上田瑠偉が男子優勝、高村貴子が女子準優勝。スカイランニング・ユース世界選手権 2016 / Gran Sasso Skyrace リザルト

イタリアから吉報が飛び込んできました。高校生・大学生世代のアスリートを集めて今年初めて開催されたスカイランニング・ユース世界選手権 / Youth World Skyrunning Championshipsにおいて、世界8カ国から参加した選手の中で上田瑠偉 / Ruy Ueda高村貴子 / Takako Takamuraが21.6kmのスカイレースで男子優勝、女子2位を獲得。世界の大舞台で日本の若いアスリートが大活躍しました。

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初開催のユース世界選手権で上田、高村が大健闘

Gransasso-logoイタリア中部アブルッツォ州の州都・ラクイラの郊外。アペニン山脈で最も高い山の集まるグラン・サッソで行われるGran Sasso Skyraceの中で今回のユース世界選手権は開催され、31日日曜日午前8時15分(日本時間同日午後3時15分)に21.6kmのスカイレースがスタートしました。標高1100mのスタート地点からコース最高地点となるピッツォ・セファローネ / Pizzo Cefalone(標高2533m)などを通るテクニカルで急なアップダウンを含む21.6kmの山岳コースので行われました。

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21.6kのスカイレースでリードする上田瑠偉 / Ruy Ueda。Photo by Gran Sasso Skyrace

日本のスカイランニング、トレイルランニング界を代表するアスリートであるプリンス・上田瑠偉は先週12位となったスペインでの世界選手権(Buff Epic Trail 42k)での走りと同じように、この日も積極的にスタートから先頭をリード。今回は順調にリードを守って2時間31分3秒でフィニッシュして、U23カテゴリー(23–21歳) で優勝。同じくU23のトマス・リッチー / Tomas Lichy(チェコ)が2時間33分4秒、ユースB (18–20歳)のヤン・マルガリト / Jan Margarit Solé(スペイン)が2時間34分53秒で続きました。ヤン・マルガリトは前週の世界選手権のVKで8位となっている選手です。

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表彰台に並んだ男子U23のトップ3。左から2位のトマス・リッチー / Tomas Lichy(チェコ)、優勝の上田瑠偉、3位のEddj Nani(イタリア)。Photo by © Kanako Hasegawa / JSA

女子のレースは昨年のゼガマ・マラソンで2位、前週の世界選手権のVKで4位という実力を持つパウラ・カブレリゾ / Paula Cabrerizo(スペイン)が3時間9分7秒で優勝。そしてカブレリゾに7分半の差で高村貴子が続くという健闘を見せました。高村は昨シーズンに山中温泉で優勝、ハセツネ・カップで3位となって注目され、今年に入ってからもMt. Awa VKで優勝、上田VKで2位となっていましたが、今回は初の海外遠征で世界に実力を示しました。

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U23女子の表彰台。左から2位の高村貴子、優勝のPaula Cabrerizo Cuevas(スペイン) 、3位のBarbora Koznarova(チェコ)。Photo by © Kanako Hasegawa / JSA

このほか、日本から参加したアスリートではU23で藤飛翔 / Tsubasa Fujiが8位、鈴木龍弥 / Ryuya Suzukiが9位、11位に名取将大 / Masahiro Natori、12位に吉野大和 / Yamato Yoshino。ユースBで菊川惠太 / Keita Kikugawaが21位、池田華子 / Kako Ikedaが女子4位、ユースA(16–17歳)で5位に林健太朗 / Kentaro Hayashi、10位に星野誉貴 / Yoshiki Hoshino、12位に松本良介 / Ryosuke Matsumoto、でした。

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21.6kmのスカイレースに先行して行われたバーティカルキロメーター(VK)では上田瑠偉がU23で3位(大会総合で4位)、高村貴子がU23女子で4位となっています。またスカイレースとVKのタイムを合算して順位を競うコンバインドでも上田はU23で優勝高村はU23女子で2位となりました。

また、上位3選手の獲得ポイントで競う国別ランキングでは、日本はスペインに続く2位に。3位はチェコでした。

日本の若いアスリートのポテンシャルを世界に示した上田瑠偉と高村貴子

世界から選手が集まるユース世界選手権の場での優勝、あるいは準優勝というのは、まだ日の浅い日本のスカイランニング、トレイルランニングの歴史の中でも初めての快挙です。上田瑠偉、高村貴子の二人ともここ数年の日本でのレースの中でその実力を発揮して注目されるようになった存在でしたが、今回のように世界的なイベントでその実力を発揮したことは大金星を挙げたといっても過言ではないでしょう。

無論、世界的にみてもこのスポーツはまだ歴史が浅く、ユース世界選手権が行われたのも今回が初めてのこと。参加した8カ国にはフランス、アメリカといった大国が含まれていないなど、世界の頂点を決めるというには今後このユース世界選手権の拡充が待たれるところです。しかし、そうした要素を考慮に入れても今回の快挙は日本におけるスカイランニング、トレイルランニングの将来に希望の光を照らしたことは間違いありません。

