[DC] 富士登山競走 / Fuji Mountain Race 2015 プレビュー

今年もたくさんのランナーで富士山が賑わいます。7月24日(金)に開催される第68回富士登山競走/Fuji Mountain Raceを、当サイトでは山頂コースのフィニッシュのほか、コース上の幾つかのポイントからレースの状況をライブでレポートする予定です。

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富士登山競走とは

Fuji Mountain Race Logo富士登山競走は午前7時に富士吉田市役所をスタートし、冨士浅間神社、馬返し、吉田口登山道を経て富士山頂(久須志神社)に至る21キロ、標高差3000m。制限時間4時間半となります。これとは別に富士山吉田口五合目までの15キロ、標高差1480mをコースとする五合目コースは午前8時半スタート、制限時間3時間半となります。

21kmの山頂コースには、過去の直近3大会のいずれかでのスタートから五合目までのタイムによる参加資格が設けられています。大会の人気を反映してか、この参加資格の合格ラインとなるタイムが前回2014年の67回大会の分から従来の2時間30分から2時間25分へと引き上げられています。

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2014年の富士登山競走で2度目の優勝を果たした松本大。

68回という歴史は山岳地帯で行われるランニングレースとしては世界でも最も歴史あるレースの一つであり、日本のシンボルである富士山に駆け登るというというレースは、トレイルランナーだけでなくロードマラソンで活躍するランナーも引きつけています。

Skyrunner Japan Series logoまた、ジャパンスカイランニングアソシエーション / Japan Skyrunning Associationでは今年の富士登山競走をジャパンカップ/Japan Cupとし、2016年スカイランニング世界選手権の代表選考の対象とするほか、スカイランニング世界ランキングの集計対象となるとしています。

富士登山競走の現在のコースレコードは山頂コース男子が2時間27分41秒(第64回大会<2011年>、宮原徹)、女子が2時間51分36秒(第39回大会<1986年>、中島和子)。五合目コースは男子が1時間19分19秒(第35回大会<1982年>、青木実雄)、女子が1時間32分12秒(第58回大会<2005年>、星野芳美)となっています。

大会当日は当サイトのライブ速報をお楽しみください

Salomon当サイトでは今年も富士登山競走について山頂コースの上位選手のレースの模様を現地からお送りする予定です。速報は当サイトのTwitterアカウント(@Dogsorcaravan)を中心にお送りする予定です。ぜひフォローしてご覧ください。

今回の富士登山競走のライブ速報はSalomonのご協賛でお送りします。ご協力に心より感謝いたします。

有力選手紹介

そして、当サイト恒例の有力選手の紹介です。山頂コースで上位を目指す幅広い顔ぶれのランナーの皆さんを紹介します。

女子 / Women

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ルース・クロフト / Ruth Croft

Leah Daugherty Square

リア・ダーティ / Leah Daugherty

今年の女子は過去5回の大会で優勝している4人が勢ぞろいします。まずは昨年優勝のルース・クロフト / Ruth Charlotte Croft(The North Face)。ニュージーランド出身で現在台湾在住のルースは一昨年2013年の富士登山競走で9位、その年のキナバル・クライマソン/Kinabalu International Climbathonで優勝。今年も2月にTarawera Ultramarathonの100kで2位、4月のTNF 100 Taiwanの50kで優勝と活躍を続けており、今年も優勝候補の筆頭といえるでしょう。昨年の優勝タイムは3:11:44。2013年優勝のアメリカ出身・岩国在住のリア・ダーティ / Leah Daugherty(Altra)は今春出産してからはまだ大きなレースには出ていません。今回の富士登山競走が復帰レースとなりそうです。リアの2013年のタイムは3:23:47。

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小川ミーナ

そして、2011–12年に富士登山競走を連覇した小川ミーナ / (PUMA R.C.)の自己ベストは3:07:51(2012年)でこの10年で最速のタイムを持っています。そして星野芳美 / Yoshimi Hoshinoは1999年に初優勝して以来、直近では2010年の優勝まで5度このレースを制しています。特に2001年の優勝タイム(3:05:16)は最近20年間の大会ベストタイムとなっています。

