[DC] チーム・サロモン・インターナショナル来日記念インタビュー2015 アンナ・フロスト / Anna Frost、リッキー・ゲイツ / Rickey Gates、マルティナ・ヴァルマソイ / Martina Valmassoi、グレッグ・ヴォレ / Greg Vollet

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キリアンをはじめとする世界トップクラスのアスリートを多数擁していることで知られるチーム・サロモン・インターナショナル / Team Salomon Internationalは、アスリートが世界各地のトレイルランニングレースで活躍するだけでなく、Salomon Running TVのエピソードで見られるようにトレイルランニングのカルチャーをリードする存在です。また何よりチームのアスリートが身につけているウェアやシューズは他のどのブランドよりも注目を集めています。

今回日本を訪れたチーム・サロモン・インターナショナルのメンバーの記者会見が昨日10月8日木曜日に開催されました。この記事ではその主な内容をご紹介します。チームマネージャーのグレッグ・ヴォレ / Greg Volletにはチームが大切にしている考え方についても聞きました。

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今回の記者会見に出席したチーム・サロモン・インターナショナルの4人は明日10月10日土曜日に群馬県片品村で開催される尾瀬岩鞍バーティカルキロメーター / Oze Iwakura Vertical Kilometer(尾瀬VK)に参加します。当サイトは4人のアスリートの表情も含めた尾瀬VKのレースの模様を現地からお届けする予定です。ぜひTwitterアカウント / @DogsorCaravanFacebookページをフォローして当サイトのレポートをお楽しみください。また当サイトのプレビュー記事にはゲストランナー以外の有力選手について追記しましたので是非ご覧ください。

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記者会見に出席したチーム・サロモン・インターナショナルのメンバー。右からグレッグ・ヴォレ / 、アンナ・フロスト / Anna Frost、 / /

  • アンナ・フロスト / Anna Frost:ニュージーランド出身。毎年春に開催される世界選手権的なイベント、Transvulcaniaで2012年、2014年に優勝。最近では昨年のSpeedgoat 50k、今年のHardrock 100で優勝。今年夏にはアメリカ・コロラド州のサワッチ山脈の標高14,000フィート(4,267m)を超える14峰を一気に縦走するチャレンジ、Nolan’s 14を女性として初めて達成(Missy Gosneyとともに)。
  • リッキー・ゲイツ / Rickey Gates:アメリカ・コロラド州出身。アスリートとしては2011年のCanadian Death Race 125kで優勝、今年のPikes Peak 42kで3位などの実績。世界の様々な山やトレイルを訪ね、その魅力を紹介するライターやフォトグラファーとしても知られる。
  • マルティナ・ヴァルマソイ / Martina Valmassoi:イタリア在住。スキーを背負って雪山を登り、滑降して降りてくるというスキーマウンテニアリング(スキーモー)でイタリア代表選手として8年のキャリア。ランナーとしてもアメリカで先月開催のThe Rut 50kで女子3位に入賞。
  • グレッグ・ヴォレ / Greg Vollet:フランス出身。Team Salomon Internationalのチーム・マネージャー。アスリートとしても昨年のスカイランニング世界選手権として開催されたMont Blanc Marathon 42kでは10位、今年の同レースで14位、先週スカイランニング世界シリーズとして香港で開催されたLantau 2 peaks 23kでは4位という成績。

Q: 皆さんは今回が初めての来日とのことですが、日本の印象、日本で楽しみにしていることについて聞かせてください。

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リッキー・ゲイツ / Rickey Gates

リッキー・ゲイツ(RG): 一年の半分はあちこちを旅していますが、実は日本はもちろんアジアを訪れるのは初めてです。先週から日本に来て撮影をしていたのですが、最初に世界遺産となっている紀伊半島の熊野を訪れました。現在でも続けられている修験道の話しを聞き、実際にトレイルを歩いている行者の姿を見ることができたのですが、日本において山を歩くことが持つ精神的な意味に触れた思いがして感激しました。その後、北アルプスの白馬岳に登って走りました。その山の美しさ、荒々しさに圧倒されました。正直なところこんな素晴らしい山があるとは、全く想像していませんでした。ただ、こんな素晴らしい山なのにすれ違うハイカーは年配の方が多いことに気づきました。平日だったからと聞きましたが、こんなに素晴らしい山ならもっとたくさんの若い人が楽しみにきていてもいいはず、日本の山にはまだまだチャンスがあると思いました。

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アンナ・フロスト / Anna Frost

アンナ・フロスト(AF):日本のトレイルが持つ歴史の重みが印象に残りました。熊野のトレイルの脇にある石碑や遺構の一つ一つに歴史があり、昔の人たちがここを通って参詣していたこと、そうした人たちを迎える町があったあったことを実感することができました。トレイルのすぐ脇に樹齢1000年の杉の木が守り育てられているなんて、アメリカでも私の母国ニュージーランドでも見たことがありません。

グレッグ・ヴォレ(GV):私はまだ日本に来たばかりなんですが、日本でトレイルランニングというスポーツがどのように受け入れられているか、自分の目で確かめたい、その上で日本のトレイルランニング・コミュニティのためにどんなことができるか、日本の人たちに話を聞きたいと思っています。

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メディア関係者向けに東京近郊のトレイルで行われたランニング・セッション。トレイルの登りについてレクチャーするアンナ・フロスト。重心の真下を足の母指球で押すつもりで。

Q: チーム・サロモンは世界でもトップレベルのアスリートを集めていて、とても勢いを感じます。チーム・サロモンの雰囲気はどんな感じですか?

