新型コロナウィルスについてのニュースは大きくなるばかりで、日本ばかりでなくヨーロッパでも大規模なイベントの中止がニュースになっています。国内でも東京マラソンの一般選手のレースの中止(エリート選手は開催)が発表されてから次々に各地のマラソンが中止を発表しています。今回のDC Weeklyはそうした中で開催された国内のトレイルランニング、ウルトラマラソンの結果をお伝えします。そして今週末、ジム・ウォルムズレイ Jim Walmsleyが出場するアメリカのオリンピックマラソン代表選手選考レース、U.S. Olympic Team Trialsについて紹介します。
国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。
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トレイルランニング関連ニュース
- 新型コロナウィルス感染拡大で各地のマラソン大会が中止に:新型コロナウィルスは国内での感染者が各地であらわれるようになり、先週後半には韓国、そしてイタリアでも感染者が急増していると報じられました。ランニング界では2月17日月曜日に東京マラソンが3万8千人が参加予定だった一般参加のレースはキャンセルし、エリート選手のレースのみ開催すると発表。その後、各地のマラソン大会が相次いで中止を発表。当サイトではその状況を記事にまとめて随時更新していますが、現時点では3月前半までに開催予定の大会は軒並み開催見送りを決めています。
- 各地のマラソン大会が雪崩を打ったように中止を決める中、19日にはそうじゃ吉備路マラソンについて開催地の片岡聡一・総社市長が「最大の防御体制を取って開催する」と表明(その後、21日に「この数日で状況が一変した」として中止を発表)。善通寺五岳山空海トレイル(香川県善通寺市)は「21日正午までに四国内で感染者が発生した場合は開催を中止」と予告した上で22日に大会を開催。3月15日に南伊豆トレイルマラソン、4月5日に青梅高水国際トレイルランを予定しているKFCトライアスロンクラブは「地方の大会がそれ(筆者注・東京マラソンの一般参加中止)に右へ倣えするのは如何なものか」として予定通り開催するとしています。
- 国内では3月下旬からトレイルランニングの大会が各地で多数予定されています。市街地に1万人以上のランナーを集めるマラソン大会と、郊外の山のそばで数百人が参加するトレイルランニングの大会では事情は異なるでしょう。ただ、選手にとってはレース中に他の選手に接触して感染するリスクは小さくても、様々な地域から公共交通機関を使って集まる人たちを迎える開催地にとってのリスクはずっと大きいと想像できます。トレイル、スカイランニング、ウルトラでは24時間走の世界選手権代表選考レースとなっている3月14日の神宮外苑24時間チャレンジ・ウルトラマラソン、1200人が参加する3月29日開催予定のハセツネ30K、欧州から世界トップクラスの選手を集めて4月18-19日開催予定のMt. Awa Skyrace、2400人が参加予定で海外からも参加者が多いウルトラトレイル・マウントフジ(4月24-26日)にも影響が及ぶかもしれません。
- イタリアでも新型コロナウィルスの感染者が急増、トレイルの大会が中止に:海外ではイタリア北部のロンバルディア州で感染者数が急増して100人を超えたことが23日に明らかになりました。隣接するリグーリア州フィナーレ・リーグレで3月1日に開催予定だったトレイルランニングの大会、Trail del Marchesatoは当局の命令により大会を中止とすることが23日夜に決まりました。今後の状況によっては北イタリアだけでなく、隣接するフランス、スイスなどで今後開催される大会にも影響が及ぶでしょう。
先週末のイベント
2月22日土曜日- 23日日曜日
小江戸大江戸200k(ロード)
