これはAmazfitの強みがよく現れているスマートウォッチです。
Amazfit GTS 2 Miniは当サイトでも先日レビューしたGTS 2の「ミニ」という位置付けで、お値段もGTS 2が29,800円に対してGTS 2 Miniは16,800円とぐっとお手ごろになっています(日本総代理店アースリボーンのECサイトでの販売価格)。
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機能面では上位のGTS 2やさらにその後発売されたGTS 2e(こちらも近日レビュー予定です)と比べてスペックダウンしているところがないわけではありません。しかし、心拍やSpO2(血中飽和酸素濃度)、睡眠などのフィットネス関連の機能やランニングやウォーキングなどを記録する機能については上位モデルから何も譲っていません。
スマートウォッチに求めるのはフィットネスとスポーツだと考える人にとって、Amazfit GTS 2 Mini非常にコスパの高いモデルです。
このレビューはAmazfitからレビュー用の製品を提供していただいて執筆しています。
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軽くて薄いのは正義、身につけていてストレスがない
Amazfit GTS 2 Miniのスペックをみると、重さは19.5gでケースの厚みは8.95mm。GTS 2よりも一回り小さく軽くなっています。

左からApple Watch (40mm)、Amazfit GTS 2 Mini、同GTS2。デザインは似ているが中央のGTS 2 Miniは一回り小さい。

下からApple Watch (40mm)、Amazfit GTS 2 Mini、同GTS 2。横から見てもGTS 2 Miniが一回り小さいのがわかる。

AMOLEDのディスプレイは鮮明で見やすい。
外観ではディスプレイが2.5Dのガラスでケースの周りはアルミ合金で、裏側はプラスチック。デザインはうまくまとまっていてチープさは感じさせません。ケースの右側にボタンが一つあり、プッシュでアプリの選択画面、長押しで指定したアプリ(デフォルトは「運動」アプリ)。タッチスクリーンとなっており、操作はAmazfitの他のモデルと同様で直感的でわかりやすくなっています。

上位機のGTS 2は3Dディスプレイを使っていて、ケースとディスプレイの一体感が高い。

GTS 2 Miniは2.5Dディスプレイで、横からみると確かに上位機のGTS 2との差は明らか。

設定アプリから「文字盤を消灯」の設定を変更できる。スマートモードは睡眠中やウオッチを外した時に自動的に画面が消灯される。

手首を返したり、画面をタッチしたりボタンを押したりすると画面が点灯するが一定時間が経過すると消灯する。消灯までの時間を最長15秒まで変更できる。
実際に腕につけてみると、軽さ、そして何よりもケースが薄いのが気に入りました。手持ちのスマートウォッチと比べると四角いディスプレイの大きさはApple Watchの40mmと同じくらいですが、軽さと薄さではGTS 2 Miniが上回っています。この点はかなり大きなアドバンテージだと感じました。
心拍、SpO2、睡眠などのフィットネス関連のトラッキング機能は上位モデルに引けをとらない
健康を管理するフィットネス関連の機能については、上位モデルのGTS 2からダウングレードされているところは見当たりません。歩数、消費カロリー量、移動距離といったベーシックなデータに加えて、ウォッチの裏側についたBioTracker™ 2 PPGセンサーによる24時間の心拍数モニタリングやSpO2(血中飽和酸素濃度)の計測、睡眠のトラッキングが可能。

