悔しさ半分、安堵感半分。いいのわたるのビブラム・ホンコン100 / Vibram® Hong Kong 100 Ultra Trail® Race 参加レポート

HK100-WataruIino-20160123-long

【編集部より:香港で1月23日土曜日に行われたビブラム・ホンコン100 / Vibram® Hong Kong 100 Ultra Trail® Raceは世界のトップアスリートが揃う例年以上にハイレベルなレースとなりました。この大会で昨年の7位に続いて9位でフィニッシュしたいいのわたるさん()に今回のレースに参加した印象を寄稿していただきました。】

Sponsored link


1月23日土曜日に行われた香港100kmレースに参加してきました。今回の目標タイムは10時間半。昨年は36km地点で足が攣ってしまって大きくタイムロス、11時間を超えたしまったため、今年こそは!という気持ちで臨みました(編者注・昨年は11:05:33でフィニッシュ、7位)。

当日の気温は昨年とは正反対で寒く(編者注・およそ4–5℃だった模様)、更にスタート地点周辺では風が強く吹いていたため体感気温は0℃並みでした。ウェアは多くの選手がウィンドブレーカーを羽織る中、走れば暑くなるだろうと少しでも軽量化したい自分は半袖ウェアにアームレストのみとしました。

スタート〜Support Point (11km)〜CP1 (21km)

8時に号砲と共にスタート。スタートダッシュよろしく始めの数kmは十数人が団子状態でトップ集団を形成。私は昨年10月のレユニオンレースでの足の怪我とまだ身体が温まっていないので第3集団の中。途中山と山のつなぎで強風にあおられながらCPを通過。エイドステーションは充実していましたが、寒さのおかげで水を全く飲まなかったのでそのままスルー。

Vibram® Hong Kong 100の高低図。後半に大きなアップダウンが控えている。大会サイトより

® 100の高低図。後半に大きなアップダウンが控えている。大会サイトより

CP1〜CP2 (28km)

300mの山越えとビーチ沿いの砂浜のコースが少し。山と言っても舗装がされているので問題なく登山。しかし、下りであろうことか2回も右足の同じ個所を捻ってしまいしばらくうずくまってしまいました。この間に数人抜かれ昨年より10分も遅れてCP2に到着。順位は24位。だんだん焦り始めます。

HK100-WataruIino-20160123-CP2

CP2を出て笑顔でコースへ戻る。

CP2〜CP3 (36km)

更に追い打ちをかけて四頭筋に痛み。おそらく寒さの影響で身体が温まらないうちにムリして筋肉を使ったことが原因でしょう。日本人有力選手の方々ははるか前方のようでますます焦るものの、ここは落ち着いてマイペースをキープ。

CP3〜CP4 (45km)

ここに来てようやく身体が温まりコースもフラットとあってスピードも上がってきました。昨年はここで足が攣ったので今年は合格。気を緩めることなく1人また1人(時には牛1匹)と抜いていき、CPに着くころには16位まで順位をあげることができました。

CP4〜CP5 (52km)

ペースを崩すことなく400mの山をひとつ越えます。下りは一気に駆け下りるので足を捻らないよう、慎重にかつスピードをゆるめず走ります。2人を抜かして14位に。

CP5〜CP6 (65km)

いよいよ山岳区間(Ma On Shan / 馬鞍山)に入るのでデポしてあったRedbullでエネルギーを回復。携帯食もここで交換しました。今回のレースでは基本的に携帯食は2つ(ようかん、カロリーメイト、ジェルのいずれか)しか持たず、後は全てエイドの食べ物で済ませました。その土地で提供される食べ物をみるのも楽しみのひとつです。

