タイの風景や人々に触れる100km・山ノ井茂雄さんのThe North Face 100 Thailand参加レポート

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【編集部より:1月30日土曜日にタイでThe North Face 100 Thailandが開催されました。The North Faceがアジア・パシフィックで開催するレースシリーズの一つで、タイでは2012年に初めて開催されたトレイルランニングのイベントです。タイへの赴任中にこの大会を走り、今年の大会でも100kmで総合13位の好成績でフィニッシュした山ノ井茂雄さんにこの大会の魅力や大会に参加する上での情報について寄稿していただきました。】

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タイで初めて開催されたトレイルランニング大会

私がランニングに熱中するようになったのは、バンコクに赴任していた時(2002–2013)でした。気温25度以上の暑い中、それが普通だと思いながらタイのあちこちに出かけるたびに走っておりました。

そんな中で、タイで初めてのトレイルランニングの大会として2012年にThe North Face 100 Thailandが開催されました。第一回大会は現在とは異なり、水上マーケットで有名な町、アンパワーで開催され、私も初めてのアドベンチャーレースとして50キロの部に出場しました。記念すべき第一回大会の50キロの部に参加したのは55名。5時間31分で完走した私も9位と比較的上位に入れる大会でした。The North Face 100のシリーズに参戦しているシンガポールやマレーシアからのランナーも多く、タイの中でも国際色豊かな大会でした。その後、大会は開催地をカオヤイに移し、15キロや25キロといった短距離のレースも設けて参加者が増え、幅広いランナーが多数出場するようになりました。この間、タイでもトレイルランニングの大会が徐々に増えてきているようです。

タイのリゾート地、コースは穏やかだが日中の暑さは強烈

さて、今年の大会も例年通り、1月末にタイの軽井沢といわれる、カオヤイにて行われました。年を追うごとに大会の運営は改善されていて、受付手順、コースマーキング、コース誘導など年々よくなっていると感じます(とはいえ、日本の大会に比べればまだまだ粗い面は目立つかもしれません)。

各エイドで支給されるのは水、スポーツドリンク、スイカ、バナナといった感じで種類は少なめ。100kmのレース(50kmのコースを2周)の場合、周回の一週目の15キロ地点、25kmのコースと重複する部分のエイドはほぼ5キロ毎に置かれています。しかし、日が昇って気温が高くなる2周目はエイドの間隔は10キロほどになり、人気のスポーツドリンクは切れていたりすることもありました。日中の気温は35℃と高くなるので、補給はしっかりするなど、自己責任が重要な部分が出てきます。

The North Face 100 Thailandのコースは、起伏は激しくありません。登りといってもせいぜい数百メートルの登りがいくつかある程度で、全行程走ろうと思えば走れるコースではないでしょうか。印象としては山道3割、林道5割、舗装道路2割といった感じです。シーンとしては畑、放牧地、サトウキビ畑、荒野、丘、裏山です。

このような比較的穏やかなコースなのに、優勝タイムが10時間を超えるのはなぜか?もちろん有力選手があまり出場していないこともありますが、何よりも暑さだと思います。今年の場合、スタートゲートに表示されている気温、スタート時は17℃。しかし日中のピーク時はなんと50℃に達しました!もちろん計測場所のせいだと思いますが、それでもランナーの体感気温はおそらく35℃以上はあったと思われます。ですのでこの大会は例えばサハラ / Marathon des Sable、Badwaterといった大会の練習としてはありかと思いました。

景色としての見どころは、明け方のモヤが漂う広い荒野、のんびりとしたタイの地方集落、気さくなタイ人、といったところでしょうか。たまにすれ違うタイの僧侶や途中いくつか通り過ぎるタイ寺院なども印象的です。

暑さ対策に注意を、補給の計画はしっかりと

とにかく暑さ対策が必要です。直射日光にあたらないこと。両腕、両足を覆うもの、帽子は必須。特に2周目は給水できるポイントが減り、気温もピークに達するので水分を十分に持っておくことが必要でしょう。

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大会前のブリーフィングの様子。

日本の植物と異なり、コース上の草木は比較的堅いものが多く、トゲや毛が引っ掛かりやすくなっています。腕や足に絡みつく植物が多いので腕や足を覆うようにすることも大事です。

エイドの食料はスイカとバナナです。特に2周目になるとバナナがなくなっているエイドが多くなりますので、固形物が必要なランナーは補給食を自分で持っていく必要があります。50キロ地点の折り返しではタイ料理が振る舞われますが、胃腸のことを考えるとタイ料理に慣れていない方は控えた方がいいかもしれません。

日本からも参加しやすい大会、エントリーはお早めに

走力があって暑さに強いランナーにとっては、入賞できるチャンスは大きい大会だと思います。欧米と比べれば日本からの距離は近く、費用面でも手軽に出場できる大会です。バンコクでゆっくりスパや観光を楽しみつつ、大会では観光では味わえないタイも楽しむことができるでしょう。100kmソロ以外にも100kmデュオや50kmもあり、これらも楽しめるレースだと思います。2012年の第一回大会では開催1週間前でもエントリーできましたが、今年の大会は締め切り以前に定員に達したようです。参加ご希望の方には早い時期にエントリーすることをお勧めいたします(編集部注・2016年大会は2015年7月17日にエントリーが開始されました)。

Shigeo-Yamanoi-square山ノ井茂雄 (やまのい・しげお)福島県郡山市出身、さいたま市在住、昭和41年丙午生まれの会社員。社会人となってから遠ざかっていたスポーツに目覚めたのはタイへの赴任中。タイのマラソン大会に参加するほか、日本の帰国時にトレイルランニングの大会にも参加。2013年の日本への帰国後も国内外のマラソン、トレイルランニング大会に積極的に参加し、楽しんでいる。昨年2015年はハセツネCUPで14:44、で42:44、京都マラソンで3:05。先月開催されたでは100kmの部で総合13位でフィニッシュ。

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