本日深夜12時スタート・期間中のダイジェストはDCで。トランスジャパンアルプスレース Trans Japan Alps Race #TJAR2018

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今日、8月11日土曜日深夜12時に富山湾に面した早月川河口を30人の選手がスタートします。トランスジャパンアルプスレース Trans Japan Alps Race(TJAR)は日本海から太平洋まで、北・中央・南の各アルプスをつなぐ約415km、累積獲得高度27,000mD+を駆け抜けるイベントで、その壮大さが多くのファンを引きつけています。これまでこの大会で四連覇し、前回2016年には4日23時間52分でコースレコードを更新した望月将悟は、山小屋などでの食料補給を控えるという自主ルールに従って参加することを表明。これにより必要な補給を最初から携行していくことからスタート時点の荷重は約15kgという重さになる模様です。

2年に一度のこのビッグイベントをトレイルランニング・ウルトラマラソンのオンラインメディア・DogsorCaravan(ドッグスオアキャラバン)では今年も毎日のレースのダイジェストをお届けします。

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(写真・前回2016年大会の薬師岳にて。Photo by Shimpei Koseki)

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TJARのデイリー・ダイジェストをお送りするのは2014年、2016年に続いて今回で3回目。今回もご好評をいただいているトレイルランニングの写真の第一人者からなるフォトグラファー・チーム(小関信平 Shimpei Koseki後藤武久 Takehisa Goto藤巻翔 Sho Fujimaki茂田羽生 Hao Moda)がコース上で撮影した写真を毎日ご紹介します。

2002年に4人のランナーが参加(完走は1人)して始まったTJARは以後2年に一度開催されており、今回が9回目の開催です。

山岳行の豊富な経験と想像を超えた持久力が求められる夢のイベント

必要な装備を背中に背負って、登山道を走るレース、といっても普通のトレイルランニング・レースとは大きく異なります。TJARを他の大会以上に厳しく、そして魅力的にしている3つのポイントをご紹介しましょう。

1. 壮大・テクニカル・忍耐と多様なコース

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2016年大会の一服劔で朽見太朗。Photo by Kozo

日本海と太平洋の海岸をつなぐ415kmに含まれる日本アルプスは日本を代表する山岳エリアです。北アルプスの劒岳、槍ヶ岳。中央アルプスの木曽駒ヶ岳、空木岳。南アルプスは仙丈ヶ岳から聖岳と、標高3000mに達する日本の屋根をつなぐトレイルを縦走することは、日本の登山愛好家なら誰もが憧れる壮大なものです。同時に険しい岩場、転落すれば命はない危険箇所は数多く、十分な経験なしには命が危険にさらされます。一方、それぞれの山岳エリアは長い舗装路や林道でつながれていて、スタートから劒岳の登山口(馬場島)までは約30km。上高地に下りてから木曽駒ヶ岳の登山口までは70km弱。そして南アルプスを下りて畑薙からフィニッシュまでは80km以上。距離でいえば全行程の4割を占める長い舗装路は忍耐強さも求められます。

2. セルフサポートにこだわったルール

山の中で必要になるものは自分で用意して携行するのはトレイルランニングの特徴ですが、TJARではこのセルフサポートの要素に強くこだわったルールが設けられています。今大会でもエイドステーションは設けられず、前回まで認められていた225km付近の市野瀬のチェックポイントでの家族や友人からのサポート(荷物の受け渡しや)も今回から認めらないこととなりました。市野瀬ではあらかじめ選手自身が宅配便で発送したデポを受け取れるのみとなります。補給について他に認められているのは山小屋や食堂での食事や商店での買い物のみ。さらにレース中の宿泊はテントやツエルトを使った露営のみで、山小屋等での宿泊や仮眠は禁止。このためランナーは露営のための装備(ツエルトやマット、シュラフなど)を携行する必要があります。また、コースのマーキングは一切なされていないため、ランナーは指定されたチェックポイントをつなぐルートを自ら判断して進む必要があります。

3. 参加するまでの長く険しいプロセス

そしてTJARで最も特異なのが、参加者を選ぶプロセスです。参加資格を満たした上で、書類選考、選手選考会、さらに定員を超えた場合は抽選。TJARを目標とすることで、山岳で必要とされる体力や経験、知識を次第に身に付けることもあるかもしれません。

