世界最高峰のトレイルランニング・イベント、UTMB ®︎がさらに挑戦の一歩を踏み出します。UTMB®︎がその大会運営のノウハウを活かして、世界各地に質の高いトレイルランニング大会を開催して行こうというプロジェクトが来年2018年に中国で新しい大会を開催することが発表されました。
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UTMB®︎ InternationalはUTMBの世界に向けた新しい事業戦略
UTMB®︎はスポーツマーケティングを手がける企業、OC Sportと提携したことをすでに発表していましたが、プロジェクトを具体化するために「UTMB®︎ international 」を設立します。この合弁企業は海外の大会主催者と協力してUTMB®︎のブランドを欧州以外にも拡大して行くことが主な事業となります。具体的には欧州以外最大5つの大会について、それぞれの魅力や個性を尊重しつつUTMB®︎の監修のもとで運営されることを示す「by UTMB®︎」というブランドを関することを認める、としています。魅力的な山岳エリアであること、比較的アクセスがしやすいこと、100マイルを含む複数のレースを開催すること、といった要件を満たした大会が、UTMB®︎のアドバイスを活かしながら数年にわたって優れた大会を運営できた場合に北米、アジアなどの地域ごとに一つずつ「by UTMB®︎」ブランドを冠する、というプロセスが想定されています。
第一弾は中国・雲南省開催の「GaoLiGong by UTMB®︎」に
UTMB®︎ Internationalの設立と同時に、2018年3月9日〜11日に中国で開催される「GaoLiGong by UTMB®︎」が最初のUTMB®︎ ブランドを冠する大会となることが発表されました。
この大会を運営する中国の企業「Exploring Xingzhi」は中国でマラソンなどのイベントを開催しており、トレイルランニングにおいてUltra Gobiなどの大会が海外でも知られています。このExploring XingzhiはこれまでUTMB®︎ Internationalの監修を受けていくつかの大会を開催しており、その中の一つがUTMB®︎ ブランドを冠することになります。
「GaoLiGong by UTMB®︎」は2018年3月9日〜11日に中国南部の東シナ海に面する雲南省で開催。160kmで8,400mD+というレース、MGUのほか、RCE (125km, 6,650M+)、THT (55km, 2,350M+)と3つのレースが予定されています。大会のエントリーもまもなく4月28日金曜日に始まります。
UTMB®︎ の挑戦は続く
2003年にスタートしたUTMB®︎ よりも歴史の長い大会はたくさんあり、モンブランをぐるりと一周するコースよりも魅力的な山の中のトレイルも世界にはあることでしょう。にもかかわらず、今日UTMB®︎ が世界最高峰のトレイルランニング大会、事実上の世界選手権と呼ばれるに至ったのは、主催者のたゆまぬ努力とともに、常に先進的な取り組みに挑戦していく姿勢によるものに違いありません。
Ultra-Trail World Tourにおいてはトレイルランニングの盛んな各国で魅力をある大会を築き上げてきた大会が連携するきっかけをUTMB®︎ は作りました。今度はトレイルランニングがこれから普及していく国や地域において、UTMB®︎ のノウハウとブランドを提供していく、というふうに今回の発表を理解できます。
こうした動きをUTMB®︎ によるトレイルランニングの支配とみる向きもあるでしょうが、UTMB®︎ がトレイルランニングの様々なスタンダードを作り出したのも事実。また、UTMB®︎ の運営を通じて様々なノウハウと人材が育っているはずで、それをもとにしたビジネスはノウハウを洗練し、人材に経済的な見返りをもたらし、次世代への継承をスムーズにするに違いありません。
UTMB®︎ の挑戦は中国のようにこれから普及していく国ではもちろんのこと、日本のようにトレイルランニングが広がっている国でも注目を集めることでしょう。そして、UTMB®︎ 以外の大会や団体による試みや挑戦が世界に共有されることを通じて、ある種の競争がこのスポーツの成長を促すことにも期待したいところです。