2015年の日本でのスカイランニングが開幕します。ゴールデンウィークの5月3日(日)に長野県上田市の太郎山で開催される上田バーティカルレース/太郎山登山競走(上田VK)は距離5kmで累積高度1000mを駆け上がるバーティカル・キロメーター/Verical Kilometer形式(VK)のレース。JSAの2015年スカイランニング日本選手権のVKの部のレースとなっており、世界選手権の代表選考会も兼ねています。
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当サイトでは5月3日の上田VKを現地で取材予定。レースの模様や結果、有力選手の表情などを現地からタイムリーにお送りする予定です。当サイトのTwitterアカウント、Facebookページをフォロー、「いいね」をしてお楽しみください。
上田VKの概要
太郎山(標高1164m)は長野県上田市の市街地の北側に位置し、地元の皆さんにはなじみの深い市民の山。上田VKは上田市内の大星神社をスタートし、山頂でフィニッシュ。南側から登る表登山道で一気に山頂を目指す「真田幸村コース」(3300m / 700mD+)と中盤に一旦標高差で300mほどの下りが入る「猿飛佐助コース」5000m / 1000mD+)があり、スカイランニング日本選手権となるのは後者の猿飛佐助コースとなります。
短距離で多くのランナーが登山道に入るため、上田VKは世界のバーティカルキロメーターのレースに準じた時間差スタートの形式をとります。スタートは午前9時半から午前11時の間にランナーがあらかじめ決められた順番に一人ずつ15秒おきにスタート。概ね走力のあるランナーほどあとからスタートします。山頂のフィニッシュ地点での締め切りは12時5分となっています。
上田VKには有力選手が多数登場
スカイランニング日本選手権にふさわしく、この上田VKの猿飛佐助コースには多くの有力選手が出場します。上位を競うことになりそうなランナーを見てみましょう。
女子
岩楯志帆は今年2月に香港で開催されたスカイランニングアジア選手権(MSIG Sai Kung 50k)で5位に入って注目されました。2014年スカイランナー・ジャパンシリーズ(SJS)3位。そして注目が集まるのは、日本の女子トレイルランニング界をリードする存在で2014年はSJSチャンピオンのほかトレイルランナー・オブ・ザ・イヤーを受賞した大石由美子。昨年秋のレース中の事故で手術を受けるケガを負いましたが、復帰戦となった4月の東丹沢宮ケ瀬トレイルレースで優勝しています。小林由貴(岐阜日野自動車スキークラブ)はノルディックスキーで世界選手権日本代表となるなどトップクラスの実力を持つ26歳。この上田VKでランニングの力を見せつけることになるか。
さらに次の皆さんにも注目です。
- 小林知美:2014年は富士登山競走6位でSJS4位。
- 上野朋子:2014年上州武尊山28kmで2位、斑尾50kで2位。昨年のスカイランニング世界選手権で42k(36位)、VK(31位)に出場。
- 須藤吉仕子:58歳のベテランながら昨年はおんたけスカイレース10位、SJSで6位となる第一人者。
- 松浦佐知:九州をベースに活動し、2014年西米良スカイランニングクエストで2位。
男子
男子の優勝はよほどのトラブルがない限りは宮原徹(滝ヶ原自衛隊)でしょう。富士登山競走大会記録保持者であり、近年は2013年Pikes Peak Marathon優勝、2014年スカイランニング世界選手権VK5位、2014年Lone Peak VKで3位など世界のトップと肩を並べる活躍です。
その宮原に続くのは誰か。この上田VKは日本選手権の名にふさわしく、トレイルランニング、スカイランニングで活躍するランナー以外にも多くの有力アスリートを集めており、どのようなバックグラウンドを持つランナーが上位に入るか、興味深いところです。
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トレイルランニング、スカイランニング:ファンにとってはおなじみの各地のレースで上位に入る選手が多数参戦。まず、牛田美樹、星野和昭は今年2月のスカイランニングアジア選手権でそれぞれ50kmで5位、28kmで6位となっています。さらに最近の富士登山競走で上位に入っている加藤淳一、村井涼。関西をベースにして昨年はびわ湖高島40kmで2位、熊野古道50kmで優勝の山本大賀。そして小出徹、眞舩孝道、横山忠男といった実力派が続きます。若手では今年の青梅高水山で4位、大学生の名取将大。ギュラーム・コーシー/Guillaume Causseは仕事で最近日本に住むようになったフランス人で2月のスカイランニングアジア選手権28kmで9位の実力です。
- ノルディックスキー:ヨーロッパではノルディックスキーで活躍するアスリートがトレイルランニングで鮮烈なデビューを飾ることが少なくありません。今回の上田VKでも地元長野県を中心にトップレベルのノルディックスキーヤーが参加します。まず成瀬開地(岐阜日野自動車スキークラブ)は今年の群馬国体で優勝するなど日本トップクラスの実力を持つ現役ノルディックスキーヤー。そして、昨年のソチ五輪出場後ノルディックから引退した成瀬野生は冬季オリンピック3大会連続出場。中野立志館高を今春卒業したばかりの馬場直人(専修大学)、本間有次(立命館大学)は全日本ジュニアチームに選ばれています。上村亮介もコンバインド競技で日本トップクラスです。
- 自衛隊:宮原徹をはじめとして自衛隊は多くの山岳アスリートを擁しており、そのレベルの高さは富士登山駅伝で示されているとおり。今回の上田VKに出場する井川朋幸、市川竜太郎、高田祐規、柳澤隼人、八嶋宏晃も上位が期待されます。
今年の日本でのスカイランニングのスケジュール
今年2015年のスカイランニング関連のレースは次の日程で開催されます。
日本選手権/Japan Championships
- 5月3日 VK:上田バーティカルレース/Ueda Vertical Race(5km +1000m、長野県)
- 6月14日 SKY:菅平スカイライントレイルランレース/Sugadaira Skyline Trailrun Race(40km ±2400m、長野県)
- 7月4日 ULTRA:美ヶ原トレイルラン&ウォーク/Utsukushigahara Trail Run & Walk(80km ±4000m、長野県)
スカイランナー・ジャパン・シリーズ(SJS)
- 5月23日 経ヶ岳バーティカルリミット/Kyogatake Vertical Limit(20km ±1700m、長野県)
- 6月7日 スリーピークス八ヶ岳トレイル/Three Peaks Yatsugatake Trail(38km ±3000m、山梨県)
- 7月5日 びわ湖バレイスカイレース/Biwako Valley SkyRace(20km ±2000m、滋賀県)
- 9月13日 蔵王温泉スカイトレイル/Zao Onsen Sky Trail(35km ±2200m、山形県)
- 10月25日 西米良スカイランニングクエスト/Nishimera Skyrunning Quest(38km、±3364m 宮崎県)
ジャパンカップ/Japan Cup
- 7月24日 富士登山競走 /Fuji Mountain Race(21km +3000m、山梨県)
参考
- 上田VK 大会ウェブサイト
- ジャパンスカイランニング・アソシエーションのウェブサイト
- [DC] 日程発表・2015年のSkyrunner Japan Series / スカイランナー・ジャパン・シリーズ