Western States Endurance Run(WS100)に出るための旅の二日目(6月20日水曜日)。
時差ボケのせいか、朝の目覚めが早い。土曜日のレースが早朝のスタートであることを考えれば睡眠時間を確保できればこれも悪くないかもしれない。
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(朝のDishでのジョグ)
この日はWS100のフィニッシュ地点のAuburnまでの移動を予定。せっかくなので、朝のうちにどこかを走ろうと考えていろいろ探した結果、スタンフォードの南側に広がる、Dishと呼ばれる散策路に行ってみることにした。
ここはスタンフォード大学の所有地のようだが、日中の時間帯は自由に入れる公園として提供されているようだ。とはいっても特に公園としての設備は何もなく、できるだけ自然に近い形を維持しようとしているようす。一周6キロほどの周回コースがあるようなのでこれを一周してみることに。
いくつかある入口のうち、駐車スペースがありそうなAlpine Roadの入口から入っていく。
入口にはこのようなゲートがあり、入れる時間帯をコントロールしているほか、利用者数をカウントしているようだ。
Dish areaに関する説明書き。
いきなり結構な登り。コースはこのように全て舗装されており、周囲への立ち入りは植生保護のため禁止、トレイルらしきものも作業用の進入禁止のものを除けば見当たらない。しかし、標高差は最大で100mはあり、このコースでトレーニングするといい練習になりそう。
このような草原に時々背の低い松が生えている感じ。日を遮るものが少なく暑い。草原にはたくさんリスがいてなにやら無心に囓っている。
人もたくさん。時間帯にもよるのだろうが、必死でランニングをしている人は少なく、友達とおしゃべりしながらウォーキングしている人が多かった。
(ランニングショップめぐり)
いったんモーテルに戻って汗を流してチェックアウト。Palo Altoにあるトレイルランニング専門店のZombieRunnerへ。South California Avenueに面したこのお店は様々なカフェやショップがならぶ一角に店を構えていて、郊外のショッピングセンターにあるような巨大な店とは違いこじんまりした感じ。
中はなかなかの品揃え。アパレル類は東京にあるアウトドアショップほどの品揃えではなかったが、シューズはInov8やMerrellなどのベアフット系、ミニマリスト系もたくさんあった。ニューバランスはMT110もminimusと並べて普通に売られている。シューズ、アパレルともBrooks、Saucounyが充実しているのが目を引いた。
さらにランニング用のボトル、バックパックの類もバラエティ豊富。日本のショップでもよくそろっているNathanのほか、最近登場のUltrAspireも現物が並んでいた。ハンドヘルドのボトルの形状がユニークで使いやすいamphipodもアメリカでは非常にポピュラーでいろいろなタイプの製品がそろっていた。当方もハンドヘルドのボトルでストラップが最小限のレース仕様のものを見つけたのでゲット。
ジェルなどの補給食、サプリも豊富。ジェルではPowerBarのほか最近海外通販で買って日本で使っている人も多いGUやCliffもあったが、PocketFuelがあったのでこれもいくつかゲット。これはジェル状の補給食なのだが、バナナやナッツなど正体のわかるリアルフードをのみから作ったオーガニックフードというのが特徴。従って普通のジェルとは違い、食材由来の脂肪分なども含まれている。一袋は通常のジェルの2個分くらいの大きさだが400カロリーを超える。
あとはいよいよ日本にも上陸したDrymaxのソックス。2割引だったのでいくつかゲット。Drymaxのソックスは内側に水分をためにくい作りと素材という触れ込みで水につかった足でもマメができにくいというもの。日本のトレイルレースでは雨でも降らない限りは足が濡れる場面はあまりないが、アメリカの場合は足首まで水につかる沢渡りなどは何度も普通に現れるので、マメ対策への関心が高いのかもしれない。
さらに、本やDVDもいろいろ揃っている(英語だが)。とりあえずScott Jurekの料理についての新しい本と、Tonyのビデオ、Indugenceをゲット。
こうして書いてみると、それぞれのものは特別なものではなく、関心を持つ人も特に日本ではどれだけいるのかわからないが、こういうものが一つのお店に揃っているというのがすばらしい。今回ゲットしたアイテムは改めて紹介してみたい。
店内の一角にはカフェも併設。サンドイッチなどの食事は出さず、コーヒーやラテなどの飲み物だけで勝負、オリジナルのコーヒー豆やキャンデーなどを販売しているかなりこだわったお店。バリスタのお兄さんは日本に住んでいたことがあるそうで、週末のWestern Statesのことなどでしばしおしゃべり。
このZombieRunnerのあるSouth California Avenueはこんな感じ。おしゃれな雰囲気。スタンフォード大学にもほど近い。
(Auburnへ)
いつまでもベイエリアにいるわけにも行かないので、WS100のフィニッシュ地点、Auburnへと移動。ベイエリアからのフリーウェイは結構混み合っている。時差ボケの睡魔に襲われて途中で休憩を入れながら3時間半ほどのドライブでAuburnに到着。
Auburnのダウンタウンの入口で自分撮り。
こちらがWS100のフィニッシュ地点となるPlacer High Schoolのスタジアム。まだWestern Statesがらみの設営はなにもなく、週末の興奮の気配はない。
ランナーはこの入口からスタジアムに入る。映画UnbreakableでもGeoffがここからフィニッシュに向けてスタジアムに飛び込んでいくシーンが登場する。
その後、ここから歩いて99マイル地点の最後のエイド、チェックポイントとなるRobie Pointまで向かう。ランナーはNo Hands Bridgeの谷底から登りあげて、写真のゲートの向こうにあるエイドに到着するらしい。そこからは舗装路を2キロほど進む。
途中に立っていた案内板。
このあたりで写真を撮ってウロウロしていたら、犬の散歩中のおじいさんに声をかけられる。まさにこのあたりに住んでいる方で、毎年ご近所で集まって土曜の夜から日曜の夜まで「99マイルパーティ」をしているのだとか。名前とナンバーを聞かれ、応援するから戻ってこいよ、と励まされる。全米で最も注目される100マイルレースといいながらも、どこかこういうゆるく楽しもうという雰囲気がこのスポーツらしくていい感じだ。
こちらは応援メッセージが書かれたバナーを張りだしたお宅。写真に撮ろうと庭にいた若者に声をかけたら、バナーに書かれている名前はお母さんなのだという。スタート地点から走ってきて、最後に自分の家の前を通って1マイル走ってフィニッシュする、というわけで”Squaw to Home + One Mile”というわけ。毎年、レースを自宅で観ているうちに自分も走ってみようと思ったのかもしれない。
というわけでAuburnの町はまだ静かだが、徐々に盛り上がってきている。歩いていると同じく下見中のランナーに出会ったほか、買い物をしているとレースに出るのかと聞かれたり。
さてさて、こんな風にレポートばかりしているわけにもいかない、自分もレースに出るのだから。明日はいよいよ朝からスタート地点のSquaw Valleyに入ります。