AF:そうですね、チーム・サロモンのチームメイトはライバルというよりは、お互いの人柄をよく知っている友達同士という関係だと思います。それにサロモンのアスリートのチームというのは競技の結果を競い合うというだけではなく、トレイルランニングの魅力を伝えるための写真やビデオのようなコンテンツを作り出したり、サロモンの商品開発を進めたりという役割も果たしているんです。そういう価値観を共有する仲間の集まりだといえると思います。

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マルティナ・ヴァルマソイ / Martina Valmassoiからはポールの使い方について。一回突くごとに数歩進むくらいのリズムで。

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マルティナ・ヴァルマソイ / Martina Valmassoi

マルティナ・ヴァルマソイ(MV):私がチーム・サロモンの仲間入りしたのは昨年からです。スキーマウンテニアリング(スキーモー)の選手をしていて競技としてランニングを始めたのはつい最近ですが、そういう私にもレースで競い合うだけが目的じゃないというチームの価値観は新鮮でした。スキーモーではこういうチームメイトとの関係は経験したことがありませんでしたから。

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GV:私が2010年にサロモンに加わった時、サロモンにはインターナショナルなアスリートチームというのはなく、サポートアスリートとの関係は新製品を渡して使ってもらう、という程度の話でした。そこで私は、トレイルランニングというスポーツについて価値観を共有できるファミリーのようなアスリートチームを作ろうと考えました。

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グレッグ・ヴォレ / Greg Vollet

ちょっと話が長くなりますが、そう考えたのは私自身の苦い経験があったからです。私はかつてマウンテンバイクの選手として、自転車メーカーと契約して各地のレースを転戦していました。3人の選手仲間で一緒に行動してお互いを励まし学び合う関係で、まるで3人の家族のようでした。実際に私は自分の息子が生まれた時にチームメイトから名前をもらってつけたほどなんです。私はその後そのチームから他のチームに移籍したのですが、そこでは選手同士が競い合い、レースの結果だけで評価される世界でした。その時、私は自分がかつて所属していた家族のようなチームがいかに素晴らしい環境だったかと気づくことになりました。

そんな経験があったので、サロモンでは一緒に寝泊まりしてレースに参加したり、トレーニングをしたり、ノウハウだけでなく悩み事も共有するような家族のような関係を作りたいと思いました。レースの結果だけでなく、このスポーツの魅力を一緒になって伝えていけることが大事です。だから、新しいメンバーをチームに迎える時もそういうファミリーの価値観を理解してもらうことを大事にしています。

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リッキー・ゲイツ / Rickey Gatesからはトレイルランニングを楽しく走るコツ。自分の調子やコースの状況に合わせて走ったり歩いたり柔軟に切り替える。

Q:最後に、世界各地でトレイルランニングの盛り上がりを目にしているグレッグさんから見て、今一番注目の動きは何でしょうか。

GV:そうですね、もちろんこのスポーツに取り組んでいるランナーの数とか各地の自然環境によって変わってくると思いますが、ヨーロッパやアメリカの一部ではトレイルランニングにロッククライミングの要素が加わった「スクランブリング」とか、テクニカルな高山地帯をトレイルランニングのスタイルで走る「アルパインランニング」といったアクティビティに関心が向き始めています。山を走ることについて、初めはそんなに長い距離は走らなかったわけですが、やがて42km以上のレースが現れ、さらに100マイルのレースが現れました。そうやって人間の限界を押し広げてきたわけですが、それがランニングのスタイルの革新という別の形で限界を乗り越えようとするのがスクランブリングやアルパインランニングだと思います。レースでいうとイタリアのトロフェオ・キーマ / Trofeo Kimaや昨年からキリアンとエミリーの二人が始めたノルウェーのトロムソ・スカイレース / Tromsø Skyraceのような感じですね。あとリッキーが紹介して知られるようになったアラスカのマウント・マラソン / Mount Marathonにも共通する要素があります。よりアドベンチャーの要素を持った山岳アクティビティにトレイルランニングの最先鋭をいくアスリートの関心は向かっていると感じます。

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グレッグ・ヴォレ / Greg Volletからは下りのコツ。下りでは基本的に足の前足部で着地する。前足部は着地面が広くグリップが効くほか、足の捻挫も防げる。

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