日本とのコラボで生まれた新シューズ・Trail Dual Fingerとは?RaidLight社長のベヌワ・ラヴァル / Benoit LAVALさん来日インタビュー #PR


トレイルランニング大国・フランスにはトレイルランニングの様々なブランド、メーカーがありますが、その中でも実用的でありながら個性的な工夫でとがった製品を生み出しているのがRaidlight / レードライトです。

そのRaidLightの社長であり創業者である、ベヌワ・ラヴァル / Benoit LAVALさんが来日されたのを記念して、当サイトがインタビューしました。また、東京で行われたベヌワさんのトークイベントの模様や、来月登場する新製品、足袋型の新シューズであるTrail Dual Fingerとフルモデルチェンジするバックパックのウルトラオルモ・シリーズについても紹介します。

ベヌワ・ラヴァル / Benoit LAVAL インタビュー

  • 20141204-DSCF6320-2ベヌワ・ラヴァル / Benoit LAVAL:RaidLight社長・創立者。1972年にパリ近郊で生まれる。10歳の頃から陸上競技をはじめ、次第に山岳スポーツに興味を持つようになり、21歳でピレネー山脈を3週間かけて縦走。大学でテキスタイルエンジニアリングを専攻後、陸軍士官学校へ。卒業後はアルプスの山岳地域で任官して登山や山岳スキーに親しむ。1999年にRaidLightを創業。トレイルランニングの新ブランドとして事業を成長させながら、各地のトレイルランニングレースに参加。グラン・レイド・レユニオンで2位、サハラ砂漠マラソンで9位、アンナプルナ・マンダラ・トレイル優勝などの成績を上げ、フランスのトレイルランニングのナショナルチームにも選ばれる。事業面では2010年にアウトドアブランドのVerticalを買収、2011年に本社を置くシャトリューズにトレイルランニングや山岳スキーのコースを設けたStation de Trailをオープン。事業家そしてアスリートとして欧州をはじめ世界各地を旅しながら活動している。

今回の日本でも新しいトレイルランニングのギアのアイディアがひらめいた

DogsorCaravan.com(DC): 今回、日本にいらっしゃってからもう1週間ですね。

ベヌワ・ラヴァル / Benoit LAVAL(BL): 今回はOMM Japanレースに参加しました。ビジネスでの出張をかねてレースに出るというのが私のいつものスタイルです。

DC: 今回参加されたOMM Japanレースについて感想を聞かせていただけますか。地図をみながら自分でコースを決めてポイントを回っていく、というオリエンテーリングのようなレースだったと聞きました。

BL: 実は私は昔、オリエンテーリングに本格的に取り組んでいた時期があったんです。1999年から2003年にかけて世界選手権で優勝したり、フランスの全国大会で3回準優勝しています。オリエンテーリングの経験というのは、自転車みたいなもので一度身につけるとしばらく離れていてもすぐに勘が戻ってきます。今回はこのOMM Japanに向けたランニングのトレーニングは直前の2週間ほどしかできなかったので、結果はほどほどでしたね(ストレート総合8位)。でも楽しかったです。

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11月29-30日に東伊豆で開催されたOMM Japanレースに参加したベヌワ・ラヴァルさん(右)。写真はwww.benoitlaval.comより。

DC: OMM Japanのコースはベヌワさんの目からどんな点が特徴でしたか?

BL: やはり、登り下りがどこも急なのが特徴ですね。昨年のハセツネの時も、一昨年の神流の時もこんな感じだったな、と思い出しました。コースがマークされている普通のトレイルランニングレースとは違うわけですが、参加している日本の皆さんもしっかり準備していたようで、楽しそうでしたね。

DC: 今年、ベヌワさんがチャレンジしたレースやイベントで印象に残ったのはどんなレースでしたか?

