標高2,000mを超える山岳エリアの大会としては、毎年シーズン最初となる菅平スカイライントレイルランレース(菅平42k)が今週末6月12日日曜日に菅平高原(長野県上田市)で開催されます。42kmのレースはスカイランナー・ジャパンシリーズ(SJS)のシリーズ戦となっています。昨年に続いて、当サイトでは午前7時にスタートする42kmのスカイマラソンを中心に大会が開催される現地からライブ速報をお送りします。
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コース後半がハイライトとなる42kmのコース
大会ではSJSシリーズ戦となる42kmのスカイマラソン(実測44km / 2,586mD+、制限時間10時間)のほか、21kmのスカイハーフ(22km / 1,328mD+、7時間)とジュニア・ビギナー向けのスカイミニ(5km、2時間)が開催されます。
【追記・42kのコースは昨年から一部変更されています。18.5km地点の第3エイドから野口みずきクロカンコースに入っていましたが、今年はエイドから林道を下るコースになりました。距離が1.5kmほど延びましたが、走りやすいスピードの上がるコースに変わりました。2016.6.11】42kmのスタート・フィニッシュは菅平高原国際リゾートセンター。ここから菅平の東西の山を登って下りるコースですが、そのハイライトは18.5km地点の第三エイド(菅平牧場)から始まる四阿山(あずまやさん)、根子岳の登山道となります。標高2000m付近までの標高差4–500mの登りを2回繰り返す他、足元はややガレた箇所も現れる本格的な山岳コースとなります。第三エイドから41km地点となる第二エイドへの戻りまでの20km強がこのレースの「スカイレース」らしいパートで、山の爽やかさや景色の美しさが楽しめるでしょう。しかし、順位やタイムを考えるならばこの後半に備えて前半のペースをどの程度にするか、周囲の選手について行くか行かないかといった駆け引きも必要になるかもしれません。
昨年の優勝タイムは男子が3時間59分48秒(上田瑠偉)、女子が5時間26分7秒(長谷川香奈子)でした。これらのタイムはコースが現在のものに近くなった第4回大会(2011年)以降の大会記録ともなっています。
スカイランナー・ジャパンシリーズとなっているほか、注目の企画も
42kmのスカイマラソンは上記の通りスカイランナー・ジャパンシリーズ(SJS)のシリーズ戦で、SKYカテゴリー(スカイ、概ね42kmまで)では先月の経ヶ岳バーティカルリミットに続く第2戦となります。このほか、この大会に関連して次のような企画が行われます。
- アウトドアフェスタ(同時開催):フォトロゲイニング、青竹パン作りが楽しめます。
- 「真田赤備え」賞:戦国時代の勇将・真田氏のふるさとである上田市。真田氏にちなんで赤系のウェアで統一したランナーの中から選ばれた方に賞品が贈られます。
- トリプルマスターズ賞:この菅平と美ヶ原トレイルラン&ウォーク in ながわ、信州戸隠トレイルランレースを合わせた3大会の各最長種目を完走した人にはトリプルマスターズ賞が与えられます。その中で合計タイムが最も短いランナーは「トリプルマスタークラウン」の称号とアジアの国際的なトレイルランニング大会招待の特典が贈られます。
菅平42kの有力アスリート
スカイランナー・ジャパンシリーズとなる菅平42kは、日本選手権となって全国から様々な分野で活躍する有力選手が集結した昨年にはおよばないものの、今年もハイレベルなレースが展開されそうです。有力選手の顔ぶれをご紹介しましょう。
女子 / Women
昨年の菅平42kを制し、SJS年間チャンピオン、海外でもアジア選手権(MSIG Sai Kung 28k)で3位となった長谷川香奈子 / Kanako Hasegawaが優勝候補の筆頭といって間違いないでしょう。しかし、先月の経ヶ岳ではトップから17分差の5位に終わったのが気がかりなところ。 7月に世界選手権(Buff Epic Run、スペイン)を控えての仕上がりを占う上でも、その快走に期待したいところ。