ここでグローブもしっかり身に付けエイドを出発してしばらく走っていると、レース関係者らしき人が3人立っていて、よく見ると日本人選手が血を流して手当てを受けていました(編者注・永田務さんが転倒、その後病院に運ばれて手当てを受けました)。通訳か何かでサポートできることはないかと思いましたが、本人は意外にも普通に受け応えしていたので少し安心。スタッフに手当てを受けていたので、私は先を行くことにしました。この先はアップダウンが続きますが、何人かを抜いて昨年に比べればだいぶスムーズに進みます。

CP6〜CP7 (73km)〜CP8 (83km)

ここの区間で調子が上がってきました。サポートの方がカップ麺を作り、さらに丁度食べやすい温度で用意してくださっていました。おかげですぐに食べられて、バナナなどをポケットにしまい込んでタイムロスなく即出発。しばらくすると奥宮俊祐さんが前方に。後方の選手の情報を伝えつつ、先を急ぎます。さらにストン・ツアンを抜かし、ペースを維持したままCP7を通過。ここの通過タイムは昨年を更新することができました。途中沿道で応援している人たちから、現在8位であること、7位は日本人(大瀬和文さん)で15分差であることを知りました。

HK100-WataruIino-20160123-CP5

エイドではカップラーメンでエネルギーを補給。

CP8〜CP9 (90km)

最後の山のセクションに差し掛かる少し手前にCP8のエイドがあります。このエイドで補給食を十分に食べておくべきでしたが、後方から追いかけて来ている気配を感じて、殆ど手を付けずにCP9に向かうことに。その後、徐々にハンガーノックになり始めました。

CP9〜フィニッシュ

最後のエイド、CP9はフィニッシュまで残り10km、Tai Mo Shan(大帽山)を越えるだけと考えて、ここでもエイドを十分に取らず先を急ぎます。しかし山のピーク辺りは風が強くて寒く、身体を温めようとカロリーを必要以上に消費する作用が働いたのか、一気にハンガーノックに陥りました。

それでも何とかピークを過ぎ、残るは下りのみ。しかし、ここで後ろから先ほど抜いたストン・ツアンが3分30秒/kmペースで一気に追い抜いていきます。1km程はついて行きますが、最後の下りは舗装路だけだった昨年とはコースが変わり、途中でトレイルに入ったため、差がさらに広がります。結局、ストンとは約3分差の9位でゴール(タイムは10:56:59)。日本人トップの大瀬和文さん(7位)とは9分差でした。でも、フィニッシュした時はお腹が空きすぎて、順位を落とした悔しさよりもカップ麺を食べることしか考えていませんでした。

Video: 9位 いいのわたる Wataru Iinoさん、フィニッシュライン・インタビュー。ハンガーノックで最後に抜かれたのが悔しいといういいのさん。開口一番「アイ・ニード・ヌードル!」で大ウケのフィニッシュの様子もあわせてご覧ください! #HK100

Posted by DogsorCaravan.com on Saturday, January 23, 2016

日本から近く充実した大会運営でオススメ

このレースは最後まで走り切れるコースとなっています。しかし、前半飛ばしすぎてしまうと後半は足が止まってしまうため、ロードレースに慣れた日本人選手は前半に体力をいかに温存するかが重要なポイントとなってきます。

これも読む
ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)に潜む「スピード・トラップ」って?STRAVAのビッグデータと国内外エリートランナーが明かす最高の1日のためのヒント

エイドステーションは非常に充実していて、ボランティアの皆さんが献身的にサポートしてくれます。休みが取りにくい社会人でも日本からは金曜出発〜日曜帰国で行くことが出来るので是非おススメしたいレースの一つです。

今回の装備

Wataru-Iino-squareいいのわたる 1979年10月生まれ、東京都出身。2011年、仕事でドイツ駐在中に 知人に誘われてスイスダボスマラソン78kに出場し初のトレイルレースを経験する。 その後サハラマラソン(MDS)を経て本格的にトレーニングを始め、 ドイツの数々のトレイルレースで入賞を果たす。帰国後も積極的に海外のトレイルや アドベンチャーレースに出るオールラウンダー。

Sponsored link