[DC] これまでのまとめ・本日開催の鎌倉トレイル協議会「ガイダンス&ルール」説明会

Kamakura trail rule map

今年3月に鎌倉市でトレイルランニングの規制についての陳情が市議会で可決されて以来、鎌倉でのトレイルランニングのあり方が注目を集めてきました。一連の動きのなかでトレイルランニングの関係者の側から立ち上がった「鎌倉トレイル協議会」による「ガイダンス&ルール」の説明会が本日12月1日(月)午後8時から開催されます。この記事では、この説明会を前に、これまでの経緯や「鎌倉トレイル協議会」が9月下旬に提案した「ガイダンス&ルール」案、これに対するパブリックコメントをまとめてご紹介します。

当サイトでは本日開催の説明会を取材し、本日中にその概要や説明会でのやり取りをご紹介する予定です。

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今年3月の鎌倉市議会でのトレイルランニング規制についての陳情の可決

今年8月に「鎌倉トレイル協議会」が立ち上がった経緯、目的、メンバーなど

以下は「鎌倉トレイル協議会」のFacebookページからの引用です。

<ここから引用>
2014年8月1日
私たち鎌倉を愛するトレイルランナー有志は、多種多様な人と鎌倉のトレイルを共有するため、利用者のマナー向上、ルール作りと周知のため『鎌倉トレイル協議会』(所在:鎌倉市常盤623–8/会長:滝川次郎)を発足いたします。

●『鎌倉トレイル協議会』会長挨拶
鎌倉は海外からの観光客も多く日本を代表する観光地のひとつです。もしこの鎌倉で、市によって「トレイルランニングが規制」されることになったら、鎌倉だけの問題ではすみません。《トレランは危険だ》という思い込みが日本中に広がり、他の地域でもトレイルランニングが規制されるかもしれません。

トレイルランニングへの誤解と偏見から、また一部トレイルランナーのマナー知らずのトレイル利用から起きた「トレラン規制」問題。何とかしなくてはと鎌倉在住のトレイルランナーが立ち上がり、作ったのが『鎌倉トレイル協議会』です。

鎌倉のトレイルは、毎朝の犬の散歩で歩く住民、寺社仏閣を巡るハイカー、自然を楽しむランナーなど多種多様な人々が利用しています。『鎌倉トレイル協議会』は問題解決のひとつとして、これら多くの人がトレイルを共有するための課題を整理し、誰もが快適に利用できる鎌倉のトレイルガイダンスとルールを作り、啓蒙普及しようと考えています。皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

会長 滝川次郎

●『鎌倉トレイル協議会』が生まれた理由、またその活動目的

三方を山々に囲まれた天然の要塞であるために12世紀末に幕府が開かれた鎌倉。この街にはたくさんの山道(トレイル)があり、トレイルの先に街があります。この他に類のない自然と共にある街、鎌倉に事件が起こりました。

1)鎌倉には寺社仏閣や自然を楽しむハイカーや観光客が訪れ、山道を整備したトレイルも多数用意されています。そのトレイルを使ったトレイルランニング活動に対し……特に横浜市神奈川区を活動拠点とする《NPO野外活動(自然体験)推進事業団/代表:片山成允氏》が過去9回に渡って主催してきたレースに対し……その危険性と環境保護の観点を理由に「トレイルラン規制の条例化についての陳情」がボランティア団体《ハイキングクリーン/代表:御法川斎氏》から提出されました。その陳情は2014年2月25日に「鎌倉市観光厚生課常任委員会」で採択、3月25日に「鎌倉市議会本会議」で可決されました。

2)その後、地元の多くのトレイルランナーが情報交換を行い、有志が6月10日に鎌倉市議会議長と鎌倉市長宛に[陳情第134号「トレイルラン規制の条例化についての陳情」に関する要望書]を提出いたしました。
鎌倉在住のトレイルランナーたちは、こうした鎌倉のトレイルを巡る動きや一方的な立場に立ったテレビ報道、またレース開催者である《NPO野外活動(自然体験)推進事業団》だけがトレイルランナーの代弁者として捉えられていることに危機感を持ち、2014年8月1日『鎌倉トレイル協議会』を結成いたしました。

3)トレイルランニングに対する誤解、またアウトドアイベントを主催するひとつの団体の対応をきっかけにした〈陳情案の採択〉は、心身の健康と自然を楽しむために走る地元のトレイルランナーや、鎌倉観光も兼ねて市外から訪れるトレイルランナーにとっては失望以外のなにものでもありません。
トレイルランニングは本来、個人または少人数で野山に分け入り自然を楽しむもの。その意味では走るハイキングと言っていいでしょう。速さや順位を競って集団となって走るレースはトレイルランニングの中でも特別なものです。毎朝の犬の散歩を兼ねたジョギングとフルマラソン大会くらいの違いがあります。

