前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyを今年もお届けします。このDC Weeklyへ皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。
(トレイルランニング・フォーラム2017での一シーン。Photo by Koichi Iwasa, DogsorCaravan.com)
トレイルランニング関連ニュース
- 2016 UltraRunners of the Year(北米)が発表に:UltraRunning誌が主催して、北米のウルトラランナーを対象にその年最も活躍したアスリートを選ぶ”UltraRunners of the Year”が発表され、男女のそれぞれ1位にはジム・ウォルムズレイ Jim Walmsley、ケイシー・リックタイ Kaci Lickteigが選ばれました。同誌では10位までのアスリートをそれぞれ男女ごとに選んでいます。このほか、2016年に北米で最もハイレベルなレースとなった大会、100マイル、100kmなどの分野ごとに最も優れた成績(大会記録に近い成績)についても発表しています。この賞を選ぶにあたっての様々な検討結果についてはこちらにまとめられています。
- 2016年の主なFKTの記録まとめ:Trail Runner誌は昨年中に実行された主なFKT(特定のルートについての最速走破記録、または記録更新のためにルートを走ること)をまとめています。1日から4-5日で終わる「ショート」の部はこちらから。ロングトレイルを1週間以上かけて走るような「ロング」の部はこちら。
- JSAが2017年の強化指定選手を発表:国内外で結果が残せる実力を持つアスリートが選ばれています。リストはこちらから。
- UTMBが2017年大会へのプレエントリーを締め切り:今年のプレエントリーの状況は大会ウェブサイトで発表されています。当サイトがまとめた過去と比較できる締め切り時点での全体のエントリー状況は次の通りで、UTMBの人気は相変わらずですが、他のレースもエントリーが急増していて、特に55kmのOCCは定員の2倍を超える人気で、いつかは170kmのUTMBを完走したいという人たちが世界で増えている様子が伺えます。抽選結果は1月12日木曜日午前10時(日本時間同日午後6時)に発表されます。
- UTMB:2014年226%→2015年218%→2016年193%→2017年198%
- CCC:2014年174%→2015年142%→2016年145%→2017年182%
- OCC:2014年164%→2015年255%→2016年164%→2017年239%
- TDS:2014年88%→2015年83%→2016年106%→2017年118%
- Trail-Running Forum 2017が開催:日本トレイルランナーズ協会が1月8日に開催し、その概要はあらかじめ当サイトでお伝えしていた通りでした。以下は取材した感想。
- 大会運営のガイドライン。「協会」の初の対外的なアウトプットとして記念すべきもの。
- Nature Scene、KTF・大塚さんのプレゼンテーション。お客様の満足を重視し、大会運営をビジネスとして成立させている仕組みについて。さすが。
- UTMBの(正確にはITRAの)大会審査システムの趣旨については、当サイト岩佐が昨年のこのイベントで少しだけ時間をいただいて説明したものの、理解されていないのだなあと痛感。
- JSAユースチームによるスカイランニング・ユース世界選手権の報告。しっかり準備された内容でありつつ、メンバー一人一人の生の声が聞けて充実した内容。
- 石川弘樹さんのまとめ。様々なレースがあり、レジャーとして楽しむ人があり、プロアスリートや関連するビジネスをする人がいる。そんな「トレイルランニングの多様性」を認めよう(守ろう?)というメッセージ。
- 午後の東京海洋大グラウンドでは雨の中でトレーニングのセッションが開催。「ハセツネ7時間を目指す」上田瑠偉さんのセッションと、「45歳以上のトレーニング」の鏑木毅さんのセッションが一つのグラウンドで開催されているのをみると、改めて時代の節目にいるなあと実感。
- 取材を終えて帰途につく間、「日本トレイルランナーズ協会」って何を目的としているんだろうか、と考えてみた。トレイルランニングの現状はそれぞれみんなが頑張っていい感じになっているので行くにまかせつつ、世の批判からみんなを守る、というあたりか。当サイトももっと周りを見習わなくてはならない、と反省。
先週末のイベント
1月7日土曜日:Bandera
- Bandera Endurance Run (100k, 50k, 25k):アメリカ・テキサス州で開催。100kmのレースは例年通り米国陸連(USATF)のトレイル100km全米選手権として、そしてウェスタン・ステイツへの出場権を得られるGolden Ticket Raceの一つです。男子のレースでは上位が見込まれたアスリートが次々にリタイアする波乱の展開に。なんと女子のステファニー・ヴィオレットStephanie Violett(旧姓Howe、2014年ウェスタンステイツ女子優勝)が最初にフィニッシュラインに飛び込みました。優勝タイムは9時間8分35秒でした。総合2位でフィニッシュしたジャスティン・リックス Justin Ricksが男子優勝、タイムは9時間13分11秒でした。リザルトはこちら。男子上位選手は集団でコースをロストした、という事情があった模様です。
今週末のイベント
1月12日木曜日 – 14日土曜日:Brazil 135
- Brazil 135:ブラジル・サンパウロ郊外のサンジョアン・ダ・ボア・ビスタをスタートするウルトラマラソンで、コースは最長253kmで60時間以内。大会開催中のオンライントラッキングはこちらから。
1月14日土曜日:Hong Kong 100、HURT 100、Long Haul 100
- Vibram® Hong Kong 100 Ultra Trail® Race(100k):Ultra-Trail World Tourの開幕戦は今年も香港から。今回で7回目となる大会には総勢約2000人のうち、日本からも119人が参加。昨年は優勝したフランソワ・デンヌをはじめとして欧州の有力選手が揃いましたが、今年もUTMBで注目のアメリカ勢が参加してハイレベルなレースとなりそうです。日本からは一昨年昨年と上位に入っている大瀬和文 Kazufumi Ose、いいのわたる Wataru Iinoのほか、原良和 Yoshikazu Hara、永田務 Tsutomu Nagataが上位をねらいます。当サイトのプレビュー記事はこちらから。当サイトの現地からのライブ速報もお楽しみに。
- HURT 100:ハワイで開催される100マイルのトレイルランニングレースで、街からも近い周回コースながらかなりテクニカルなコンディションのコースで知られています。日本からの参加者も含むエントリーリストはこちら。大会開催中のオンライントラッキングはこちらから。
- Long Haul 100:アメリカ・フロリダ州タンパ近郊で開催される100マイルのトレイルランニングレースで、大きな登り下りはない自然の遊歩道を使ったコースとなっています。100km、20kmの部を合わせても50人ほどの参加者の小さな大会です。