BL: いろんなレースに参加しましたよ。オマーンの砂漠、リゾートで有名なモーリシャス、ネパールのヒマラヤの山々といった具合です。どれもすごく有名なレースというわけではありませんが、景色が素晴らしくて新しい経験をすることができました。もちろん、遊んでばかりではなく、旅先で仕事もしているんですよ(笑)。

DC: 今年訪れた中でも、アンナプルナ・マンダラ・トレイルという300kmにもおよぶトレイルランニング・イベントは、2009年に参加されて以来、今年が3度目で優勝されたこともあると聞きました。

BL: アンナプルナ・マンダラ・トレイルの魅力は冒険の要素がたくさんあることです。12日間の行程に必要なものをバックパックに入れて背負って歩き、ほとんど携帯電話も通じません。完全に一人になれるすばらしいバケーションで、いろんなことに考えをめぐらすことができる時間を過ごせます。もっとも私の場合は、トレイルで使うギアにどんな工夫をしたらいいか、自社の製品にどうやってそのアイディアを取り入れるか、といったことを考えていることが多いですけどね。自然の中で一人でコースを進んでいるときにいいアイディアが浮かぶ気がします。

DC: トレイルランニングをご自身で楽しみながら、そのためのウェアやギアを開発して販売するのが仕事、というのは夢のようの仕事だと思いますが、トレイルを走っている間も仕事が頭から離れないというのは大変なことですね。

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12月4日の東京でのRaidLight イベントで話すベヌワ・ラヴァルさん。

BL: レースに参加するときも、気がつくと参加している他のランナーの皆さんの様子を観察していますね。どんなウェアを着ているか、どんなタイプのバックパックが人気か、といった具合です。そうするうちにいいアイディアが浮かんだりするんです。24時間の全てをトレイルランニングとRaidLightのために捧げていますね。でもそんな生活が楽しいです。将来リタイアしても、きっとトレイルランニングをするんでしょうね(笑)。

DC: 今回のOMM Japanレースでは何かいいアイディアが浮かびましたか?

BL: ええ、テントやバックパックについて2、3ほどいいアイディアを見つけましたよ。フランスに戻ってテストをして、RaidLightの製品に取り入れるかもしれません。

日本のLafeetと共同開発したトレイルランニングシューズが来月登場

DC: そのRaidLightから、日本で出会ったアイディアを取り入れた新しいシューズが発売されると聞きました。

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2015年1月に登場するRaidLightの新シューズ、Trail Dual Fingerとウルトラオルモ・シリーズの新しいバックパック(中央)。

BL: そうです。日本の足袋からヒントを得たシューズです。神流のレースに参加した2年前に日本のLafeetのシューズをみて気に入って、岡山県・倉敷にある同社を訪ねました。そして共同で開発したのがこのトレイルランニングシューズ、Trail Dual Finger(トレイル・デュアル・フィンガー)です。Lafeetのシューズは日本の足袋のように足の親指とその他の指が分かれた作りになっていたのですが、一目見てこれはトレイルランニングに適した構造だと思いました。つま先が分かれていることで柔軟な構造となっているので、足がトレイルの石や岩をよりスムーズに捉えることができます。この日本の足袋にヒントを得た構造の特徴を活かすために、軽量なシューズにしています。今回、Lafeetと協力することでこのシューズを作ることができました。

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1月に登場するRaidLightのTrail Dual Finger。Designed by Lafeet Japanの文字が入る。

DC: このシューズにはLafeet、Japanというロゴが入っていますね。このシューズがヨーロッパをはじめ世界で発売されるのは日本のトレイルランナーとしては誇らしいですね。ベノワさんが世界中を旅してきた成果の一つともいえますね。

BL: ヨーロッパだけでなく、日本も含む世界中で来年1月末に発売予定ですので、ぜひお楽しみに。

DC: 日本のトレイルランナーの間でも人気のRaidLightのウルトラオルモ・シリーズのバックパックも新しくなると聞きました。20Lなどの大きめのモデルは荷物を多く持つ必要があるレースでは使っているランナーをたくさん見ますが、どんな点が新しくなりますか?

