スカイランニングの世界的なトップ選手がドーピングにより優勝が取り消しとなりました。国際スカイランニング連盟(ISF)は昨日5月11日にクリステル・デワレ Christel Delwalle(フランス)が昨年7月22日のスカイランニング世界選手権として行われたBuff Epic Vertical Kilometerで優勝した際のドーピング検査において結果が陽性であったことを発表しました。この結果としてデワレの優勝を取り消すことと、4ヶ月の競技参加資格停止処分とすることもあわせて発表されました。
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5月8日付のISFの声明文によれば、WADAから今年4月11日にISFに対してクリステル・デワレの検査結果について禁止物質のヘプタミノールが検出されて陽性であったことが通知されました。ISFではアンチ・ドーピング規則に基づき、デワレ本人とマネージャーに検査が陽性であったことと通知し、事情聴取を実施。その結果、「軽度の過失」(Light Degree of Fault)があったとして、5月8日から4ヶ月の資格停止処分とすることを決定しました。また、昨年7月のスカイランニング世界選手権・Buff Epic Vertical Kilometerでの優勝は取り消しとなったため、優勝はラウラ・オルゲ Laura Orgué(スペイン)、準優勝はマイテ・マイオラ Maite Maiora(スペイン)がそれぞれ繰り上がることとなりました。
今回陽性となったヘプタミノールはWADAの禁止物質リストに掲載されている興奮剤の一種で、血流をよくする作用からフランスでは市販されている痔の治療薬に含まれています。Trails Endurance Magazineの記事によればデワレは、2006年の出産の際に重い痔を患って以来治療薬として用いていたものの、禁止物質という認識がなかったとのこと。不注意を反省している、とコメントしています。
クリステル・デワレはフランスでバーティカル・キロメーターを中心に活躍し、バーティカル・キロメーターの女子世界記録を持つトップ選手です。
【追記・クリステル・デワレは11日に開催されたTransvulcania VKにエントリーしていましたが、ISFによる処分が決まった5月8日に出場を辞退していました。お伝えしたようにTransvulcania VKは日本の吉住友里が優勝していますが、吉住はバーティカルキロメーター世界記録保持者との対決のチャンスは逃すかたちとなりました。】