DC Weekly 2020年7月14日 – Sierra-Zinalは8-9月にフリーフォーム形式で開催、先週末は嬬恋スカイラン、ルスツトレイルタイムアタックが開催

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

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トレイルランニング関連ニュース

IAU24時間走アジアオセアニア選手権が中止

IAU(国際ウルトラランナーズ協会)によるウルトラマラソンの選手権大会のうち、7月18-19日にインド・ベンガルールで開催予定だったIAU24時間走アジアオセアニア選手権は大会直前の7月11日に中止とすることが発表されました。5月開催予定だった大会は一旦延期とされていました。次回は2年後の2022年に同じベンガルールで開催する方向で検討される見込みです。IAU関連では5月開催から9月に延期されていた24時間走アメリカ選手権(アルゼンチン)、9月開催予定だった24時間走ヨーロッパ選手権(イタリア)、同じく9月開催予定の100km世界選手権(オランダ)などの中止が決まっています。

スイスの名大会は1カ月間の「フリーフォーム」形式のレースを開催

今年8月9-10日に予定されていたSierra-Zinalはスイスの31kmの山岳コースで 1974年から続く山岳ランニングの名大会で、Golden Trail Seriesの一戦ともなっていました。スイス当局による新型コロナ感染対策のために例年通りの形式での大会はすでに中止が決まっていますが、8月17日から9月18日の一カ月間に「フリーフォーム」形式で大会を開催することとなっています。選手はこの期間中の1日を選んで、その日の早朝にSierraの街のスタート地点へ。スタート地点には一カ月間常設の受付があり、スタートボタンを押して走り始め、31km先のZinalでフィニッシュして計時。タイムは公式のSierra-Zinalのレース完走タイムとして扱われ、完走賞や完走モデルも贈られます。すでに今年の大会にエントリーしている選手だけが参加可能です。途中1箇所に通過タイムの計測ポイントとエイドステーションがおかれ、フィニッシュ地点のZinalからは通常の路線バスに乗ってSierraに戻る、途中でリタイアした場合は路線バスなどで自力で移動し、携帯電話のテキストメッセージでリタイアを報告する、といったルールが決められています。「フリーフォーム」とはいっても毎日選手を受け入れる体制を準備する負担は軽くなさそうですが、何らかの形で大会を開催したいという意思にはリスペクトを感じずにはいられません。

アメリカのNolan’s 14でFKTを更新、サポートなしでサポートありの記録を大幅に上回る

アメリカ・コロラド州のNolan’s 14はサワッチ山脈の14,000フィート以上の14峰を60時間以内でつなぐというチャレンジ。14峰はどのようなコースでつないでもよいことになっていますが、大体距離は95マイルで累積獲得高度は44,000フィートになるとされています。これまでのFKT(最速記録)はサポートありがアレックス・ニコルス Alex Nicholsの46時間48分、サポートなしがジョー・グラント Joe Grantの49時間38分でともに2018年に記録されています。

このNolan’s 14で、今年7月1日から2日にかけてサポートなしで41時間00分という大記録が生まれました。記録を達成したのはユタ州在住の33歳、ジョーイ・カンパネリ Joey Campanelli。ホッケーやサッカーの経験を持つカンパネリは2010年にユタに移ってから冬はスキー、夏はロングトレイルのスルーハイクに打ち込んできた経験の持ち主。これまでの記録を大幅に塗り替えた秘訣としては、何度も何度も試走を繰り返してどのコースを行くべきか念入りに見極めた、とのこと。iRunFarで今回の挑戦の途中経過など、長いインタビューが掲載されています。

金時山、足柄峠側の登山道が大雨で一部崩落して通行止めに

箱根外輪山の一つで神奈川・静岡の県境に位置する金時山(1213m)は当サイトにとっても最も身近な山の一つ。その金時山で北側の足柄峠から続く登山道の山頂から150m手前で100mにわたって斜面が崩落。急斜面に沿って設置されている金属製の階段が12箇所のうち3箇所で流出しているのが12日日曜日に見つかったとのこと。地元の神奈川県南足柄市、静岡県小山町はこのセクションを含む足柄峠から金時山山頂までの登山道を通行止めとし、復旧の目処は今のところ立っていません。金時山に登る登山道では地蔵堂から夕日の滝経由の金太郎ハイキングコースが昨年秋の台風の影響で通行止めが続いています。金時山に登るには箱根側か御殿場側から、という状況が続きそうです。

先週末開催のイベント

7月12日日曜日

嬬恋スカイラン

群馬県嬬恋村。新型コロナウィルス対策として少人数のレースを同じコースで複数回開催してタイム順で順位を決めるというフォーマットをとる新しい大会です。12日は前週に続いて「ノーマル部門」全5回の2回目。昨年までのジャパンシリーズなどで活躍するトップ選手がゲスト参加する中、往復8km 620mD+を1往復する「ショート」、2往復する「ミドル」、3往復する「ロング」の3つのレースが雨でぬかるむコースで行われました。前回と合わせた2回分の総合順位では、ロングは前回トップの星野誉貴 Hoshino Yoshiki、冨澤いずみ Tomizawa Izumiが首位をキープ。ミドルでは2回目トップの小林海仁 Kobayashi Kaito、小林華蓮 Kobayashi Karenが首位に。ショートは1回目トップの小林海仁、土屋和嘉子 Tsuchiya Wakakoがともに首位を守りました。リザルトは大会ウェブサイトから。

