[DC] ダイジェスト Day 2・台風一過の北アルプスは次第に天候回復 #TJAR2014

8月9日土曜日の深夜24時に魚津市の富山湾をスタートしたトランスジャパンアルプスレース/Trans Japan Alps Race 2014は二日目の11日月曜日に入りました。徐々に天候が回復する中、上位選手は上高地を出てロードの区間に入りました。続くランナーも北アルプスを上高地に向けて進んでいますが、前夜に台風でビバークを余儀なくされたことで各ランナーとも想定タイムよりは大きく遅れているはず。関門締切時刻が3時間延長されることが発表されましたが、今後の各ランナーの作戦に影響するかもしれません。

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二日目も稜線上は強風と濃い霧、慎重に集団で進むランナーの皆さん

初日に台風に見舞われた一日目の10日日曜日は午後から夜間にかけて台風の影響が強まることが見込まれました。これを受けて、各ランナーとも夕暮れ前にビバークに入りました。先行する10人が薬師岳山荘付近(80km)、続いて15人がスゴ乗越付近(75km)、3人が室堂から近い雷鳥沢付近(62km)でビバークしました。

一夜明けた北アルプスの稜線上は雨は上がったものの霧が濃く、風も強い状態。薬師岳山荘の10人も午前5時に行動を開始します。一方、雷鳥沢でビバークしていた笹岡誠は前日から傷めていた腸脛靭帯の痛みがひかず早朝にリタイアしますが、一緒にビバークしていた岩崎勉福山智之は午前3時50分には行動を開始しました。

こうした状況を受けて午前9時半頃、大会実行委員会はこの後の関門とフィニッシュの締切時刻を3時間繰り延べることを発表しました。これにより、最初の関門となる上高地の締切時刻は三日目となる明日12日火曜日の11:00となりました。

台風の前日よりは天候が回復したとはいえ、午後になって西鎌尾根に入った上位選手には強風が吹き付けます。槍ヶ岳山荘(105km)には望月将悟阪田啓一郎石田賢生紺野裕一が4人が到着。13:50に上高地へ向けて出発します。ここで前回のトップ通過タイムから約11時間遅れ。

続いて、14:38に船橋智飴本義一、14:40に松浦和弘が槍ヶ岳山荘に到着。ややおいて15:27に大西靖之、15:38に山本寛人、16:36に大原倫が到着。ここまでがトップ10となり、前夜に薬師岳山荘でビバークしたランナーです。

スゴ乗越でビバークしていたランナーも、多くが黒部五郎小舎(95km)を休憩、補給後に16:09に出発したとのこと。朽見太朗雨宮浩樹は18:00頃には槍ヶ岳山荘を通過しています。

また、上高地(124km)には18:30頃に望月将悟阪田啓一郎石田賢生紺野裕一の4人が揃って到着。4人が食堂の閉店前に食事に向かっている間に、船橋智飴本義一も到着しています。船橋、飴本は4人よりも20分程先に上高地を出発しました。

その後、木祖村に向かうロード区間にある奈川渡ダム(146km)には21:20に飴本義一がトップで通過、46分後の22:06に船橋智が続きます。望月阪田石田紺野の4人は22:20に通過。このまま飴本、船橋が先行するのか、あるいは4人が追いつくのか、誰かが飛び出すのか。

奈川渡ダムへ向かう途中の通称「恐怖のトンネル」。歩道がほとんどない。阪田、望月、紺野、石田がグループで進む。Photo by Sho Fujimaki

奈川渡ダムへ向かう途中の通称「恐怖のトンネル」。歩道がほとんどない。阪田、望月、紺野、石田がグループで進む。Photo by Sho Fujimaki

暗くなってからも熱い応援のメッセージがランナーに送られる。Photo by Sho Fujimaki

暗くなってからも熱い応援のメッセージがランナーに送られる。Photo by Sho Fujimaki

大会のFacebookページの情報をもとにこの二日目の23:30までの状況をまとめると次の通りです。

明日三日目は雨。上高地CPの11:00の締切後は長いロードへ

前日の午後の明るいうちに槍ヶ岳山荘を通過したランナーは夜の間に上高地に到着するでしょう。槍ヶ岳山荘から上高地は約20km、ハイキングのコースタイムで9時間10分となります。延長された午前11時の関門締切までに上高地に到着するには夜明け前には槍ヶ岳山荘を通過したいところ。

天気予報によれば三日目の12日火曜日は前線の影響により日中は雨との予報。上高地を出たランナーはここから中央アルプスの登山口まで70kmにおよぶ舗装路を走ることになります。木祖村の藪原駅までの商店で補給するランナーの姿を見ることができるでしょう。上位選手は明日三日目の午前中には旧木曽駒高原スキー場の木曽駒ヶ岳への登山口に到着し、夜になって菅の台バスターミナルまで下りてくることになりそうです。

二日目までは長いビバークや霧もあり、レースとしては目立った展開はないまま上高地まで来ています。三日目以降、現在先行する飴本、船橋と4人で走っている望月、阪田、石田、紺野のグループがどうなるのかにも注目したいところです。

写真集

当サイトでは今回、コース上で大会を取材する写真家の藤巻翔 / Sho Fujimaki、後藤武久 / Takehisa Goto、小関信平 / Shimpei Koseki、宮上晃一 / Koichi Miyagami の皆さんの協力を得て、大会期間中に撮影された写真をご紹介していきます。トレイルランニングをはじめとするアウトドアスポーツのプロの作品をお楽しみください。
【追記・槍ヶ岳山荘の模様を追加掲載しました。】

参考

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