巨大なアリゾナの自然の風景に圧倒される50マイル・田坂洋範さんのアンテロープ・キャニオン・ウルトラマラソン / Antelope Canyon Ultra Marathon 参加レポート

AntelopeCanyonUltra-HoseShoeBend

【編者より・田坂洋範 / さんは2014年のOSJおんたけ100kのチャンピオンで昨年はOSJ新城ダブル64kで3位、富士五湖チャレンジ100kで5位、いわて銀河100kで2位、房総半島横断60k優勝などの実績を持つウルトラランナー。その田坂さんが「新婚旅行のついでに」参加したアメリカ・アリゾナ州の50マイルのトレイルランニングレースで優勝したことは当サイトでもお伝えしています。優勝した田坂さんから2月20日に開催されたアンテロープ・キャニオン・ウルトラマラソン / Ultra のレースレポートを寄稿していただきました。アメリカのアリゾナ州とユタ州にまたがるグランド・サークルはグランド・キャニオンをはじめとする広大な景観が人気のスポットが集中するエリアです。初めての海外のレースで優勝を手にした田坂さんの今シーズンに注目です。】

Sponsored link


(表題の写真はアンテロープ・キャニオン・ウルトラマラソンのコースから見ることができるホース・シュー・ベンド。All photos by Mizuki Tasaka)

巨大な自然の風景に圧倒されるグランド・サークルの名所は一週間かけて回りたい

2016年2月20日に開催されたアンテロープ・キャニオン・ウルトラマラソン / Antelope Canyon Ultra Marathon(50マイル)に自身初の海外レースとして参加しました。今回は新婚旅行としてグランドキャニオンなどで有名なグランド・サークル / Grand Circleを巡る目的で調べるうちに、Grand Circleの一つのアンテロープ・キャニオン / Antelope Canyonでレースが行なわれることを知り、日程を調整して参加することにしました。

大会の行なわれる1週間前にラスベガスに入りました。到着した次の日に、3泊4日でGrand Circleのザイオン / Zion、ブライス・キャニオン / Bryce Canyon、キャピトル・リーフ / Capitol Reef、アーチーズ / Arches、モニュメントバレー / Monument Valley、グランド・キャニオン / Grand Canyonという順序で国立公園を巡るツアーに参加しました。どこを見ても日本には存在しないような景色で、一つ一つのスケールも大きく、遥か昔の地層が折り重なってできた自然の風景に感動しました。

観光の後、レースの開催地に移動します。開催地はアリゾナ州のページ / Pageという街。レンタカーを借りて、ラスベガスから約400km、時間にして4~5時間程のところにあります。ページからはアンテロープ・キャニオンの他、パウエル湖 / Lake Powellやホース・シュー・ベンド / Horse Shoe Bendといった観光名所があり、今回のレース(50マイル)はそうしたページの名所をめぐる贅沢なコースです。50マイルのほか、55kmと21kmの部も開催されます。

AntelopeCanyonUltra-Tasaka_Hironori

レースは50マイルでグランド・サークルの名所をつなぐ

50マイルのレースは大きく3つのパートに分かれます。

1. アンテロープ・キャニオン

まずレースをスタートして、約10km先のアンテロープ・キャニオンへ向かいます。この区間はほぼ全てが足が取られるような深い砂漠。かなり足を消耗します。続くアンテロープ・キャニオンは雨水が鉄砲水となり岩を削って出来た狭い渓谷で、この渓谷の中を進んでいきます。日差しのある時間帯なら日光が渓谷内に差込み、幻想的な光の空間を作り出します。今回のレースではスタートが早朝となったため、光が差し込む様子を見ることはできませんでした。アンテロープ・キャニオンを抜けてそのまま砂漠を進んでいくと、ホース・シュー・ベンドのエイドステーション(約30km地点)に到着です。

2. ホース・シュー・ベンド

ホース・シュー・ベンド / Horse Shoe Bendとは「馬の蹄の形に川が曲がっているところ」という意味で、断崖絶壁の間に流れるコロラド川はこのレースで一番の見どころです。この区間は、ここまでと同様に深い砂漠と断崖絶壁の岩場の組み合ったコースです。途中にはアンテロープ・キャニオンのような狭い渓谷を通る箇所もあり、こちらでは幻想的な光を見ることができました。渓谷内では三点支持をしながら登る岩場や梯子の区間もあり、変化に富んだ面白い区間です。ホース・シュー・ベンドを抜けて砂漠を10km程進むと約60km地点。ここから最後の区間に入ります。

3. パウエル湖

パウエル湖 / Lake Powellは全米で2番目に大きい人口湖で、グランドサークルの中で唯一人間が自然の力を借りて造り上げた傑作といわれています。この区間は同様に砂地を走るのですが、他の区間と比べて地面が硬く、今回一番走りやすい区間でした。この辺りになると、55kmや21kmのレースの参加者ともすれ違い、お互い励ましあいながら進んでいきます。この区間を20km程走ると、会場に戻ってきてMCが名前を呼んでくれて感動のゴールです!

Hironori-Tasaka-Antelope-Canyon-50-2016

Antelope Canyon 50で7時間32分53秒の大会新記録で優勝した田坂洋範 / Hironori Tasaka。 

砂の上を走るのは予想以上に疲れる、でも他にはない自然の景観が楽しめる

コースは距離が50マイル(約80キロ)に対して累積獲得標高は1000mD+程度と平坦な部類です。しかし砂漠の中を走るせいかそれ以上に感じられ、完走後は特に腹筋や股関節など体幹部の疲労が大きかったです。気候については、非常に乾燥していて気温も日中は20℃超えと日本とは差が大きく、時差や食事も含めて対応に時間がかかります。今回は1週間前に現地入りしたのがプラスとなりました。

初めての海外レースなので、結果よりも楽しむことを優先して挑みましたが、妻の協力もあり結果も含めて思い出に残る大会となりました。このレースを主催しているUltra Adventuresでは、The Grand Circle Trail Seriesとしてグランド・サークルの他の地域でも大会を開催しており、グランド・キャニオンやモニュメントバレーでも長距離レースが楽しめます。エイドステーションも充実しており、コースマーキングもしっかりとしていて安心できる大会でした。日本やヨーロッパとは違った異国の空間を楽しみたいという方にお勧めしたいレースです!

プロフィール:田坂洋範(たさか ひろのり)  1985年10月生まれ愛媛県出身。2012年12月に友達と走ったフルマラソンをきっかけにキャリアスタート。その後、ロード・トレイル問わず日本各地の大会に出場し、2015年12月に47都道府県の40km以上の大会に完走達成。今後は日本だけでなく、世界を旅するランナーを目指す。
Sponsored link