人気、注目を集める100kmクラスのレースが、ウルトラマラソンの魅力を伝えるために集結しました。チャレンジ富士五湖、飛騨高山、日光、白山白川郷、丹後の5大会が「ウルトラマラソン世界遺産シリーズ・ジオパークシリーズ」となることが発表されました。
5大会のうち、4大会(チャレンジ富士五湖、飛騨高山、日光、白山白川郷)が開催される地域はそれぞれ世界遺産に指定された自然・文化を誇ります。また2大会(丹後、白山白川郷)はジオパークに指定された豊かな自然に恵まれています。これらの5大会は「ウルトラマラソン世界遺産シリーズ・ジオパークシリーズ」として、それぞれの大会の魅力をウルトラマラソンを通じて国内外に伝えていくこととなります。
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シリーズ5大会の概要
- 4月23日:第27回チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン(118km, 100km, 71km)山梨県。世界遺産「富士山 – 信仰の対象と芸術の源泉」。
- 6月11日:第6回飛騨高山ウルトラマラソン(100km、72km)岐阜県。世界遺産「高山祭の屋台行事」。
- 7月2日:第1回日光100kmウルトラマラソン(100km、62km)栃木県。世界遺産「日光の社寺(二荒山神社、東照宮、山輪王寺)」
- 9月10日:第5回白山白川郷ウルトラマラソン(100km、50km)石川県、岐阜県。世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」、ユネスコ世界ジオパーク「白山手取川ジオパーク」
- 9月17日:第17回歴史街道丹後100kmウルトラマラソン(100km、60km)京都府。ユネスコ世界ジオパーク「山陰海岸ジオパーク」
記者会見では各大会が魅力をアピール
1月25日に東京で行われた記者会見では各大会の代表者、自治体の首長の皆さんが登壇。各大会のプロデューサー・坂本雄次さんは「100kmもの距離を走り抜けるウルトラマラソンを、フルマラソン完走という目標を達成した市民ランナーの次のステージの目標として提案したい」と話しました。さらに「100kmものコースを作るとなるとその地域の豊かな自然、文化遺産をつなぐことになる。そうした魅力にあふれた大会からなるこのシリーズを国内外にアピールしていきたい」との構想を示します。続いて、各大会の代表者がそれぞれの大会の魅力をアピールしました。
今回のウルトラマラソン世界遺産シリーズ・ジオパークシリーズに協賛する株式会社ゴールドウィンの森光さん(執行役員ザ・ノース・フェイス事業部長)は「当社は日本でトレイルランニングの成長に貢献してきたというにとどまらず、自らこのスポーツの市場を切り開いてきたという自負がある」、「UTMFの実行委員長である鏑木毅さんがいうように、トレイルランニングは単に自分の限界を試すというだけでなく、コースからの景色、地元の美味しい食べ物を楽しむ旅でもある。ウルトラマラソンにも共通する要素がある」と今回の同社初めてのロードの大会への協賛の意義を語りました。
ウルトラマラソンとそれぞれの舞台の魅力を発信する新たな試み
トレイルランニングやスカイランニングにおいては、各地の人気大会からなるシリーズ戦を作り、一体となって各大会の魅力や知名度を高める試みは海外で珍しくありません。今回の「ウルトラマラソン世界遺産シリーズ・ジオパークシリーズ」は国内で人気の大会を企画運営するランナーズ・ウェルネスと日本のトレイルランニング界を切り開いてきたザ・ノース・フェイスがタッグを組むという充実した体制で最初のシーズンを迎えることになります。これからウルトラマラソンが豊かな自然と文化を楽しむ旅の要素を持つスポーツとして、大きく成長するきっかけとなることが期待されます。
今回のシリーズ各大会については、大会を通じてそれぞれの世界遺産、無形文化遺産、ジオパークのプロモーションを行うほか、大会の収益から環境保護保全のための寄付を行うとされています。記者会見の中では「競技としてというよりは市民スポーツとして取り組んでいる」(大会プロデューサー・坂本雄次さん)との説明も。今後はシリーズを通した総合優勝、年代別入賞の表彰や全大会参加者へのサービスも検討する、との構想も示されました。