ユース世界選手権では、競技で勝負を競うだけでなく、成長の余地の大きい世代が交流し、互いに刺激を与え合うことも大きな役割です。この面では今回の大会は大きな成果を上げている模様で、日本チームも世界の選手たちと友好の輪を広げています。こうした面での成果も日本におけるこのスポーツに大きな意味があったことでしょう。

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ユース世界選手権で世界の若いアスリートと交流を深めた日本チーム。Photo by © Sho Fujimaki, courtesy of JSA

Gran Sasso Skyrace 21.6k / スカイランニング世界選手権・SKYカテゴリー リザルト

全体のリザルトはこちら

U23(23–21歳)男子

  1. 上田瑠偉 / Ueda Ruy(日本) 2:31’03.9 (大会総合1位)
  2. Tomas Lichy(チェコ) 2:33’04.0 (大会総合2位)
  3. Eddj Nani(イタリア) 2:44’39.2 (大会総合5位)
  4. Tomas Krivohlavek (チェコ) 2:49’12.9 (大会総合9位)
  5. Michele Sulli (イタリア) 2:51’31.4 (大会総合13位)
  6. Oriol Cardona Coll(スペイン) 2:53’02.1 (大会総合14位)
  7. Adam Chloupek (チェコ) 2:57’23.0 (大会総合17位)
  8. 藤飛翔 / Tsubasa Fuji (日本) 2:57’36.0 (大会総合18位)
  9. 鈴木龍弥 / Ryuya Suzuki (日本) 3:09’59.1 (大会総合25位)
  10. Joãƒo Patrício(ポルトガル) 3:22’25.0 (大会総合36位)
  • 11 名取将大 / Masahiro Natori (日本) 3:23’07.3 (大会総合12位)
  • 12 吉野大和 / Yamato Yoshino (日本) 3:45’43.7 (大会総合13位)

U23(23–21歳)女子

  1. Paula Cabrerizo Cuevas(スペイン) 3:09’07.0 (大会総合女子1位)
  2. 高村貴子 / Takako Takamura(日本) 3:16’35.1 (大会総合女子3位)
  3. Barbora Koznarova(チェコ) 3:37’58.9 (大会総合女子6位)
  4. Enrica Fassone(イタリア) 4:53’11.3

ユースB(18–20歳)男子

  1. Jan Margarit Solé(スペイン) 2:34’53.2 (大会総合3位)
  2. Roberto Delorenzi(スイス) 2:43’16.8 (大会総合4位)
  3. Marc Traserra Pujol (スペイン) 2:46’52.2 (大会総合6位)
  4. Daniele Felicetti(イタリア) 2:48’39.3 (大会総合8位)
  5. David Novak (チェコ) 2:49’27.1 (大会総合10位)
  6. Carlo Colaianni (イタリア) 2:53’16.8 (大会総合15位)
  7. Hugo Llata Rodriguez (アンドラ) 2:56’04.0 (大会総合16位)
  8. Carlos Garcia Hurtado (スペイン) 2:58’19.1 (大会総合20位)
  9. Chris Strydom(南アフリカ) 2:58’40.9 (大会総合21位)
  10. Tomas Stverak (チェコ)  3:02’49.8 (大会総合23位)
  • 15 菊川惠太 / Keita Kikugawa(日本) 3:21’20.7
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ユースB(18–20歳)女子

  1. Laia Aguilar Bruch(スペイン) 3:33’34.3 (大会総合女子4位)
  2. Hayley Preen(南アフリカ) 3:36’48.4 (大会総合女子5位)
  3. Maria Beringues Brunet (スペイン) 4:00’13.8 (大会総合女子9位)
  4. Giorgia Felicetti(イタリア) 4:16’30.4
  5. 池田華子 / Kako Ikeda(日本) 4:25’16.7

ユースA(16–17歳)男子

  1. Nicolãs Molina Augustin(スペイン) 1:59’37.6
  2. Vladimir Kozlovsky(チェコ) 1:59’55.2
  3. Isaac Barti Soão (スペイン) 2:03’11.3
  4. Arnau Soldevila Busquets (アンドラ) 2:09’30.3
  5. 林健太朗 / Kentaro Hayashi(日本) 2:13’22.1
  6. Marco Delorenzi(スイス) 2:13’51.6
  7. Ondrej Nezval (チェコ) 2:15’04.0
  8. Nicola D’andrea(イタリア) 2:15’49.9
  9. Jiri Krecek(チェコ) 2:18’30.6
  10. 星野誉貴 / Yoshiki Hoshino(日本) 2:21’29.5
  • 12 松本良介 / Ryosuke Matsumoto 2:41’35.5

ユースA(16–17歳)女子

  1. Jana Aguilar Bruch(スペイン) 2:44’41.2
  2. Ãngeles Dies Sãnchez (スペイン)3:04’25.5
  3. Juliana Oliveira(ポルトガル) 3:41’18.9
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