 

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大石由美子

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丹羽薫

2013年から国内のトレイルレースで勝ち続けてきた大石由美子 / Yumiko Ohishi(La Sportiva)は、昨年の五合目コースで優勝し、いよいよ今年が山頂コース初挑戦となります。昨年秋に足に大きなケガを追って以来リカバリーの最中ですが、得意の長い登りでのパフォーマンスに注目したいところ。今シーズンは比叡山50kで優勝、八ヶ岳スリーピークスと美ヶ原80kで2位、トランスバルカニアで9位と積極的にレースに挑戦している丹羽薫 / Kaori Niwaにもチャンスがありそうです。

さらに上記の6人の皆さんに加えてトップ10を狙うのは次の皆さんです。

  • 荻原真紀 / Maki Hagiwara: 富士登山競走で2013年2位、2014年3位。昨年の武田の杜31kで優勝。
  • 長坂恵子 / Keiko Nagasaka:2013年3位。
  • 白川清子 / Kiyoko Shirakawa:2014年5位。
  • 澁谷佳代 / Kayo Shibuya(Inov–8):2013年4位、2014年11位。2014年STY 4位、信越五岳 3位。
  • 小林知美 / Tomomi Kobayashi:2014年6位。2011年ハセツネ・カップ2位。2012年STY3位。
  • 大庭知子 / Tomoko Ooba:2014年7位。2014年ハセツネカップ4位、2015年ITJ4位、ハセツネ30kで4位、スパトレイル3位、奥武蔵ウルトラマラソン優勝など。
  • 松原衣里 / Eri Matsubara:2014年10位。
  • 高橋えりか / Erika Takahashi:2014年8位。今年は奥武蔵ウルトラマラソン6位 、武甲山トレイルラン27kで4位など。
  • 折戸小百合 / Sayuri Orito:峨山道トレイルラン4位、比叡山50k2位、菅平42kで3位など。
  • 中村久美 / Kumi Nakamura:2014年9位。
  • 松井一葉 / Kazuha Matsui:2011年ハセツネカップ3位。今年は奥武蔵ウルトラマラソン4位など。
  • 須藤吉仕子 / Kishiko Suto: 2015年上田バーティカルで3位、スリーピークス八ヶ岳4位、菅平42k5位、びわ湖バレイ4位。
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男子 / Men

男子は一昨年、昨年と二連覇を果たした松本大 / Dai Matsumotoが今年はイタリア遠征のため出場しません。その松本と2回とも最後まで勝負を繰り広げた加藤聡 / Satoshi Katoも今年は五合目コースにエントリーしています。さらに昨年4位の / Katsuya Ishiiも当日の出場を見送る見込みです。

Sho Matsumoto Square

松本翔

こうした中で優勝候補としてまず挙げたいのが松本翔 / Sho Matsumoto。昨年の富士登山競走五合目コースで1時間19分(歴代2位)というタイムで優勝した松本の名前はトレイルランナーにはなじみがありませんでしたが、東大時代に箱根駅伝に学連選抜チームで出場、現在は市民ランナーとしてフルマラソンPRが2:13:38という実力の持ち主。最近は著書「<東大式>マラソン最速メソッド」でも注目を集めています。6月に出場したスカイランニング日本選手権(菅平42k)では後半に入ってペースを落として10位となったものの、序盤はレースをリードしています。下りのテクニックが必要ない富士登山競走で勝機をつかむ可能性は高いでしょう。

