[DC] 机上シミュレーションと寒さ対策・OSJ八ヶ岳スーパートレイル100マイルレース

今週末11月3−4日は、今年が初めての開催となる「OSJ八ヶ岳スーパートレイル100マイルレース」。八ヶ岳の周囲をめぐる舗装路や林道、トレイルをコースとするこのレース。60km、100km、100マイルのレースが行われるが、最も長い100マイルは蓼科湖・プール平をスタートし、清里、松原湖、女神湖などをめぐって再び蓼科湖・プール平に戻るという「グルッと一周」タイプの100マイルレース。

日本でも100キロを超えるウルトラマラソンへのランナーの関心が高まる中、この100マイルの部の定員600人は他の距離のレースに先立って埋まってしまったとか。当サイトの「ゆるふわ」こと岩佐もこの100マイルの部に参加予定。

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事前にコースなどの机上確認をしたところ、100マイルのうちいわゆるトレイルはコース前半に現れる計15kmほど。47kmほどが未舗装の林道で残りの100km弱は舗装路。累積獲得高度は7,265mD+。気温についても現在の天気予報をみると晴れるがかなりの冷え込みが予想され、コース後半の夜間は寒さ対策が重要になりそうだ。

以下は当方が作成した「チートシート」と、寒さに備えるための当方の装備のご紹介。

まず、大会公式サイトは次の通り。

POWER SPORTS | パワースポーツ「八ヶ岳スーパートレイル100マイルレース」(大会概要)

コースの概要図、および地形図にルートが記入された詳細な地図は下のサイトでダウンロードできる。

POWER SPORTS | パワースポーツ「八ヶ岳スーパートレイル100マイルレース」(コースマップ)

大会当日の天候・気温

10月31日17時発表の長野県中部(松本)の天気予報は 3日(土)、4日(日)とも晴れ時々曇り、降水確率は20%。気温は最高/最低がそれぞれ3日は10℃/-1℃、4日は12℃/-1℃。ちなみに松本地方気象台の標高は418m。標高1300mほどの蓼科湖・プール平は松本より5.4℃、コース最高地点、エイドがおかれる132km地点の大河原峠の標高は2100mほどで松本より10.2℃、それぞれ低いことになる。

松本市のピンポイント天気 – 日本気象協会 tenki.jp

コースのシミュレーション

上記の大会サイトにあるコース概要図、地図、地図に付された高低図をもとに登り下りの大きさ、エイドの配置、路面の状況(トレイル・林道・ロード)、目標タイムなどをまとめた「チートシート」をまとめてみた。

IMG 0218

当サイト作成のチートシート。24時間での完走を想定。路面の種別については大会サイトの概要図を元に分類したが、地図を細かく追うとこれとは多少異なる区間がありそうだ。(c) DogsorCaravan.com

上記のチートシートはここからPDFでダウンロードできます。

以下、レースのシミュレーションをしてみる。目標とするタイムは24時間(制限時間は30時間)。24時間という数字に特段の根拠はなく、今年のWestern Statesでひそかに目標としていた24時間以内を再び目標としたもの。今回の八ヶ岳のコースは累積獲得高度が7,200mD+を越え、WS100の5,800mD+を越える。ただ、路面はロードの比率が高く、走りやすいといえるだろう。とはいえ、ロードや林道の登りは単調でやる気を萎えさせるに違いない。また、自分のコンディションをみても、6月のWS100の時ほどトレーニングは積み上げられていない。24時間はかなり高い目標だとみている。いずれにせよ、100マイルを制限時間の30時間以内で走るというのは、UTMFやUTMBとはちがい、コース全体を通して大きな休みを入れずに走り続けることが求められるだろう。その意味ではUTMBやUTMF以上にランナーには厳しいレースとなるだろう。

スタート〜観音平(37キロ地点)

蓼科湖・プール平を3日(土)午前5時にスタートすると、最初は20キロ弱のロード。スタート直後にゆるいロードの下りが現れることもあり、ここはスピードを出したくなるがほどほどに抑える。13キロ地点くらいから登りに入り、第二エイド(八ヶ岳自然文化園)を過ぎると次第に下りへ。19キロ地点くらいから富士見高原のトレイルを6キロほど。30キロ地点過ぎからは観音平まで登りのロード。この区間、朝もまだ早いので気温は-5℃くらいか。

観音平〜第二関門・松原湖(96キロ地点)

観音平からは八ヶ岳横断歩道のトレイルを相応のアップダウンを経て天女山の駐車場まで9kmほど。続いてロードになり第一関門・清里八ヶ岳自然ふれあいセンター(57キロ地点)までは急な下り、ここまで25キロほどエイドがない。ここで正午くらいか。高度も下がるので気温は上がるがそれでも+5℃程度か。

清里で小海線の東側に出て、飯盛山に登るがこれはおそらくトレイルを経由するだろう。飯盛山山頂は360度の眺望だとか。山を下りてJR最高地点で小海線の西側に渡る。

小海線を渡ってからは長い林道とロードの登りで標高差で500m程度。南八ヶ岳林道を進んでピークとなる貯水池のエイドには午後3時頃の到着か。稲子湯も間近なところで大月川を渡って松原湖へ急なロードの下り坂。第二関門・松原湖公民館前には午後7時くらいに着きたい。このあたりで日は落ち、標高は低いがこのあたりで−4℃くらいか。