川越と東京を結ぶジャーニートリップをコンセプトに230kmと200km、115kmと90kmの4つのレースが行われました。400人以上が参加した最も参加者の多かった200kmでは廣澤志保(27時間45分)、吉清一博(22時間54分)が男女それぞれトップでフィニッシュ。廣澤は昨年に続いての連覇、2017年とあわせて3度目の優勝でした。 230kmでは佐藤恵里(30時間4分)と中田和彦(25時間41分)。佐藤は2018年の200km女子優勝で昨年の200kmで優勝しています。115kmは昨年2位の飯塚直美(14時間40分)と昨年優勝の赤羽海衆(11時間35分)が制しました。90kmは女子では原直子(10時間32分)が連覇、男子は谷水強(7時間57分)が優勝でした。リザルト速報はこちら(200km、230km、115km、90km)。
2月22日土曜日
三浦半島縦断トレイルラン大会(37k、13k)
三浦海岸から朝比奈小学校(横浜市金沢区)まで三浦半島を北上するトレイルランニング大会は今回が第10回大会でした。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
善通寺五岳山 空海トレイル(45k, 30k, 15k)
香川県善通寺市。弘法大師・空海生誕地とされる善通寺の西側の五つの山15km 1311mD+の周回コースで3回目の大会が開催されました。参加者が最も多かったコース1周のシングルクラスでは谷川延久が大会新記録の1時間38分32秒で優勝(これまでの記録は1時間40分22秒<二川浩司、2018>)。女子は昨年に続いて川井幹子が2時間20分51秒で連覇。2周のダブルクラスは中平安耶が男女総合7位の4時間28分59秒で優勝。こちらも大会新記録でした(これまでの記録は4時間31分1秒<中本逸恵、2018>)。男子優勝は吉川英太郎で4時間08分16秒。男子選手42人が参加し、制限時間以内に8人が完走した3周のトリプルクラスは高濱慶太が6時間02分31秒で制しました。リザルトはこちら。
2月23日日曜日
(中止)石垣島オーシャンビュートレイル(63k, 32k)
沖縄県石垣市。今回が4回目の開催でしたが、大会直前の18日に中止とすることが発表されました。。
今週末開催のイベント
2月28日金曜日 – 3月1日日曜日
(中止)Translantau (100k, 50k, 25k)
香港・ランタオ島で開催の100kmなどのトレイルランニングレースは日本からも多くのランナーが参加する人気の大会ですが、すでにお伝えしている通り、新型コロナウィルスの感染が広がっていることから2月6日に今年の大会を中止とすることを発表しています。
2月29日土曜日
U.S. Olympic Team Trials
今年の東京オリンピックのマラソン競技に出場する米国代表選手を決めるマラソンがアトランタで行われます。よく知られる通り、アメリカの代表選考はこのオリンピック・トライアルズの一本勝負で、男女それぞれ上位3人がオリンピックへのチケットを手にします。出場資格(男子はマラソンで2時間19分またはハーフで64分、女子はマラソンで2時間45分またはハーフで73分)を満たしているのは男子が260人、女子が511人。アメリカのウルトラ&トレイル界で注目されているのはウェスタンステイツで昨年自身の大会記録を更新したジム・ウォルムズレイ Jim Walmsley。トレイルランニングでは世界トップクラスのアスリートとしてその名を知られるウォルムズレイは昨年10月のヒューストン・ハーフマラソンを64分ちょうどを記録して出場資格を得ましたが、フルマラソンを走るのは今週末のオリンピック・トライアルズが初めて。インタビュー記事ではこれまでの日本のマラソン選手の練習記録を参考にしてトップ選手としては異例なほどに距離や時間を重ねる練習を積んできたとのこと。上位3人のオリンピック出場枠に食い込むためのハードルは高そうですが、どんな走りを見せるか注目したいところ。全米にテレビで生中継されるレースは男子が2月29日土曜日午後12時8分(日本時間3月1日日曜日午前2時8分)、女子は午後12時20分(日本時間3月1日日曜日午前2時20分)にスタートします。
3月1日日曜日
Caumsett Park 50K
アメリカ、ニューヨーク州ロングアイランド。一周5kmの周回コースで開催されるロードのウルトラマラソンです。今年もUSATFのロード50k全米選手権となっています。
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