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2016年大会の南アルプス。雲海から昇る朝日を浴びながら進む。Photo by © Takehisa Goto

今回2018年大会に出場する30人

TJARのスタートラインに立つ30人はどの選手も山と走ることの経験を豊富に備えた人たちです。一旦スタートすれば、先頭から最後尾まで次第に差が開いていきますが、コース上では最初から最後まで全てのランナーの存在が際立ちます。

過去の4大会連続で優勝し、前回2016年大会で大会新記録(4日23時間52分)で完走した望月将悟は上記のとおり、行動中に必要な食料や装備を全て携行して途中で外部からの補給を受けないという自主ルールで今回の大会に臨みます。この自主ルールによる携行重量の増加などの負荷を考えると、今回の望月は順位やタイムを離れた自分自身への挑戦がテーマとなりそうです。

今回は初出場が17人と例年よりやや多め、女性出場者はなし、というのが特徴。今回出場する28歳から58歳までの30人は次の通りです(ナンバーカード順)。

  1. 鹿野颯太(28、群馬県)
  2. 細田典匡(34、愛知県)
  3. 吉藤剛(35、神奈川県) 2016年完走
  4. 江口航平(36、京都府) 2016年完走<2014年リタイア>
  5. 佐幸直也(37、徳島県) 2016年、2014年完走
  6. 星加博之(37、東京都)
  7. 中野洋平(37、東京都)
  8. 片野大輔(37 、愛知県)
  9. 柏木寛之(38、埼玉県) 2016年、2014年完走
  10. 及川耕太郎(38、北海道)
  11. 阿部公一(38、東京都)
  12. 原一平(38、東京都)
  13. 垣内康介(39、岐阜県)
  14. 大坪穂高(39、愛知県)
  15. 船橋智(39、神奈川県) 2016年、2014年、2012年、2010年完走
  16. 福山智之(39、奈良県)2012年完走
  17. 近内京太(40、東京都)
  18. 望月将悟(40、静岡県) 2016年、2014年、2012年、2010年完走
  19. 雨宮浩樹(40、岐阜県) 2016年、2014年完走
  20. 石田賢生(41、静岡県) 2016年、2014年完走<2012年、2010年リタイア>
  21. 前田圭紀(42、東京都)
  22. 男澤博樹(45、宮城県) 2016年完走
  23. 高田全希(45、栃木県)
  24. 秋元恒郎(45、埼玉県)
  25. 有吉俊博(47、大阪府)
  26. 岩崎勉(51、大阪府) 2016年、2012年、2006年完走<2014年リタイア>
  27. 高島伸介(52、大阪府)
  28. 古澤法之(53、愛知県)
  29. 岡田泰三(54、神奈川県) 2016年完走
  30. 竹内雅昭(58、福井県)<2016年リタイア>
これも読む
DC Weekly 2023年5月15日 Zegama-Aizkorri、Skyrace des Matheysins、Australia、Snowdonia、Valhöll、比叡山、FTRみなの

TJARのコースと通過予定時刻

TJARのコースの概要は大会ウェブサイトで紹介されています。参考に、2012年大会のコースとしてルートラボ / LatLongLabに公開されているマップはこちら

上記のルートマップをもとに当サイトが作成した主要な通過ポイントと距離等をまとめた一覧は以下の通りです(地図上での通過ポイントの同定は当サイトが行ったほか、2012年大会のトップ通過タイムは大会ウェブサイトの速報をもとに当サイトがまとめたものです)。
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大会中の速報・レポートなど

前回大会と同様に、大会期間中は大会サイトの「選手紹介」のページで各ランナーのチェックポイントの通過状況、本人からの状況報告、応援されている方からの各選手の情報がアップデートされる模様です。

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2016年大会。柏木寛之 (6日20時間56分)が13位でフィニッシュ。Photo by Sho Fujimaki

また同じく大会サイトのTJAR 2018 GPSトラッキングのページでは各ランナーが携帯しているGPS端末から発信される情報をもとに全選手の現在位置がリアルタイムで把握できるマップが掲載される見込みです。当サイトでも上記の大会サイトの情報をもとに毎日のレースのダイジェストをお届けする予定です。

参考

 

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