[DC] 寒さ、暑さ、痛み、絶景と人情。朝倉さん夫妻のレースレポート・Grand Raid de la Réunion/グラン・レイド・レユニオン

南インド洋のフランス領レユニオン島で開催された20回目のGrand Raid de la Réunion/グラン・レイド・レユニオンのメインレース、”La diagonale des fous”は、現地時間10月21日日曜日午後4時30分(日本時間21日日曜日午後9時30分)にスタートから66時間半で閉幕。2700人のランナーのうち、約半数の1360人ちょっとのランナーが完走した模様。優勝したKilianをはじめとする上位選手のレース速報は下にお伝えしたとおり。

[DC] 無敵のキリアン、女子はエミリー・ルコントが優勝 20回目のGrand Raid de la Réunion/グラン・レイド・レユニオン | DogsorCaravan.com

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このレースに日本から参加された4人のランナーの一人、朝倉一朗さん(aka 突貫野郎)、リンリンさんご夫妻から参戦レポートをいただきましたので以下ご紹介します。今回は懸念されていた腰痛から惜しくも完走ならなかった朝倉さんですが、そのレポートからはGrand Raid Reunionのハードさが伝わってきます。

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右が2012年のGrand Raid Reunion / La Diagonale des Fousに参加された朝倉一朗さん(aka 突貫野郎)。

 

大会サイトの朝倉一朗さんのアップデート

想定内でした。腰痛と膝痛を抱えており、短時間ではありますが治療もすることが出来、が、しかし結果的に治療が間に合わなかったのは全て自己責任です。

11.1キロのエイドまでは順調…

20.5キロのエイドに向かう山の中、物凄い渋滞…

そのうち腰痛が起き始め、息も出来ないくらいに…(こんなことは初めて)

20.5キロのエイドで嫁さんに先行してもらいました。

29キロ地点で医者に見てもらうと… はっきりともう止めろと言われました。

が、ギリギリで進みました。かなり気持ちよく走れるトレイル。

しかし一歩も腰が痛くて走れず…

記載の距離の割には歩きだけでも早く着くので不思議な感覚に…

結局52キロのエイドに閉鎖30分前に到着。このころには20キロから寒さでやられていた胃腸も完全復活。

しかし椅子に座れず、立ち上がれず、しゃがめず、もう自分の身体ではなくなっていました。

ベッドで横になっていたら連絡を受けていたのか医者が来て(日本人は初参加と凄くPRされていました)、信用にかかわるから(ピトンデネージュの山で動けなくなられたら)ここで止めてくれと言われ、有無を言わさずチップを回収されてしまいました。

それが19日の13:30。(関門閉鎖の15分後・エイドに45分もいたんですね)ホテルに到着後、すぐに湯に浸かり回復を図りました。

21:30からキリアンのゴールを待ち構えに会場にゆっくり歩いて向かいます。

到着後、2時間半待ちました。こちらの時間で0:30位にゴール。

あんなやつれたキリアンの顔は見たことが無いくらい、彼は疲れてたようですね。

とにかくレユニオンでのスポーツは一番人気がトレランらしいです。

町のあちこちにキリアン!!

結局20日の朝、ようやく部屋でしゃがめる様になりました。

腰の痛み… リタイアして良かったです(/_;)(本当に悔しいとか残念とかよりも息ができるようになったことが嬉しいです!)

実は出国前から腰がおかしくて内田(治療院)に通ったのですが、間に合わず…

(今回、日本からレースに参加された)三好礼子さんにストレッチポールを借りたり、色々手を尽くしましたがダメでした…

いまだ椅子に座るのも痛くて前かがみにもなれませんが、帰国したらすぐに内田(治療院)に行きたいと思います。

DNSだけは避けました。が当然DNF…最初からこうなることは予測で判っていたので哀しくはないです。

 

朝倉さんによる、リンリンさんのレポート。

以下リンリンから聞きとりの再シェアです。

深夜23:00の関門に間に合わず、Ecole Sans Souciに約0:00到着。

エイドは撤収され、水すら無く、実は到着1時間前に水切れ。

バスは朝の6:00に来ると言われたが、あとで地元の方から日曜はバスがその時間に来ないと。

オフィシャルの回収バスも無いみたいで、リタイアした方はみんな車で迎えに来てもらっていました。

そんな中、次の大きなエイド(シャンペのような)Ilet Savanahに向かえば良いかと思い道を聞くも、ここで寝なさいと言われ歩くことを許可されず。

ベンチで一人で横になっている時にGary君に声をかけられ、「明日Saint-Denisに仕事で行くから、今夜はうちに泊まりなよ…」と声をかけてもらい、彼のお母さんとそのお友達のご婦人と移動。

ご婦人の部屋に泊めてもらい、暖かいシャワー、暖かい食事、暖かいベッドで歓待していただきました。

その後Finish会場でデポを受け取り無事に帰宿。今やっと落ち着きました。

何をどう話せば伝わるか、一晩では語り切れないくらい私たちにはドラマがありました。

歩きながらの自問自答などは超越し、まるで日本のトレイルを進んでいるかのような錯覚の中、懐かしい緑豊かな感じ…

それは確かに天子山地と同じでした。

空気もまるで日本の様な… それでいてふと気付くとシャモニーにいるような、浅間山や富士山の景色、屋久島の様な湿気と清冽さ、沖縄のような温度と風。

スタート直後はロードレース。左折したらさとうきび畑の中のおんたけウルトラの林道、その後の登りは、まるで北丹沢が夜の大会になったような湿度と温度と超大渋滞!。

それを越えると冷たい風の吹く越後駒ケ岳のような登り。

下りに入ると奥久慈。更に進むとUTMBの雨上がりの牧場の様なぬかるみの草地、さらに第一回志賀野反のような雨と泥水の川。

V型になったトレイルのぬかるみは足首まで埋まり、それが歩きの下りで1時間半も続き…

滑るたびに腰がツイストになり絶叫!バランスを崩して柵につかまろうとするとそれはトゲのあるバリ線(牛よけ柵)。

しかしながらMAIDO山の登りでは絶対に日本では味わえないような強烈な日差しと温度にHeat attack!

ガスが出てくると霧雨…しかも霧なのに粒が大きく雨と変わらない…

昼過ぎたらとにかくガスが出やすいみたい。雨具を着たり脱いだりの繰り返し。

でもシャモニーとはまったく違う、クレーター、火山平原、断崖絶壁の景色などが垣間見れ、絶対に来年はもっと多くの日本人に出てほしいと本当に思います。

まるで手探りのレース、完走にはサポートの有る無しも大きく左右すると思います。

ストックが使えないので、体力勝負。でも走れるトレイルも多いので身体のトラブルさえなければこんな体験の出来るレースはほかにはやっぱりないのかもしれませんね。

島をあげての1大イベント。TVでPRもしているし、なんといってもこの島での人気ナンバーワンスポーツはトレイルランニングと言うことだそうなので、街を歩いていても日本みたいに普通にたくさんランナーが走っています。

毎日が感動のReunion!

本当に皆様応援ありがとうございました\(^o^)/\(^o^)/リンリン☆

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(以上、写真はいずれも朝倉一朗さんより)

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