トレイルランニングの中でも100マイルをはじめとする長距離のレースの人気が高まり、出場権を得るためのポイントが必要だったり、その上で抽選だったり先着順の申し込み競争だったりで、近年はレースに出場する予定を確保するのも大変です。そうなると、レースの出場権をようやく手にした以上はなんとか完走したいものです。ましてやそれが初めて挑戦する距離だったらなおさら。
アメリカで活動するウルトラランナーでコーチでもある、イアン・シャーマン/Ian Sharmanが米・UltraRunning誌の記事で「初めての100マイルレースを完走するための極意(Preparation To Finish Your First 100-Miler)」という記事を書いています。
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イアンの記事からまずは見出しを紹介します。
- レース当日までケガが治らないなら潔くレースには出ない(Don’t Run If Injured)
- どんなことがあってもフィニッシュする、という強い気持ちを持つ(Be Prepared To Finish At Almost Any Cost)
- 苦しい時も前向きな気持ちになれる気持ちの切り替えができるようにする(Have Positive Motivators To Fall Back On)
- レース中に起こりうる全てのトラブルを想定して、備えておく(Think Through and Have a Plan For All The Things That Are Likely To Go Wrong In The Race)
- スタートからフィニッシュまで楽しみながら走ることを心がける(Keep Things Fun As Long As Possible)
- レース中のペースは時計をみるのではなく感覚に任せる(Pace Sensibly)
- ペーサーが必要かどうか、誰に頼むかは慎重に考える(Consider Whether A Pacer Is Needed)
- クルー(サポートしてくれる人)とは十分に打ち合わせを(Educate Your Crew)
- 泣き言でリタイアしない(Don’t Drop Out On A Whim)
上記のうち、「2. どんなことがあってもフィニッシュする、という強い気持ちを持つ」については次のように書いています。
(100マイルレースで)フィニッシュするために重要なことの一つは、厳しい状況になった時でも徹底的にやってやろうと思えるほど、そのレースがあなたに取って大事なものかどうか、ということです。もし大事なレースなのであれば、100マイルレースは確実に完走できます。やり遂げようとする気持ち、前に進もうという鉄の意志が必要なのです。そうした強い意志を持つためにお勧めなのは、トレーニングのときにいくつかある選択肢でいつもより難しい選択肢を選ぶようにすること。例えば、トレイルを走っていて、近道を使わずにより距離の長いルートを選びます。こうしたことを繰り返しているうちに、きつい方の選択肢が当たり前になり、気持ちが強くなっていきます。
100マイルや100キロといったレースを走ったことのある人なら、うなづける話ではないでしょうか。例えば、晴れてウルトラトレイル・マウントフジ/UTMFやウルトラトレイル・デュ・モンブラン/UTMBの出場権を今年初めて手にした方は、元のイアンの記事を一読していただくと、モチベーションが上がるのではないでしょうか。