[DC] アットホームな雰囲気に感激・上宮逸子さんのニボレ・リバード/Trail Nivolet-Revard 参加レポート

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【編者より・毎年5月上旬にフランスで開催されるニボレ・リバード/Trail Nivolet-Revard神流マウンテンラン&ウォークの姉妹大会で優勝したランナーを互いに派遣しています。今年5月に行われたニボレ・リバードに派遣選手として参加したさん( / Montrail)からレポートを寄稿していただきました。】

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2015年5月2日。ニボレ・リバード/Trail Nivolet-Revardに出場してきました。この大会は、昨年11月に行われた神流マウンテンラン&ウォークの40kmの副賞として得た出場権でした。

私にとって海外レースは初参戦。海外へも学生以来久しぶりで、出発前からあらゆる事において心配、不安も含めてドキドキワクワク。もちろん、せっかく出場するのなら結果も出したいという思いはなくはなかったのですが、今回の遠征の目的は、自分にとって何か新しい物を得ること、自分の中で何か変化を生むこと。そして心からこの旅を楽しむこと!

日本から一緒に同行したのは、同じく昨年の神流マウンテンラン&ウォーク40kmで男子総合優勝した選手と真那美婦人。二人とも以前から親しくさせてもらっているのでこの旅が楽しくないわけがないと確信していました。

3人でシャンベリー空港に到着すると、現地にて通訳をしていただいたグジョー英子さんにお迎え頂き、車にて滞在先のドンゼル邸に到着しました。今回お世話になるマリー・フランソワ・ドンゼルさんはこの日大会スタッフとして作業等を済ませた後、遅くに帰宅されたのですが、それまでの間、様々な方がこのマリーさんのお家に出入りされていて、皆さんが家族のような関係であること、この大会もまた大きな家族のイベントのようであること、そのアットホームさをご自宅に着いたときから感じました。

こちらのご自宅は自宅兼ゲストハウスになっていて、部屋には素敵なシャワーや洗面所、トイレまで付いており、この広いお部屋にて約一週間ほどお世話になりました。マリーさんの旦那様、ドンゼル氏は一昨年まで今大会のオーガナイザーを務めていて、奥様が食事を始めとする招待選手のお世話係をするという、夫婦二人三脚で今大会を支えてきたというお話も伺いました。しかし2013年にドンゼル氏が不慮の事故により他界され、マリーさんはスタッフ兼招待選手のお世話役といった形で大変お忙しい中、滞在中ずっと私たちを心からもてなして下さいました。

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二日目はマリーさんの案内でコースの一部を試走。日本にいた時からずっと天気予報をチェックしていたのですが滞在期間中はずっと雨予報。しかし、試走をしたこの日は気持ちのよい晴天で、コースは一部残雪があるもののとても暖かく、レース直前なのに大はしゃぎするほどの最高の景色でした。

まだまだ走っていたい気持ちをぐっと抑え、湖の見える素敵なレストランでランチを済ませて帰宅。

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滞在中、外食でもご自宅でのマリーさんの手料理でもほぼ毎日食べていたのがパン。自宅の地下にはパンをこねる大きな機械があり、それで日々の食事のパンも作っているとのこと。今大会でもロングの部に出場する選手に提供される食事にパンが食べ放題のように付いていて、そのパンもこの機械でパン係のスタッフが前日にせっせと沢山のパンをこねていました。自宅近所には地域で共同の窯があり、そこでパンを焼く。少しお手伝いもさせて頂き、スタッフの方々ともとても仲良しになりました。

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大会前日は不安になるほど一日中雨が降っていました。大会当日の朝も雨音で目が覚めるほど。日本からお米を持参し、フランス製の炊飯器でご飯を炊き、菊嶋選手とともに大会当日の朝だけはご飯を食べて会場へ。会場に着くとますますアットホームさを実感しました。選手もスタッフもとても楽しそうでにこやか。当然ですが本当に沢山のフランス人のトレイルランナーがいて、日本人選手は私たち2人だけ。もっと日本人選手もこの大会に来てもよいのにな。来てほしいな。という気持ちになりました。本当に居心地がよいので初の海外レースにはとてもよいレースなんじゃないかと思います。

と言っても、スタート時間が迫って来るとやはりちょっと緊張。招待選手ということでMCに紹介され、スタートラインの最前列に並ばせていただきました。そのすぐ隣にはハセツネ覇者のルドビク選手も立っていて菊嶋選手は何やら会話をしていました。その他フランスの有力選手が男女ともズラリと並び、益々緊張が高まりましたが、スタートするとすぐにほぐれました。