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リニューアルしたRaidLightのバックパック、ウルトラオルモ・シリーズ。胸のボトルホルダーにグレーのトレッキングポール・ホルダーが付いている。

BL: ウルトラオルモ・シリーズはデザインを見直し、使い勝手を良くするためにリニューアルします。スマートフォンやミュージックプレイヤーを使いやすくするために肩からウェストポケットにケーブルをつけました。また、トレッキングポールを体の前面に横向きに固定できるようにボトルホルダーにアタッチメントをつけたのが大きな特徴です。バックパックを下ろさなくても、行動しながら簡単にトレッキングポールをしまったり取り出したりできます。

DC: このトレッキングポールを体の前に横向きにしまう仕組みは珍しいですね。でも便利そうです。

BL: このトレッキングポールを横向きにしまう仕組みは特許申請中なんですよ。そのほかにもポケットを増やしたり、背中のクッションパッドを改良するなど、細かいところで使い勝手を高めています。

DC: ウルトラオルモ・シリーズは白をベースにしたストイックな感じでしたが、新モデルは蛍光グリーンを取り入れたツートンカラーなんですね。デザインも少しポップな感じになりましたね。

トレイルランニングの経験を共有することがRaidLightのポリシー

DC: 最後にRaidLightの製品に共通する考え方や哲学について聞かせてください。

BL: RaidLightが基本としている考え方は、「トレイルの経験を共有する」ということです。製品の開発にあたっても、トレイルランナーの皆さんに製品を紹介していくにあたっても、この考え方は共通しています。私自身も、今日のイベントのように実際にトレイルランニングをしておられる皆さんと製品のアイディアやニーズについて直接話あうことを大事にしています。フランスの本社のデザイナーは皆、自分でもトレイルランニングをしています。さらに、トレイルランニングというスポーツを実際に楽しんでいるランナーを「Team RaidLight」として応援していて、フランスでは5000人の規模に達しています。RaidLightの製品の開発や改良にはこうしたランナーの皆さんのフィードバックが重要な役割を果たしています。本社だけでなく、フランス国内やスペイン、ベルギーなどにユーザーの皆さんから製品へのフィードバックをいただく拠点を20ヶ所設けています。さらに、外部のパートナーが持つ優れたアイディアや技術も積極的に取り入れていて、先ほどご紹介した日本のLafeetと開発したシューズもその成果です。

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東京でのイベント終了後、日本のRaidLightファンの皆さんと記念写真を撮るベヌワ・ラヴァルさん。

DC: 今回日本を訪れて、そうしたRaidLightの「トレイルの経験を共有する」という考え方が受け入れられていると感じましたか。

BL: 3度目の日本ですが、日本での販売に素晴らしいパートナーを得たことで年を追うごとにRaidLightの製品や考え方が広がりつつあることを実感します。来シーズンは日本でより充実したRaidLightのウェアやギア、シューズのラインナップをご覧いただけるようになりますので、ぜひご期待ください。

DC: インタビューにおつきあいいただきありがとうございました。残る日本での滞在を楽しんでください。

RaidLight・ベヌワ・ラヴァル / Benoit LAVAL トークイベントin東京

今回が3回目となるベヌワ・ラヴァル / Benoit LAVALさんの来日に伴い、東京と大阪でトークイベントが開催されました。12月4日に東京で開催されたイベントでは、フランスの会社のイベントらしくフランスワインとパテなどの軽食が振舞われました。

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イベント前にはフランスのポークパテのリーディングメーカー、エナフ/HÉNAFFのパテやフランス・ワインが振舞われました。

