Amazfit T-Rex Pro レビュー:2万円台でGPSモード40時間、10ATM防水、スポーツ向け機能満載はお得感がある

Amazfitはスマートウォッチの新モデル、Amazfit T-Rex Proを3月23日に発表し、世界同時発売を開始しました。日本においても日本正規代理店のAmazfit楽天公式ストアなどで28,800円(税込)で販売が始まっています。

最近だとフィットネス関連の基本機能が充実してコスパが高いスマートウォッチ、GTS 2 Miniが印象的でした。今回の新作、T-Rex Proは70℃の灼熱、-40℃の酷寒をはじめ、多湿や塩分を含んだ潮風といったハードな条件での15種類のミリタリーグレード・テストに合格しているというタフなアウトドア仕様のスマートウォッチ。

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今回も当サイトではAmazfitからレビュー用に製品を提供していただいたので、T-Rex Proの実力をチェックしてみました。

Amazfit T-Rex Pro。AMOLEDのディスプレイはスマートフォンを見慣れた目には鮮やかで見やすい。

Amazfit T-Rex Pro。AMOLEDのディスプレイはスマートフォンを見慣れた目には鮮やかで見やすい。

GPSモードでバッテリーが40時間持続、防水機能は10ATMに強化

スポーツウォッチとしてのT-Rexの最大のアピールポイントは強化されたバッテリー。ランニングなどのアクティビティを記録するGPSモードでは連続40時間持続。GPS信号の受信頻度を下げずに稼働する時間としては、競合製品と比べてもかなり長い製品の一つとなっています。ちなみにAmazfitのアウトドア向け先行モデルで昨年発売されたT-Rexでは20時間でした。このほか、T-Rex Proのバッテリー駆動時間は標準使用で18日間、アクティビティの記録を週3時間程度のハードな使用では9日間。ただし、他のAmazfitと同様にウォッチフェイスの常時表示をオンにするとバッテリー消費は早まります。実際に常時表示をオンにして、ランニングを週11時間程度と想定を上回る条件で試してみると、バッテリーが持つのは満充電から4、5日という印象でした。

そして防水機能は水深100メートルに相当する10ATM。スポーツウォッチでは5ATMということが多いですが、10ATMはサーフィンのようなマリンスポーツでも安心なレベル。トレイルランニングをはじめとする本格的なアウトドアスポーツに本格的に活用できます。

その他の多くの機能がこの1年間のAmazfitの先行モデルにキャッチアップ

Amazfitのタフネス系スマートウォッチとしては昨年初めにAmazfit T-Rexがリリースされていて(当サイトのレビューはこちら)、そのモデル名からも今回のT-Rex Proはアップグレードモデルという位置付け。外観こそ大きく変わっていませんが、目玉となるバッテリーと防水機能の強化のほかにも多くの機能が加えられています。それらの多くは昨年発売されたAmazfitのGTR 2/GTS 2、GTR 2e/GTS 2eに投入された機能です。

まず、ケース裏側に配置された光学センサーはSpO2(血中酸素飽和濃度)やHRV(心拍数変動)に対応したBioTracker™ 2 PPGセンサーを搭載。センサー類はT-Rexが備えていた3軸加速度センサー、地磁気センサー、環境光センサーに加えて3軸ジャイロスコープセンサーと気圧高度計が加わりました(気圧高度計センサーのためにケース裏側に小さな穴も設けられています)。GNSSはT-RexのGPS+GLONASSだけでなく、+Galileo、GPS+BeiDouにも切り替えられるようになっています。

SpO2(血中酸素飽和濃度)の計測に対応(左)、GPSに加えてGlonass、Galileo、Baiduのいずれかを組み合わせて位置情報の精度を高められる。

SpO2(血中酸素飽和濃度)の計測に対応(左)、GPSに加えてGlonass、Galileo、Baiduのいずれかを組み合わせて位置情報の精度を高められる。

ただ、その他の外見やデザインについては昨年発売のT-Rexからほとんど変更はありません。サイズは47.7 x 47.7 x 13.5 mmで同じ、ストラップ込みの重量はT-Rexの58gに対してT-Rex Proは59.4g。ディスプレイは鮮やかな発色の1.3インチAMOLEDで解像度は360 x 360ピクセルという点は同じ。バッテリーも持続時間がT-Rex Proの方がずっと長いにもかかわらず、スペック上は同じ390mAhとなっています。