スタートしてしばらくは急なロード、林道、農道、またロードと言った感じで走れるコースが続き、ロードが苦手な私はそこで一気に心拍が上がり、前に出れず、テンションが下がってしまいましたが、トレイルに入り出すとほぼずっとトレイルでどんどん楽しくなってきました。しかし、前日の一日中の雨のおかげでトレイルは田んぼ状態。ほとんどの選手がストックを持って走っていましたが、私も菊嶋選手も持参していませんでした。酷い所は足が攣りそうにもなったので、あった方が良かったのかもしれませんが山頂付近や日の当たる所は乾いていたので、なくても大丈夫だと思います。

登りも気持ちのよいシングルトラックが続き、ずっと走れるトレイル。ということは走らなきゃならない登りで、レースとしてはとてもキツかったけれどコースは最高!地上からも見えていたそびえ立つ絶壁の岩壁を横目にしながら、その反対側は登っていくにつれ雲の合間に街並みが一望でき、時間が経つに連れ、どんどん天気もよくなってきたのでそれは素晴らしい景色でした。これらの景色は日本ではなかなか見られない景色じゃないかと感動しました。

地上からは小さく見えていたニボレ山頂にそびえ立つ十字架が目の前にするとかなり大きくて驚かされましたが、そこから見下ろすブルジェ湖は本当に絶景!!「WOW!! Beautiful!!」とフランスなのに英語で観光の方や応援の方々に思わず叫んでしまって、でもいろんな人と一緒に指を差して共感していました。国を問わず美しい物を見てその喜びを共感するってなんて素敵なんだろうとその時とても嬉しく感じました。

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その後一気に下り始め、ここからは下り基調なのかと思いきや、そこからまた急な登り。日差しも強くて滅入ってしまいそうにもなりましたが、ふと周りに目をやるとそこには緑や黄色い可愛い花が咲いていたりで心癒される場面もあります。

各エイドでは果物やパウンドケーキ、チップス、チョコ、グミのようなものだったり、飲み物もコーラなど本当に沢山の物が出されていました。この大会ではエイドには紙コップは置かれておらず、直接ボトルに水を入れて飲んだり、ザックに入れていたマイコップでコーラを飲んだりしていました。

後半の方のトレイルはめちゃくちゃ楽しめるダウンヒルでしたが、ロードに出てからもまた短いながらも急な登りがあったりと最後の最後までアップダウンが続きました。本当にこのコースは、ロードがあって、泥んこがあって、急登があり、テクニカルな下り、残雪の上を走って、滝のような沢の上を橋で超えたりとバラエティ豊かなコースが沢山あって景色も壮大でとても楽しめるコースだったと思います。本当にもっとたくさんの日本の方々にも出場してもらいたいと感じました。

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後半の激下りで女性を一人抜き、ゴールしてみると5位入賞。あまり順位は気にせず楽しむことを一番に出場しましたが、初海外レースで入賞できてとても嬉しく思います。レースの後は、大きな鍋にてポテト料理が振舞われ、選手、スタッフがワインと共に楽しみ、その後のスタッフの打ち上げでは大いに盛り上がりました。

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レース翌日以降は、シャンベリーの街並みやブルジェ湖を観光し、またシャモニーに移動するなどして、憧れのモンブランをも見ることができ、フランス遠征を満喫。

最終日の夜は、通訳をして戴いたグジョー英子さんと共に、マリーさんの手料理と美味しいワインやチーズを楽しみました。今までの歴代の日本人派遣選手の話を聞き、それぞれに想い出があって楽しかったと、また今大会もきっとドンゼル氏がいたら、とても喜んでいたでしょうねとマリーさんは話されていて、私もそんな彼に会ってみたかったと寂しく感じ、そしていつか歴代の派遣選手がみんな一緒にこの街にもう一度来ることができたら素敵ですね。と夢を語り合い、寂しくもお別れとなりました。

ニボレ・リバード/Trail Nivolet-Revardはオーガナイザーやマリーさんを始め、スタッフ全員の家族のような一体感で作られた心温まる大会でした。それでいてコースはとてもバラエティに富んでいて、フランスのトップアスリートも参戦し世界の強さも目の当たりにすることができる。初の海外レースがこの大会で本当によかったと感じています。

最後に、この大会に派遣して下さったの大会や応援して下さったたくさんの方々、職場に大きく感謝します。

Itsuko-Uemiya-Squareプロフィール・上宮逸子(うえみやいつこ):バドミントンの選手として活躍後にランニングの世界へ。現在は仙台を拠点に金融機関に勤務しながらトレイルランナーとして活躍している。2014年信越五岳2位、身延山七面山修行走優勝。今年に入ってからもOSJ奄美ジャングルトレイル優勝、ハセツネ30k2位。

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