2012年のUltra-Trail du Mont-Blancで10位に入賞した鏑木毅選手にレース翌日に今年のUTMBの感想、コース変更が分かったときに考えたこと、短縮されて100キロのコースとなった今年のレースの印象、来年以降のUTMBへの関わり方、などについて伺いました。
(追記:インタビューを文字に起こしました。2012.09.04 16:09)
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【ウルトラトレイル・デュ・モンブラン 鏑木毅選手 レース後インタビュー】
DogsorCaravan.com: DogsorCaravan.comの岩佐幸一です。今日はウルトラトレイル・デュ・モンブランの翌日です。10位に入賞された鏑木毅さんにお話を伺いたいと思います。鏑木さん、おめでとうございました。
鏑木毅選手:ありがとうございます。
DC: 今年で鏑木さんにとっては2007年から6回目のUTMBですね。今年のUTMBはこれまで比べて同じところ、違うところ、どのようにお感じになったでしょうか。
鏑木:そうですね、2009年以来ずっと長い故障をしていて、今回初めて痛みなく長い距離を走ることができましたね。残念ながら160キロが100キロになってしまいましたけどね。
DC: まさにレースの当日になって、その日の朝に160キロが100キロ、しかもコースはシャモニーのあたりを往復するようなコースになりました。これを最初に聞かれたときは、ショックだな、出るかどうか迷いもあったのではないでしょうか。
鏑木:部屋で寝ていたんですよね。それで携帯が鳴って。コースが変更になるらしい、それも100キロになるらしい、そう聞いてなんだか力が抜けていくような感じがあって。正直その時点では、もう今年は走らないな、という気持ちになったんですよね。100キロと160キロとは全く違う世界なので、自分の考えていたことが全然生きないし。ただ、そこで思い直して、結局は出ることになったんですけどね。
DC: なるほど。それで午後7時になってレースがスタートしました。100キロとなったレースの展開はどのようだったでしょうか。計算通りだったところとそうではなかったところ、どのようでしたか。
鏑木:もちろん、160キロだったものが100キロになったのでかなり速い展開になるだろうな、とは予想していました。ただ実際には僕の予想以上に速くて、本当にびっくりしましたね、僕はスピード的な体というのは作っていなかったので。はじめの出だしのところからかなりの速いペースでね、スピードランナーの力勝負のようで厳しい展開でしたね。
DC: これからもこのUTMBは鏑木さんにとって中心に据えてとりくんでいくレースとなるのか、あるいは世界のほかのレースに視野を広げていくのか、どのようにお考えでしょうか。
鏑木:僕の中では今年のUTMBを一つの区切りにしたいという思いはあったんですよね。でも今年がこういう形で終わってしまったので、このままUTMBを去るわけにはいかないですね。UTMBはもう一回出ないといけないなと思います。ただそれが来年なのか再来年なのかというのは、まだちょっとわからないですけれども、(今年が)終わったばかりなので。ただ、僕にはレーサーという顔と(レースの)オーガナイザーという顔があるんですね。オーガナイザーとしてはUTMBは僕の人生を変えたレースなので、これからもいろんな形で関わっていこうと思うし、多くの人に感動の舞台を味わってもらいたい、UTMBを伝えていきたいと思いますね。
DC: ありがとうございました。改めて今回はおめでとうございました。
鏑木:ありがとうございました。