アメリカ南部東部を貫く2,200マイル(3,540km)のアパラチアン・トレイル(Appalachian Trail、AT)のタイムトライアルに挑戦していたスコット・ジュレク/Scott Jurekが、現地時間7月12日日曜日午後2時3分(日本時間13日月曜日午前3時3分)に最終地点となるメイン州カタディン山に到着し、46日と8時間7分でサポートありでの最速記録(Fastest Known Time, FKT)を更新しました。
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スコット・ジュレクは5月27日にアパラチアン・トレイルの南端であるジョージア州のスプリンガー山を出発。夫人のジェニーさんや友人たちのサポートを受け、アパラチア山脈に沿う形で北上。スタートからわずか200マイルほどで右膝を故障、それをかばったために左脚も傷めることとなり、最速記録更新は危ぶまれていました。コース後半のバーモント州などは雨の多いシーズンでタフなコンディション、さらに最終盤のメイン州に入ってからは外部からのアクセスが難しくサポートなしで進まなければならない100マイルのトレイルが現れます。こうしたチャレンジを乗り越えて最速記録更新を達成しました。
従来の最速記録は、女性アスリートで冒険家のジェニファー・ファー・デイビス/Jennifer Pharr Davisが持つ46日と11時間20分でした。また補給やギアについてサポートを受けない最速記録はマット・カーク/Matt Kirkの58日と9時間38分となっています。
スコット・ジュレクはアメリカの伝説的なトレイルランナー、ウルトラランナーで現在41歳。1999年から2005年までウェスタンステイツで七連覇、2006年から2008年にスパルタスロンで三連覇。2010年に24時間走で165.7マイルを走り当時の全米記録を更新など多くの業績を達成。こうしたアスリートとしての活躍に加えて、ビーガン(絶対菜食主義者)としても知られ、著書「Eat and Run」ではウルトラランナーとしての活躍やビーガンとなった経緯を振り返りベストセラーとなりました。BrooksやCLIFなどのアンバサダーとしても知られ、今回はUltimate Directionのバックパックのプロトタイプをテストしながらのチャレンジとなりました。
参考
- Scott Jurek Breaks Appalachian Trail Supported Speed Record (iRunFar.com)
- Ultrarunning Legend Scott Jurek Sets New Appalachian Trail Speed Record – Beyond the Edge (National Geographic)
- Scott Jurek Breaks Appalachian Trail FKT | The Ultimate Direction Buzz
- Scott Jurek AT15 (行程のGPSログ)
- Scott Jurekさん(@scottjurek) • Instagram写真と動画
- [DC] スコット・ジュレク/Scott Jurekにインタビュー、信越五岳にあわせて来日 | DogsorCaravan.com
- [DC] 書評・食を通じてヒーローの栄光と挫折をたどる・スコット・ジュレク「EAT & RUN 100マイルを走る僕の旅」を読む | DogsorCaravan.com