長谷川に続くと期待されるのは同じく7月の世界選手権日本代表の岩楯志帆 / Shiho Iwadate。昨年の菅平42kでは長谷川に20分差での2位、SJS年間ランキング2位で、今年は上田VKで7位、経ヶ岳で7位となっています。昨年からトレイルの大会で記録を残している浅原かおり / Kaori Asaharaは昨年のこの大会で4位。このほか、白馬国際50kで4位、STYで4位、ハセツネ・カップで6位となっていて今年も活躍が期待されます。先月の経ヶ岳で6位の早川由香里 / Yukari Hayakawaは昨年のびわ湖バレイで3位、スリーピークス八ヶ岳で8位。折戸小百合 / Sayuri Oritoは50代のベテランですが、昨年は地元石川県の峨山道で4位となった後、この菅平42kで3位に入っています。今年は奥三河70kで10位、比叡山50kで6位と安定した成績を残しています。スカイランニングのシリーズ戦で見るのはちょっと意外な名前は岡さゆり / Sayuri Okaです。昨年の神宮外苑24時間チャレンジで女子2位など、24時間走で2013年の世界選手権で6位となるなど、世界で活躍するウルトラマラソンランナーです。トレイルランニングでもUTMF、STY、信越五岳などを完走していますが、今回の菅平42kに出場します。
ノルディックスキーのトップアスリートで、昨年の上田VKで優勝してスカイランニングでも注目を集めた小林由貴 / Yuki Kobayashiは今回の菅平では21kmのスカイハーフに出場します。
男子 / Men
先月の経ヶ岳バーティカルリミットは、上田瑠偉が単独リードし、その後に続く3人、秋元佑介、牛田美樹、小山真一が2位以下に僅差で続きました。もしかすると、菅平でも同じような展開となるかもしれません。今年社会人となったばかりの上田瑠偉 / Ruy Uedaは、バーティカル・キロメーターから100kmまで現在の日本のトレイルランニング界をリードする存在。昨年の菅平42kでも優勝を飾っています。今シーズンに入ってからは毎週のように各地の大会に登場する人気ぶりで、十分なリカバリーが取れているかどうかだけが今回の懸念材料です。
上田と同世代の秋元佑介 / Yusuke Akimotoは2014年ハセツネ・カップで6位(7時間43分)。先月の経ヶ岳では優勝した上田とは9分差の2位でした。牛田美樹 / Miki Ushidaは昨年のスカイランナー・ジャパンシリーズ年間チャンピオンでアジア選手権となったMSIG Sai Kung 50kでは5位の実績。昨年のこの大会ではトップから14分で6位。小山真一 / Shinichi Koyamaは富士登山駅伝の強豪・第一空挺団チーム所属。先月の経ヶ岳で4位でした。
経ヶ岳に出場していた上記の4人に加わりそうなのはまず星野和昭 / Kazuaki Hoshinoで、昨年のアジア選手権(MSIG Sai Kung 28k)で6位、世界シリーズ戦の一つとなったLantau 2 Peaksで9位など国際的な大会で活躍。国内では蔵王温泉で2位になっています。今年7月の世界選手権日本代表であり、こちらも仕上がりが気になるところ。さらにダークホースとして注目したいのは吉原稔 / Minoru Yoshihara。4月に開催された奥三河70kで有力選手が競うレースを2位でフィニッシュ。先々週のOSJ奥久慈では優勝と急に頭角を現している23歳です。スカイランニング関連では今年の上田VKに出ており、51分35秒で25位、経ヶ岳で8位。今回、実績ある有力選手とどんなレースを見せるかに注目です。
このほか、注目したい有力選手は次のみなさん。
- 山田琢也 / Takuya Yamada:トレイルランニング界ではこれまで数々の成績を残しているベテラン。近年では2014年信越五岳で2位、昨年の菅平42kではトップから10分差の4位。
- 藤飛翔 / Tsubasa Fuji:20歳の大学生で今年の経ヶ岳でトップから16分差の6位。
- 吉野大和 / Yamato Yoshino:21歳の大学生。今年の上田VKでトップから4分20秒差で8位。経ヶ岳では9位に。
- 阿部健裕 / Kenyu Abe:今年の経ヶ岳で16位。23歳。
- 山本大賀 / Taiga Yamamoto:経ヶ岳で昨年15位、今年27位、昨年の西米良5位。
- 竹原直矢 / Naoya Takehara:昨年の西米良で8位。
- 佐藤圭介 / Keisuke Sato:昨年のスカイランニング日本選手権・美ヶ原80kで7位。
- 水越友洋 / Tomohito Mizukoshi:2015年みなかみスカイビュー60kで4位、スパトレイル7位。今年のOSJ奄美で5位。今年の比叡山50kで17位。