心拍数をリアルタイムでトラッキングしている。

歩数、エクササイズの時間、カロリーなどをカウントしている、これらについて1日の目標のアクティビティ量も設定できる。

SpO2(血中飽和酸素濃度)の計測も可能。

直前の睡眠時間のほか、最近の睡眠のトレンドも把握できる。

心拍数などからアルゴリズムで算出されるストレスの値もトラッキングできる。

フィットネスに関する情報をどう解釈して生活に反映させればよいか?スマホのZeppアプリでは数字の解釈やアドバイスも提供されている。
このほか、女性の月経周期をトラッキングして将来の周期を予測する機能も備えています。
ランニングなどの運動のログを残す機能も上位モデルと同様に充実
スポーツアクティビティの記録を残す機能もGTS 2とほぼ同じ。スポーツの種類として選べるのが、GTS 2の90種類に対してGTS 2 Miniは70種類となりますが、ランニングやサイクリング、トレイルランニングといった主なスポーツがカバーされていることには変わりがありません。
運動中のディスプレイ表示や運動終了後のサマリー表示、スマホの「Zepp」アプリでの表示については、以前レビューしたT-RexやGTS 2とほぼ同じ。GPSセンサーも内蔵しているのでGTS 2 Mini単体でランニングなどのコースのログを残すことができ、「Zepp」アプリからStravaなどの外部サービスにデータを自動で連携させたり、GPX形式のファイルとしてそのほかの地図サービスなどで利用することもできます。

ランニングを始める前にGPSの信号を受信するよう促される。信号の受信はスムーズで、特に何度も同じところから出発するような場合はほとんど待たされることはなかった。

一時停止にして、アクティビティ中のディスプレイ表記を紹介。

上にフリックすると心拍数などのデータがグラフで表示される。

アクティビティ中の表示項目はウォッチだけで変更することが可能。

左からT-Rex、GTS 2、GTS 2 Mini。GTS 2 Miniは道路にほぼピッタリ追従している。
GTS 2 Miniで使えない機能もある
以上、フィットネスとスポーツ関係の機能は充実しているのですが、もちろんGTS 2 Miniが備えていない機能もあります。
例えばApple WatchやFitbit、Garminなどの上位機種に比べるとSuicaのようなNFCを用いたタッチレス決済の機能や、メールやメッセージアプリに返信する機能、サードパーティのアプリをインストールする機能はありません。ただ、こうした外部のサービスやプラットフォームと連携する機能を備えたスマートウォッチとGTS 2 Miniとはお値段が違います。GTS 2 MiniならApple Watchの3分の1のお値段で上記のような機能を備えているというのは大きな魅力です。
Amazfitの上位機種であるGTS 2との比較では、GTS 2の特長である音声で機能を呼び出すオフライン・ボイスコントロールやAmazon Alexaは備えていません。これに関係して、GTS 2が備えるスピーカーとマイクをGTS 2 Miniは持っていません。このほか、GTS 2では内部に3GBのメモリーを備えていて、そこにスマホの「Zepp」アプリから音楽をコピーして保存しておき、ウォッチ単体で音楽を聴ける機能がありましたが、これもGTS 2 Miniにはない機能です(ただし、スマートフォンで音楽などを再生している場合に、ウォッチから停止したり先送りしたりする機能はあります)。
一方、GTS 2にはなく、GTS 2 Miniが備える機能もあります。例えば仕事や勉強の時間を一定時間毎に区切って休憩を促すポモドーロ時計、リラックスするために深呼吸を促す呼吸訓練、ウォッチから無線でスマホのカメラのシャッターを押すBluetoothカメラなどのアプリをGTS 2 Miniは備えています(今後、これらのアプリはGTS 2などでもファームウェアアップデートを通じて利用できるかもしれません)。

25分の仕事と5分の休憩を繰り返す、というポモドーロテクニックを実践できるタイマー機能が使える。

スマートフォンのカメラのシャッターをワイヤレスで押せる。

深呼吸を繰り返すことでリラックスを促す「呼吸訓練」アプリ。
まとめ:スマートウォッチといっても使う機能は限られるという人にはかなりコスパの高いモデル
以上、AmazfitのGTS 2 Miniをレビューしましたが、機能とデザイン、そして価格のバランスが取れたモデルだと感じます。すでに他のスマートウォッチを使っている人からみても、これなら乗り換えようとか、家族や友人に勧めたいと感じる場合があるのではないでしょうか。

Amazfit GTS 2 Mini
スマートウォッチは年々新しい機能が盛り込まれているまだ進化途上のジャンルです。新機能には生活がグッと便利になる機能もありますが、まだそこまでいかないと感じることも少なくないのではないでしょうか。そうした中では心拍や睡眠、最近注目されるSpO2といった健康に関するデータを常にトラッキングするとか、ランニングの記録を確実に蓄積していくといった基本的な機能がしっかりしていればそれで十分という場合も多いはず。そんな場合にはGTS 2 Miniがお手頃な選択肢になるでしょう。
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