左・グリーンのT-RexとブルーのT-Rex Proのデザインはほぼ同じ。右・重ねておいてみたがサイズも同じ。一番下に置いたのはGarmin fenix 6X。

左・グリーンのT-RexとブルーのT-Rex Proのデザインはほぼ同じ。右・重ねておいてみたがサイズも同じ。一番下に置いたのはGarmin fenix 6X。

ケースやストラップのデザインもほとんど同じ。ただバンドはどちらもシリコンラバーながらT-Rexが伸び縮みしやすいのに対し、T-Rex Proはよりしっかりした感じ。尾錠で留めるのに伸び縮みしやすいT-Rexのバンドはちょっと違和感があったのでこれは改善点。あと、ケース裏側はT-Rex Proはセンサーが新しくなったことから、センサー類の配置が変更されています。そのほかでは、T-Rex Proのベゼルは金属溶射が施されているとのことで、金属らしい光沢があります。

スポーツウォッチとしての機能がしっかり盛り込まれている!

フィットネス関連の機能は24時間の心拍数や心拍数変動のモニタリング、睡眠のトラッキング、PAI(Personal Activity Intelligence、心拍数やアクティビティの記録を元に一定のアルゴリズムで算出される健康評価の指標)といったAmazfitのスマートウォッチでは定評のある評価システムを備えます。

左・Amazfitの提案する健康評価の指標、PAIを常に手元で確認できる。右・常時心拍数の変動をモニタリング。

左・Amazfitの提案する健康評価の指標、PAIを常に手元で確認できる。右・常時心拍数の変動をモニタリング。

ですが、T-Rex Proにはスポーツウォッチとしてさらに豊富な機能が盛り込まれています。

まず「FirstBeat™アルゴリズム」というスポーツなどのアクティビティとそれに対する身体の状態を把握する機能を備えます。メニュー表示から選択できる「ワークアウト状態」というアプリを開くと、ウォッチが計測するデータから数値化された次のデータをみることができます。

  • トレーニングの負荷:過去7日間のアクティビティについて身体にかかった負荷を数字で評価。トレーニング不足やオーバートレーニングを客観的に把握できる。
  • 完全回復時間:これまでのアクティビティにより身体にかかった負荷を元に、完全にリフレッシュするまでの時間を提示。
  • VO2MAX(最大酸素摂取量)
メニューの「ワークアウト状態」からスポーツ関連のデータを表示。心拍数などの一次データを元にアルゴリズムで2次データを算出して、ユーザーに意味を読み取りやすくしている。

メニューの「ワークアウト状態」からスポーツ関連のデータを表示。心拍数などの一次データを元にアルゴリズムで2次データを算出して、ユーザーに意味を読み取りやすくしている。

ExerSense™️ 運動認識アルゴリズム」はウォーキング、ランニングなど8つのアクティビティのうち、あらかじめ選択したアクティビティについて、一定時間継続するとその運動モードが自動的にバックグラウンドで起動してアクティビティを記録するという機能。通勤や日常的な移動のために歩いたり自転車に乗ったり、あるいは空き時間にこまめにトレッドミルで歩くのを自動的に記録します(この機能は昨年発売されたGTR 2e / GTS 2eにもありました)。

「運動検出」で自動に検出するアクティビティを指定できる。ウォッチがその動作からアクティビティを検知して記録し始めると右のように6時のところに表示が現れる。

「運動検出」で自動に検出するアクティビティを指定できる。ウォッチがその動作からアクティビティを検知して記録し始めると右のように6時のところに表示が現れる。

気圧高度センサーを使った「気圧高度計」アプリも備えます。高度は気圧データで一旦算出し、後にGPSデータで校正されるようになっています。

さらにアクティビティ中やその記録についての機能も充実。屋外ランニング、トレイルランニングの運動中のアシスタント機能をみると、「ピッチアシスタント」は1分あたりのBPMと何回毎に知らせるかを設定します。「Virtual Rabbit」はあらかじめ設定したペースをどれだけ上回っているか、あるいは下回っているかをディスプレイで表示する機能。

