キリアンは11時間に満たず棄権、24時間走の世界新記録は成らず・プロジェクト「PHANTASM 24」

【追記・「PHANTASM 24」の写真を追加しています。表題写真・© Vegard Breie】世界の目がノルウェーの400mトラックからのライブ配信に集まりましたが、キリアンはリタイア。しかし3人の選手が24時間走を完走しました。

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トレイルランニングや山岳ランニングのトップアスリート、キリアン・ジョルネ が400mトラックで24時間走の世界記録に挑むことで注目されたサロモンのプロジェクト「PHANTASM 24」は11月27日金曜日にノルウェーのマンダレン・スタジアムで開催されました。キリアンのほか、5人の選手が参加して午前11時にスタートしたレースはセバスチャン・コンラッド Sebastian Conrad Håkanssonがリードしてキリアンが続くという展開でした。

家族の応援を受けて24時間走に挑むキリアン。Photo by ©
Vegard Breie

キリアンはスタートからほぼ3時間ちょうどで42kmに達し、すっかり暗くなったのちに7時間23分で100kmに到達しました。しかし、スタートから9時間を過ぎる頃からややペースダウン。400mのラップタイムでそれまで1分50秒前後だったところが2分を超えるように。そしてスタートから134.80kmを走って338周目に入った10時間24分ごろ、コース上で突然立ち止まります。キリアンによればこの時、二度にわたって胸に強い痛みを感じてめまいがしたとのこと。このあと大会会場で医療チームの判断によりキリアンは病院へ。検査と経過観察で朝まで病院で過ごすこととなりました。現時点では健康状態に問題はない模様です。

PHANTASM 24がスタート。Photo by © Haavard Dalen

キリアンがリタイアしたのちも5人の選手がレースを継続。リードしていたコンラッドは100マイルを過ぎた12時間46分、161.20kmで棄権。トレイルランニングでも活躍しているディドリク・ヘルマンセン は17時間46分、174.80kmに達したところでリタイア。残る三選手が24時間を完走し、ハラルド・ビヨルク Harald Bjerkeが232.28kmで優勝、ジョー・インゲ・ノーラム Jo Inge Norumが219.45km、シーメン・ホルビック Simen Holvikが208.13kmで続きました(記録の詳細はこちらから)。

Photo by © Haavard Dalen

Photo by © Haavard Dalen

Photo by © joakimdokka

Photo by © joakimdokka

24時間を完走した三選手。優勝のコンラッド(中)、2位のビヨルク(左)、3位のノーラム。サロモンによるライブ配信より。

24時間を完走した三選手。優勝のコンラッド(中)、2位のビヨルク(左)、3位のノーラム。サロモンによるライブ配信より。

今回の「PHANTASM 24」はYouTubeなどで最初から最後までライブ配信が行われ、世界中からファンがレースの模様を見守りました。キリアンはヤニス・クーロス Yiannis Kouros(ギリシャ)による1997年の世界記録、303.506kmにどこまで迫れるかが注目されていました。クーロスが世界新記録を出した際のラップタイムと比べると、フルマラソンではクーロスが2時間59分59秒で今回のキリアンとほぼ同じですが、100kmではクーロスが7時間15分でキリアンは7時間23分(クーロスのラップタイムはUltraRunningHistory.comより)。やはり、クーロスの23年にわたる記録は偉大でした。そのクーロスはCanadian Running誌によれば、今回のキリアンの挑戦についてシューズ・ドーピングに当たるのではないか、との懸念を示していたといいます(懸念を示したとされるクーロスのFacebookページへの投稿はその後削除された模様)。ただ、キリアンが今回履いた新たに開発された「S/LAB Phantasm」はWAやIAUの規制をクリアし、品薄ではあるもののすでに販売もされていて、クーロスの懸念にはおよばないと思われます。

寒さが増して新型コロナウィルスの脅威が増す中で、キリアンが山ではなくトラックで挑戦した今回の「PHANTASM 24」。キリアンにはやはり山が似合うと思いますが、夜の闇の中でトラックを黙々と走り続ける姿には他の選手にはない鬼気迫る雰囲気を感じました。キリアンは24時間走には興味を失っていないとコメントしており、きっと再び挑戦する日が来ることでしょう。

 

It didn’t go as I thought. I was expecting to enter that pain zone to push my body but I broke in another way.
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First of all I want to say a big thanks to all the people who make this event happen. I had this idea to explore my body on a run and they’ve been doing everything to make it possible.it was not easy, weather conditions and different situations had make it very hard to organize and all of you have done an exceptional work. From @ to coordinate all from the distance, thanks @blaroque, @dejeyf and all the design team to work so hard on developing the phantasm . Kristin and all the people from @moonvalleyrunfestival to organize a fantastic event with all the difficulties 🙏. The @lymbus_life team, to make possible an idea in such a short time and be there all the times! @aitorviribaymorales for all the work, I’ve been learning so much this last weeks! and of course @tinaemelie to be always there when the bad mood from injuries and making time from my long runs❤️…Thanks to all of you.
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The started well, went all normal, with its small ups and downs, some small but normal pains, but as planned until just after 10h when I suddenly felt 2 consecutive sharp oppression pain in my chest. I got very dizzy and get medical attention, thanks to the doctor who was in the race (sorry I forget your name) for your help 🙏 the ambulance took me to the hospital where I’ve been doing tests and in observation this night. All seems ok now! No big problems but will be good to do some further tests.
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Congrats to @sebconrad to brake the Norwegian records of 100km, 100miles, 12h 👊 great run, it was a pleasure to run with you! And well done to @simenholvik , @harald.bjerke and @ultrapower_runner to finish the 24h 👏
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Now I will take a break, try to rest a bit. Racing is unpredictable, sometimes even with great preparation things happen, but races and mountains will still be there :)

Posted by Kilian Jornet on Saturday, November 28, 2020

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