Rusutsu Trail Time Attack

北海道・ルスツリゾート。サロモンの監修で昨年オープンした「RUSUTSU TRAIL」を使って今回初開催。三密を避けたスタイルで、10km、5km、山頂までのヒルクライムといったレースが行われました。リザルトはこちら(掲載され次第リンクします)。

Kendall Mountain Run (12マイル、11km)

コロラド州シルバートン。ケンダール山(3,982m)まで登って下りる19kmの登山レース。リザルトはこちら(掲載され次第リンクします)。

今週末開催のイベント

7月17日金曜日 – 19日日曜日

Golden Ring Ultra-Trail 100

ロシア・ウラジーミル州スーズダリ Suzdalで開催。観光地としても知られる「黄金の環」の都市群の一つで古代から中世の教会建築が世界遺産となっている古都をメイン会場とする大会で、107kmのT100というレースが今年初めてUltra-Trail World Tourに加わりました。今年のUTWTのレースは第3戦のTransgrancanariaが3月6日に開催されて以来となります。ただし、今年のUTWTはシリーズのレースの多くがキャンセルされていることから年間シリーズチャンピオンの表彰は行わないことが決まっています。107kmという距離に対して累積獲得高度は771mD+と登り下りはかなり控えめですが、映像などをみるとかなりワイルドなコースのようです。80kmなどあわせて6つのレースがこの週末に予定されています。19日日曜日にはレースの模様のライブ配信も予定されています

(中止)Eiger Ultra Trail (101k / 51k /36k/ 16k)

スイスのグリンデルワルトを拠点にアイガー山麓のトレイルを走るこちらの大会もUltra-Trail World Tourのシリーズ戦ですが今年の大会は中止に。18日土曜日にはグリンデルワルトを会場として20kmのトレイルを時間差を置いて走るイベント、Trail Surprise 2.0が行われます。

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(中止)DoloMyths Run Skyrace

イタリア北部・カナゼイで開催。VK、32km、61kmのレースとともに開催される22kmのレースがGolden Trail Seriesとなっていました。すでにお伝えしているように今年のGolden Trail Seriesはシリーズ戦としてはキャンセルされましたが、Golden Trail Championshipがアソーレス諸島(ポルトガル)で10月29日から11月1日の4日間のステージレースとして開催されます。22カ国について競技人口を考慮して出場枠が設けられ、各国の予選を経てアソーレスに招待されるという枠組み。日本については10月10日のおんたけオールドトレイルズ(大会ウェブサイトでは正式な開催日は未定)の男女それぞれの優勝者が招待枠を獲得することとされています招待枠の選考方法はまだ明らかになっていません。【「おんたけオールドトレイルズ」が中止となったことを受けて日本についての記述を削除しました。20200715】

(中止)Hardrock 100

アメリカ・コロラド州シルバートン。コロラド州南部のサンフアン山脈で開催される100マイルの山岳トレイルランニングレースは140人の出場枠に例年大幅に上回るエントリーを集める人気の大会。残雪が多いコンディションから中止となった昨年に続いて、今年は新型コロナウィルスのために大会は中止となっています。

(中止)Vermont 100

アメリカ北東部、バーモント州で開催される100マイル、100kmのトレイルランニングレース。こちらも今年の大会は中止に。

7月17日金曜日

(中止)富士登山競走(21k/15k)

73回目を迎える予定だった日本の山岳ランニングの伝統ある一戦。開催予定だった東京五輪により例年より早い日程での開催が予定されていましたが、大会は中止に。今年は山梨県側、静岡県側ともに山小屋が休業することなどから、富士山の登山道への立ち入りはしないことが求められています。

7月18日土曜日 – 19日日曜日

(延期)霧島・えびの高原 エクストリームトレイル(63k/30k)

宮崎県えびの市・鹿児島県霧島市、湧水町。新型コロナの影響はありましたが、今年8月22-23日に延期して開催することが決まっており、開催にあたっての感染対策を行うことがアナウンスされています。

(中止)Tahoe Rim Trail 100

アメリカのカリフォルニア州とネバダ州にまたがるタホ湖のネバダ州側、スプーナーレーク州立公園をスタート、フィニッシュとするループ状のコースで開催。今年は中止となっています。

7月18日土曜日

Laugavegur Ultra Trail (55k)

アイスランドで開催される55kmのP2P(Point to Point)形式のトレイルランニングレースは「ロイガヴェーグル・ウルトラトレイル」と読みます。こちらは参加者を4グループに分けてウェーブスタート形式とするといった対策を行ったうえで開催することが発表されています。

7月19日日曜日

牛松山バーティカルレース

京都府亀岡市。標高636mの牛松山山頂をフィニッシュとする2.0km 464mD+のコースで行われます。スカイランニング近畿選手権・VKがあわせて行われ、近畿選手権は一般レースののちに同じコースで計時が行われ、二回分の4.0km 928mD+の合計タイムで争われます。

(中止)大雪山トレイルジャーニー(70k、40k、10k、5k)

北海道遠軽町白滝。「大雪山ウルトラトレイル」から昨年、名称を改めた大会ですが、今年は新型コロナのため中止に。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

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