左から気圧高度計、Virtual Rabbit、ピッチアシスタントの各機能。

左から気圧高度計、Virtual Rabbit、ピッチアシスタントの各機能。

さらにアクティビティの目標を距離や消費カロリー、さらには運動効果(有酸素、無酸素)で設定したり、オートラップやオートポーズ(立ち止まった場合だけでなく、設定したペースを下回った場合に一時停止と認識するよう設定可能)も設定可能。

アクティビティに関連する機能はGTR 2などと比べても細かい設定が可能。オートラップに関連する設定は「自動分段」のように日本語としてはあまり馴染みのない訳語もみられる。

アクティビティに関連する機能はGTR 2などと比べても細かい設定が可能。オートラップに関連する設定は「自動分段」のように日本語としてはあまり馴染みのない訳語もみられる。

運動中の通知機能は安全な心拍数の上限を超えた場合の通知、心拍ゾーンの通知、一定距離毎の通知、ペースやピッチが設定した上限・下限を超えた場合の通知、さらにはあらかじめ設定した時間、消費カロリー、距離または時間毎の水分補給・エネルギー摂取、折り返しと細かい項目が並んでいます。

アクティビティ中のリマインダーもあれこれ設定可能。

アクティビティ中のリマインダーもあれこれ設定可能。

アクティビティ中のディスプレイに表示する項目のカスタマイズについては、一画面に表示する項目を3項目から6項目まで選択可能。ランニングの場合は8項目が表示されるので、設定した項目数でページが分かれます。

ランニング中に表示する項目数を6つに設定したところ。スクリーンの一枚目に6項目表示され、二枚目に残りの 2項目が表示されている。

ランニング中に表示する項目数を6つに設定したところ。スクリーンの一枚目に6項目表示され、二枚目に残りの 2項目が表示されている。

スクリーンには心拍数、標高などの推移をグラフで表示可能。ラップは設定した距離(例えば1km)ごとのオートラップは「自動で1」のように表示。Backボタンで手動でラップを取ると写真のように「手動で1」と表示されていた。

スクリーンには心拍数、標高などの推移をグラフで表示可能。ラップは設定した距離(例えば1km)ごとのオートラップは「自動で1」のように表示。Backボタンで手動でラップを取ると写真のように「手動で1」と表示されていた。

あと、「3Dデータモード」のオン・オフを設定できます。これについては「実際のルートの二次元距離と高度および鉛直高さの変化に基づいて移動距離がより正確に計測されます」との説明があります。距離の計測に高度の差が反映されるのは当然と思っていましたが、T-Rex Proではこの機能をオンにする必要があるようです。

アクティビティの途中で一時停止すると、エクササイズのリマインダーなどの設定を切り替えることができる。

アクティビティの途中で一時停止すると、エクササイズのリマインダーなどの設定を切り替えることができる。

40時間充電なしでランニングのログを取れるスポーツGPSウォッチとしてはお買い得感が高い

昨年発売の無印T-Rexとほとんど見た目が変わらないT-Rex Proは、GPSモードで最大40時間というバッテリー駆動時間と10ATMの防水性能をアピールするAmazfitのアウトドアスポーツウォッチのアップグレードモデルです。その他の機能はSpO2に対応したりと、Amazfitが昨年発売したスマートウォッチの新機能を取り込んでキャッチアップしただけ、、のように最初は思いました。

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実際には手に取って操作してみると、T-Rex Proにはスポーツウォッチとしての機能がかなり追加されていることに気づきました。さまざまな設定が可能なリマインダー機能については、実際に使うかどうかちょっと悩むものもありますがスポーツウォッチの最新モデルとして機能を広げていることがわかります。

競合のもっと効果な製品に比べれば、Amazfit T-Rex Proは外装の質感とか機能面で及ばないところがあるのはもちろんです。でも100マイルのトレイルランニングにも対応したスポーツGPSウォッチが28,800円(税込)というのは他にはないコストパフォーマンスの高さです。本当に自分が必要な機能は何か、と改めて考えたらT-Rex Proが選択肢に入ってくるアスリートも少なくないのでは、と思いました。

 

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