4)『鎌倉トレイル協議会』はこのような誤解をとき、また高齢者によるハイキングブーム、外国人観光客の増加など、鎌倉の現状に沿う有意義な利用を目的として、トレイル利用ガイドラインとルールを提案いたします。多種多様な人と鎌倉のトレイルを共有するためであり、鎌倉トレイルの利用者のマナー向上、ルールの周知のための情報発信をするものです。

5) 他の利用者と相互理解を深めトレイルを共有することを目ざし、同時に鎌倉の自然環境を整備保全することで、同じような課題を抱えた他地域のモデルになりたいと思います。

今後の活動として
・マナー向上の啓蒙活動
・案内看板の設置
・トレイルマップの作成配布
・トレイルのゴミ拾いラン
・フェイスブックの開設で会員募集
などを予定しています。

6) 以上の経緯から別紙にあるように《鎌倉トレイル・ガイダンス&ルール》を作りました。これは鎌倉市と関係する諸団体と協議のうえ、試案・叩き台としました。さらに市民の方々のご意見を反映したいと思います。鎌倉市役所に書式を準備する予定です。市民にご意見をお書きいただき、当協議会に郵送してもらいます。

●『鎌倉トレイル協議会』を立ち上げたメンバー
会長………滝川 次郎 (鎌倉市)
副会長……篠 健司 (鎌倉市)
宇佐美 雅規(鎌倉市)
三浦 務 (茅ヶ崎市)
理事………内坂 庸夫 (東京都)
山崎 清士 (藤沢市)
事務局長…八木 康裕 (逗子市)
会計………西田 守子(逗子市)
監事………宮本 英記 (逗子市)
顧問・アドバイザー…鏑木 毅(プロトレイルランナー)
石川 弘樹(プロトレイルランナー)
(有)パワースポーツ(鎌倉市材木座)
(株)ゴールドウイン/ザ・ノース・フェイスヘリーハンセン 鎌倉店(鎌倉市小町)
パタゴニア日本支社/パタゴニア 鎌倉(鎌倉市小町)
(株)OSJ/インディアンサマー(鎌倉市由比ヶ浜)
<引用終わり>

