたりから隊列の前の方に出るようになってきた。
・静原の集落を通り抜けて薬王坂への急な登り。ここで有志の皆様で坂道登り大会。距離はさほどでないが、急な舗装路を経てトレイルに入って息を切らして登り切る。長い行動時間を経て、疲れが重なってきたところで敢えての全力疾走。きっとスタミナ強化には効果があったに違いない。
・薬王坂を下りると鞍馬寺の山門。巨大な天狗の面をみてから叡電鞍馬駅の待合室でしばし休憩。8時48分、45.6キロ。ここでGoさん、八木さんなども合流。
(鞍馬から高雄へ)
・鞍馬駅を出ると舗装路を下りて二の瀬へ。トレイルに入って夜泣峠まで登り、南へ向かう稜線をたどって向山へ。ゆっくりとした登り。山頂は9時45分、49.9キロ。
・向山山頂からも稜線をたどって水力発電所まで下り、賀茂川を渡って再びトレイルへ。小峠まではやや急な登り。峠を越えるとすぐに氷室に到着。
・氷室で地元のおじいさんと出会う。時々この一周トレイルを走っている人に会うのだとか。
・氷室神社の前を通ってしばらくは舗装路を下る。山の家、はせがわで休憩。休憩はついつい長くなってしまう。このあたりで、果たして今日は本当に京都駅まで行けるのか、どこかで区切りをつけるのか議論が始まる。とりあえず嵐山までは行き、そこで考えるということに。
・再出発。緩い登りの舗装路をどんどん進んで沢を登ると沢の池に到着。周りになにもない、自然を残した池だ。
・トレイルを経てロードに出て下っていくと高雄に到着。駐車場で自販機の飲み物、サポートの皆様が用意してくれたお菓子などをつまむ。12時45分、64.2キロ。
(いよいよ終盤、清滝を経て嵐山へ)
・高雄からは清滝川沿いの渓谷を下っていくが、先頭の瀧地さんがシューズのひもを結びなおしているうちに何となく少しスピードを上げる感じになり、そこについてきたさうけんさん、Isseiさんで全力追いかけっこ大会がスタート。清滝の愛宕山参道入り口までの2キロ弱を全力疾走。当方はしばらく先頭を維持したが、最後の登りで走りきれずさうけんさんに先を越される。トレイルが終わってからも全力で追いかける。これほど長い距離、時間を移動してきて、キロ5分を切るくらいとはいえ全力で息を切らせるところまで加速できたので満足。
・再び清滝川沿いを進んだ後、舗装路の急な登り。六丁峠まではさほど長くないが、けしかけられたのりさんが加速を始める。当方はさすがに追いつけず。
・ここから下っていくとすぐに嵐山へ。お店が並ぶ通りを抜けて渡月橋、嵐山公園を経て阪急嵐山駅前に到着。渡月橋は午後3時13分、75.8キロ。
・さてここから先に行くか。予定では西山トレイルに入り、苔寺のあたりに出て、上桂駅に出るはずだが、すでに太陽は傾き始めており、皆様の疲労も高まってきている。滝川さん、瀧地さんの合議の結果、3時35分、17時間半以上かけて75キロで今年のグルッと一周50マイルは終了。
・また50マイル=80キロに足りなかったのはご愛敬。いつか本当に50マイルに達するまでがんばりましょう。
(打ち上げなど)
その後は嵯峨野の込み合う温泉で汗を流して温まったあと、バスで京都駅前へ移動。有志で打ち上げ。鏑木さんファンのNaokiさんや北摂トレイルを愛するあまりそこで店を開きたいという熱いアウトドアガイ、Okamotoさんと語りありながらビールをゴクゴク。
最後はのりさん、Ohaさんとマクドナルドで反省会をしたのち、当方は滋賀の実家に帰るため新快速に乗って帰途へ。帰宅したのは大晦日の11時半頃。そのままぶっ倒れて寝てしまったのでありました。
OSJの瀧地さん、滝川さん、顧問こと高橋さん、サポートしてくださった方々、そしてご参加された皆様、ありがとうございました。