トークイベントではRaidLightがスポーンサーとなっていて、ベヌワさんがこの一年に参加してきた以下のレースが写真や動画と共に紹介されました。

  • Oman Desert Marathon:中東のアラビア半島の国、オマーンで開催される165km、6日間の砂漠のステージレース。
  • Ultra Trail Raidlight Beachcomber :南インド洋のリゾート地としても有名なモーリシャスで開催され、120kmなどのレースがある。
  • Annapurna Mandala Trail:ネパールのヒマラヤ山脈のトレイルで開催される300kmのトレイルランニングレース。このレースについてのベヌワさんのインタビューはこちら。
  • Raidlight Winter Trail:RaidLightが本社をおくフランス・シャトリューズのStation de trailで開催される雪上ランニングレース。標高差1000m近くを一気に駆け下りるダウンヒルレースは迫力満点。

さらに、ベヌワさんからは来年登場するRaidLightの新製品が紹介されたほか、イベントに参加された方からは新製品の特徴についての質問や、砂漠レースで必要なギアやノウハウについての質問があり、ベヌワさんとの間で活発なやりとりが交わされました。

RaidLightの新モデル、Trail Dual Finger(トレイル・デュアル・フィンガー)とウルトラオルモ・シリーズのバックパックは来年1月下旬に登場。

logo_raidlight_baseline_bleu_FR-121bcイベント会場ではベヌワとのインタビューでも話題になったRaidLightの新製品も見ることができました。

日本のLafeetと共同開発したTrail Dual Finger(トレイル・デュアル・フィンガー)は親指の部分が分かれたLafeetのシューズをベースにしたトレイルランニングシューズ。ミッドソールは比較的薄めで足裏の接地感覚を感じることができるのが特徴で、50kmくらいまでの中距離を楽しんで走るのによさそうです。つま先が分かれたシューズは先行するメーカーがありますが、モデルチェンジの際に普通のシューズのデザインに戻したブランドが多いなかで、このRaidLightのシューズはあえてそこに挑戦することになります。

新しいウルトラオルモ・シリーズはツートンカラーになって印象が一新しただけでなく、デザインやポケットに細かい改良がされています。また、トレッキングポールを横向きにして体の前に収納するというのはありそうでなかったアイディア。レースだけでなく、ファストパッキングなどでも使い勝手がよさそうです。

新登場、Trail Dual Finger(トレイル・デュアル・フィンガー)

日本の岡山・倉敷発「Lafeet(ラフィート)」ブランドとのコラボレーションによって生まれた足袋型形状(爪先部分がアッパーからソールまで割れた構造)のトレイルランニング・シューズ。ラフィートで発売されていた「Zipang(ジパング)」を2年前にプレゼントされたRaidLightのCEO、ベヌワ・ラヴァルが気に入り、今回の製品化に至りました。その足袋型構造は親指が独立して動かせるため、地面の情報を瞬時につかめるなど把持力が優れます。トレイルランニングの登りと下りのグリップ力を倍増させるピュアグリップシューズです(予定価格:¥14,500+税)

RaidLight-TrailDualFinger

 

フルモデルチェンジのUltra Olmo Series(ウルトラオルモ・シリーズ)

発売から2年、今年の日本山岳耐久レース(ハセツネ・カップ)においてもフロントにボトルがセットされたバックパックでは使用率No.1を誇る前重心型ランニングバックパックのパイオニアである「ウルトラ・オルモシリーズ」の5L、12L、20Lの各モデルがフルモデルチェンジします。特にカラーリング、背面とショルダーストラップのクッションパッドに風合いが向上したメッシュ、さらに前重心を作り出す専用設計のボトルの上にポールをホールドするストラップが追加され、荷重のバランスと取り出しやすさを向上しました。
Ultra Light Olmo 5L(予定価格:¥14,500+税)
Ultra Light Olmo 12L(予定価格:¥18,500+税)
Ultra Light Olmo 20L(予定価格:¥20,500+税)
※ 上記価格はバルブ+ホース付750mlボトル2本が付属するセットの価格ですが、ボトルが付属しないバックパックのみも販売予定です。
RaidLight-New-Ultra-Olmo-2015

(協力 株式会社RUNX、RaidLight公式オンラインショップ