Sota-Ogawa-Square

小川壮太

Junichi Kato Square

加藤淳一

この松本翔と勝負することになりそうなのは、まず昨年3位で地元富士吉田市在住の加藤淳一 / Junichi Kato(MONTURA)。今年はスカイランニング日本選手権として開催された上田バーティカルレースで3位となっています。そして今年は王滝50k、美ヶ原80kと注目度の高いレースで勝利を収めていて気迫を感じる小川壮太 / Sota Ogawa(Salomon)はこの富士登山競走にも狙いを定めているはずで、レースをリードすることになるでしょう。昨年は4位、一昨年は5位でした。

Yoshihito Kondo Square

近藤敬仁

Ryoji Watanabe Square

渡辺良治

近藤敬仁 / Yoshihito Kondoはトレイルランニングのレースでは多くの勝利を収めていて、今年2月のスカイランニングアジア選手権(MSIG Sai Kung 28k)では松本大に次ぐ2位でした。富士登山競走では2011年に3位となった時には2:48というタイムを残しています。今年の上田バーティカルレースで宮原徹に次いで2位となった渡辺良治 / Ryoji Watanabeにも注目したいところ。7月に入ってからもびわ湖バレイスカイレースで3位となっています。昨年の富士登山競走では8位でした。ロードレースを中心に活躍する江本卓 / Suguru Emotoは2010年に2位、2011年5位、2013年9位。最近では昨年12月のつくばマラソンで2:32という記録を残しています。

以上6人に加えてトップ10を狙うランナーは次の方たち。

  • Takuya Sanada Square

    真田卓也

    真田卓也 / Takuya Sanada:富士五湖消防本部所属で昨年は救護スタッフのビブを身につけながら6位でフィニッシュ。

  • 深澤俊明 / Toshiaki Fukazawa:昨年7位。2014年白馬国際・ミドル2位。
  • 福永基晴 / Motoharu Fukunaga:昨年9位。
  • 村井涼 / Ryo Murai:2013年3位、2012年8位。
  • 大瀬和文 / Kazufumi Oose (Salomon):今シーズンはハセツネ30kで2位、Rockin' Bear黒姫で2位、美ヶ原80kで4位、海外ではHK 100で11位、TNF 100 Australiaで18位。昨年の富士登山競走は10位。7月からは心機一転してアスリートとしてのキャリアを歩みます。
  • / Masatoshi Obara (Inov–8):2014年 UTMF 17位、信越五岳4位。2015年はITJ、峨山道トレイルランで優勝。昨年の五合目コースで4位。
  • 小出徹 / Toru Koide (Salomon):7月に開催されたびわ湖バレイスカイレースで優勝。富士登山競走では2012年の五合目コースで優勝しています。
  • 牛田美樹 / Miki Ushida (Inov–8):今年2月のスカイランニングアジア選手権(MSIG Sai Kung 50k)で5位のほか、スリーピークス八ヶ岳では4位など、スカイランニングのイベントで活躍。
  • 菊嶋啓 / Kei Kikushima (La Sportiva):今年は経ヶ岳バーティカルで3位、ハセツネ30kで4位、美ヶ原80kで5位。しかし、前週におんたけウルトラ100k(4位)を走っており、1週間足らずでの疲労回復は難しそう。
  • 貝瀬淳 / Jun Kaise:2012年信越五岳2位、2013年上州武尊山50kで2位。2013年富士登山競走山頂コースで7位。
  • 千田尚孝 / Naotaka Senda:自転車競技のクロスカントリーバイクの選手として活躍しており、トレイルランニングでも昨年の五合目コースで2位。今年5月の上田バーティカルで8位。
  • 高橋幸二 / Koji Takahashi:ロードレースを中心に取り組み、フルマラソンでサブ2.5の実力。昨年の五合目コース3位。
  • 星野和昭 / Kazuaki Hoshino:今年のスカイランニングアジア選手権(MSIG Sai Kung 28k)で6位。昨年の五合目コース9位。
  • 平山賢一 / Kenichi Hirayama (Salomon):今年は北郷森林セラピートレイル23kで優勝、鏡州の森トレイル26kで2位、比婆山国際スカイラン2位。
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