第二関門・松原湖〜第三関門・女神湖(146キロ地点)

12-3kmほどで標高差500m以上をロードで登り、108キロ地点のエイド・八千穂レイク。ここでドロップバッグを受け取ることができる。すっかり夜となり、ここでの気温は−9℃くらいか。ここから国道299号線でNHKの八千穂受信所まで。林道に入り大岳川までいくと121キロ地点のエイド。ここからが双子池方面まで12−3km、標高差で900m近い長い林道の登り。夜間のこの登りはかなり苦しいものとなるだろう。さらに林道を「スーパーすぽるちば」のメンバーがエイド・クルーを務める132キロ地点の大河原峠まで。午後9時半ごろに121キロのエイドを出て、深夜0時頃に大河原峠まで着けるか。標高2000mを越える大河原峠は夜間は−10℃を下回るだろう。エイドの皆様はくれぐれも寒さに気をつけて。

大河原峠から林道を経て、スキー場の急斜面を駆け下りて146キロ地点の第三関門・女神湖へ。

第三関門・女神湖〜蓼科湖・プール平(162キロ地点・フィニッシュ)

女神湖から7キロほどをロードで白樺湖のエイド(154キロ地点)へ。ここに着くのは午前2時頃か。ここから八子ヶ峰へ向かう稜線上のトレイルへ。標高差で400mほどは登る。稜線からの眺めはいいはず。目標タイムから大きく遅れたら、ここから朝の眺めを楽しめるかもしれない。残りの3キロ弱はロードの急坂をフィニッシュ地点のプール平へ。到着が夜明け前の午前5時だとしたら、気温は−6℃くらいか。

寒さ対策

予報を元に考えるなら、コースは日中でもせいぜい気温は+5℃ほど、夜間で大河原峠などの標高が2000mを越えるところでは-10℃くらいまで下がるだろう。晴れてはいるが真冬のレースだと考えた方がよさそうだ。

当方は、UTMBと同じような装備を考えていたが、少々考えを改めた。上半身は薄手の生地がグリッド状で通気性がよいフリースを用意しようと思う。例えば以下のもの。Polartec Power Dryを生地に使った薄手のフリースで身体へのフィット感が高い。フードもタイトな作りなので、温かいときは首元でネックウォーマー代わり、寒いときはかぶってバラクラバ代わりになる。もう少し温かければ、長袖のベースレイヤーを着るところだが、今回ほどの寒さならfinetrack/フラッドラッシュアクティブスキンのロングスリーブを着て、その上の下のプルオーバー、夜間に寒くなってきたらハードシェル(今回は雨はなさそうなのでウィンドシェルでもいけるか)を重ねる、という感じだろうか。

風が強そうなら、身体の全面に防風性のある素材を使ったMHW / エフュージョンパワージャケットもありか。当方は、ダウンや化繊のインサレーションはかさばり通気性もよくないのでランニング中に着ることはあまり賛成でないが、インサレーションを前身頃にだけ使ったThe North Face / ハイブリッド ゼファー ジャケットはありかもしれない。

RAB Baseline Hoodie – Ultralight Outdoor Gear

下半身についてはタイツを最初から最後まで履く。普通のロングタイツではなく、裏側を起毛したものを使いたい。温かさではPatagonia / Coolweather Tightsが本命だが、フィット感はあまり高くない。それに今は廃盤になっているようだ。当方はArc’teryx / Stride Tightでいくつもり。もう少し温かければMHW / エフュージョンパワータイツもいいかも。

あとはグローブ(手袋)。当方の持論は薄手のグローブ(例えばMHW / Momentum Running Glove)に薄手の防水性のあるミトン(例えばTerra Nova / Tough Bag)を組み合わせるというもの。しかし、今回のように雨がなさそうで寒い時間がつづくなら、しっかりインサレーションが入ったもの(例えばMHW / Epic Glove
)を用意するのがよいかも。

補給

OSJ主催のレースはエイドであまりいろいろな補給食が得られないので有名だが、今回はエイドでは水、チョコ、塩、アメが用意され、加えて3カ所の関門のエイドではパワーバー、バナナ、温かい飲み物が用意される。地元のおもてなしとして何か他の補給食が得られるのかもしれないが、現時点では何が得られるかわからない。となると、結局は水以外の補給食は全て自分で持たざるを得ないだろう。レース2時間後から45分にジェル1個のペースでジェル30個。予備を考えると35個分ほどを20個分を最初から、15個分を108キロ地点の八千穂レイクで受け取るドロップバッグに入れるか。いずれもジェルだけでなく、グミやワッフル、バー、柿の種などの塩分のあるものを組み合わせるだろう。

これも読む
土井陵 Takashi DOI UTMF 2022 レース後インタビュー

以上、とりあえず今のところ当方の心得をまとめてみた。もし、このレースに出る方(あるいは出ない方でも)ご意見があればコメントをいただければ幸甚です。

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