「鎌倉トレイル・ガイダンス&ルール」の試案

以下は「鎌倉トレイル協議会」のFacebookページからの引用です。

<ここから引用>
《鎌倉トレイル・ガイダンス&ルール》

  1. 自然に感謝しよう。:鎌倉の自然環境やトレイルの地権者、管理者、地域の寺社仏閣、住民の方々、他のトレイル利用者に対して、常に「走らせてもらっている」という謙虚な気持ちを持ちましょう。
  2. 挨拶をしよう。:鎌倉のトレイルではハイカーや観光客など出会う人に「こんにちは」と元気に挨拶をしましょう。こちらから声をかけることで、トレイルを共有する人とコミュニケーションをとりやすくなります。山を走るトレイルランニングにはここにあるようなマナーや心構えが必要ですが、どれもむずかしいことではありません、たとえば、この挨拶は一般社会で当たり前のこと。ひとりひとりがマナーや心構えを持って走れば、鎌倉のトレイルを利用する人々との共存へのきっかけになるでしょう。
  3. 坂道は弱者優先です。:鎌倉のトレイルではハイカーや観光客などに配慮しましょう。日本の山では1人しか通れない狭い坂道では上りが優先(下る人が立ち止まり脇に避けて、上る人に道を譲る)と言われますが、相手や状況により異なります。大切なことは弱者を優先してあげること。賢く臨機応変に対処しましょう。
  4. すれ違うときは走らず歩いて。:鎌倉のトレイルでハイカーや観光客などと対面ですれ違うときは、驚かせないよう速度を落とし、早歩きくらいの速度ですれ違いましょう。また、ハイカーや家族連れに後ろから追いついてしまったときは、並んで歩けるほどの道幅になるまで前の人の速度にあわせて進むのが原則です。道幅が広くなったところで、横に並んで追い越します、このときも走らず早歩きで。なお、後ろから 10mくらい近づいたときに「こんには」《ママ》と声をかけ、背後のこちらの存在に気づいてもらうことが大切です、いきなり憐に並ばれたらびっくりされますから。また、声をかけることで、相手が気をきかせて親切に立ち止まって道を譲ってくれることもあります、このときも早歩きで通り抜け、「ありがとうございます」と相手の好意にお礼を言いましょう。
  5. トレイル以外に足を踏み入れない。:動植物を傷つけたり、採取してはいけません。裸地(多くの人が通行することで踏まれて植物が育たなくったところ)を増やさないため、動植物を保護するため、また転倒転落予防のために、トレイル以外は(もちろん路肩も)走ったり歩いたりしてはいけません。また階段、丸太などによる段差には、それを避けるための脇道ができていることがありますが、脇道を利用することは裸地につながるし、そこに雨水の流れて《ママ》トレイルが崩嬢することもあります。自然環境への影響と安全を考えてトレイルの真ん中を進むようにしましょう。
  6. ゴミはすべて持ち帰りましょう。:社会常識、ごく当たり前のことです。海でも山でも街でもゴミは持ち帰りましょう。もともとトレイルランナーはゴミになるほどのものを携行しませんが、鎌倉のトレイルを利用する人はランナー、ハイカーの区別なく自分の出すゴミはもちろん、トレイルに落ちているゴミも拾って持ち帰るように心がけましょう。鎌倉は観光客の多くが駅から駅へという行動パターンが多いため、鎌倉市では市内 6ヶ所に分別型ごみ容器を設置しています。こちらを利用するのもいいでしょう。ごみ容器設置場所:鎌倉駅東口・西口、北鎌倉駅県道側・円覚寺側、大船駅東口、由比ヶ浜海岸石碑広場
  7. すべての責任は自分にあります。:鎌倉市内とはいえ、トレイルは天候、時刻、場所によって危険なところもあり、また季節によってはスズメパチ、マムシなど危険な生物が活発に活動します。トレイルすべてに案内看板が設置されているわけではありません。事前に下調べをし、必要と思われる装備やハイキングコースマップを持参して鎌倉のトレイルを楽しみましょう。
  8. 鎌倉トレイル・ルール:鎌倉のトレイルは四季折々の自然の景観、行事などを楽しむために、多くのハイカーや観光客で混雑することがあります。区間、時刻によってはランニングにはふさわしくないことがあります。市内で開催されるイベント、桜や紅葉の時期を調べ混雑を避けるようにしましょう。
  9. a. 《鎌倉トレイル協議会》は以下の日時はその特定の区間を「走らず、ハイキングを楽しむ」ようルールを設けます。
    • 天園ハイキングコースのうち
      • 半僧坊〜天園(峠の茶屋)・通年/土日祝 10時〜14時。
      • 天園(峠の茶屋)〜獅子舞〜二階堂東電変電所・紅葉時期(11月第3週〜12月第2週)/終日
    • 浄智寺〜葛原岡神社・通年/土日祝 10時〜14時。
  10. b. 集団で走るレースは行わない。トレイルランニングを知らないハイカーや観光客にとって鎌倉トレイルは歩く道です。そこをタイム、順位を競って集団で選手が走ってくれば、驚かれるでしょう、怖く思われるかもしれません。なによりも鎌倉のトレイルには一度に多くの人がすれ違えるほどの幅がありません。鎌倉のトレイルは集団レース活動は《ママ》ふさわしくありません。 また、ひとりや少人数のランニングであっても、前述のようにすれ違うときは速度を落とすことを心がけます。加えて、トレイルランニングのツアーやクリニックを行う場合は、できるだけ他の利用者の少ない、コース、時間帯を選ぶようにします。
    <引用終わり>
Kamakura trail rule map

鎌倉トレイル協議会のガイダンス&ルール試案にある、「走らずハイキングを楽しむ」区間のマップ。鎌倉トレイル協議会のFacebookページより画像を抜粋。

「鎌倉トレイル・ガイダンス&ルール」試案へのパブリックコメント

「弱者優先」という表現の是非への意見、ゴミの持ち帰りについてより厳しいルールを求める意見、集団でトレイルランニングをする場合のマナー、トレイルランナーが先行する利用者に追いつく際のマナー、走らない区間以外での一般的なトレイルランナーのマナーなどについてコメントがあったようです。さらに、今回のガイダンス&ルールのきっかけとなった団体「ハイキング・クリーン」からは基本的に今回の試案を評価しつつも、走らない区間・日時の拡大、ガイダンスの文言の強調・明確化などが要望されているほか、「トレイルランニング専用コース」についても具体的な提案があるようです。

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以下は「鎌倉トレイル協議会」のFacebookページにて紹介されているものの紹介です。

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