トレイルランナーの可能性を押し拡げるヘッドライトを作る・Ledlenser新NEOシリーズ、製品マネージャーインタビュー

今春、Ledlenserは600ルーメンで5時間、200ルーメンで12時間照射可能な「NEO9R」をはじめとするトレイルランニングに適したヘッドライトからなる「NEOシリーズ」を発表しました。新しいNEOシリーズは日本国内では4月1日に公式オンラインストアで注文受付開始となりました。DogsorCaravanでも新しいNEOシリーズのレビュー記事をお届けしました。

レビュー ・Ledlenserの新NEOシリーズはクラス最高レベルの大光量とシンプルなデザインが美しい

2022.04.01

この新しいNEOシリーズの発売にあわせて、当サイトではLedlenserドイツ本社のプロダクト・マネージャー、フィリップ・エルスナー Philipp Elsnerさんにインタビューしました。

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新製品を開発する上でのポイントや、作る自分たちが納得できる製品に仕上げるというものづくりのこだわりについてお話しを聞きました。

新NEOシリーズは光学設計を一新、新型の専用充電池を導入して機能のバランスをさらに高めた

DogsorCaravan 岩佐(以下、DC):Ledlenserではトレイルランニングに適したヘッドランプのNEOシリーズに今春、新しい製品を発売されました。今回の新しいNEOシリーズの特徴について教えてください。

「新しいNEOシリーズは4つの製品で構成されます。いずれも発光部が小型で、ランニングをはじめとする素早い動作のともなうスポーツに適したモデルとして開発されました。共通するのは光学設計を刷新した点です。ランナーの目の前を明るく照射するのはもちろん、その左右にも滑らかに光を広げるように設計しています。(中央に集光する)スポットライトと(広い範囲を照射する)フラッドライトを分離して配置し、ランニング中に必要な視界を確保します。小型のNEO1Rはスポットライトとフラッドライトを組み合わせた一つのライトを使用しています。」

今回発売されたLedlenserの新しいNEOシリーズ。左上がNEO9R、左下がNEO5R、右上がNEO3、右下がNEO1R。

DC:新しいNEOシリーズでは専用のリチウムイオン充電池パックが導入された点が大きな変更点だと思います(注・新製品のうち、NEO3はアルカリ乾電池を使用)。そのメリットについて聞かせてください。

「最上位モデルのNEO9Rでは、2本のリチウムイオンバッテリーが搭載された専用の充電池パックを採用しています。このモデルでは、前後の重さのバランスが整えられた設計をしています。また、求められる性能(明るさや持続時間)を保持しながら、コンパクトで軽量であるためのバランスも考慮しています。」

「NEO9Rの充電池パックには、ランナーの安全を守る認識灯にもなる赤色LEDのバッテリーインジケーターが、コンパクトに搭載されています。この赤色LEDはNEO5RやNEO3にも搭載されています。NEO1Rのバッテリーと赤色LEDは、フロント部分に搭載されています。」

NEO9Rは左側のライトと右側のバッテリーがケーブルとコネクタでつながっている。

NEO9Rのバッテリーを取り外したところ。スペアとなる別売りの専用充電池の発売も予定されている。

マグネット充電端子で充電中。バッテリーのライトが緑色に変われば充電完了。このライトはヘッドライト点灯中は赤色で点滅する。

新NEOシリーズは新しい発想で研究開発に取り組んだ成果

DC:新しいNEOシリーズを手に取るとデザインがシンプルで美しいことに気づきます。光量、バッテリーともに最上位のNEO9Rであっても手のひらにスッキリ収まるコンパクトさです。

フィリップ・エルスナー Philipp Elsnerさん(Ledlenser アウトドア・スポーツ製品プロダクトマネージャー)

フィリップ・エルスナー Philipp Elsnerさん(Ledlenser アウトドア・スポーツ製品プロダクトマネージャー)

「ここでも重さとパフォーマンスのバランスに苦心し、最適なバランスを求めて研究を重ねました。バッテリーの容量を高めつつも快適に装着できるのはどんな組み合わせか。プロのアスリートの協力を得て、長い時間をかけて調べたのです。」

「私たちの『あるべき姿を追求する』姿勢も新NEOシリーズには反映されています。例えば磁石でピタッと接続して充電する仕組みもその一つです。これまでとは違う発想とデザインを採用し、ケーブルの端子をバッテリーパックの外側の接続部にマグネットで接着することにしたのです。」

「私たちのユニークな研究や開発を通じて、トレイルランナーの皆さんに愛用していただける製品とすることができました。」

自分たちが使ってみたいものを形にするのがLedlenserのものづくり

DC:Ledlenserではどのようなチームで今回の新しいNEOシリーズを開発されたのですか?

「デザイナー、エンジニアといった開発チームのメンバーはみんなランニングを楽しんでいる人たちです。単に仕事だからヘッドランプを作っているのではなく、自分たちが使いたいと思える製品にすることにこだわっています。」

「光学設計担当のエンジニアは自らトレイルを走ってみました。『わかった、身の回りに何があるか見えるだけでなく、走っていく先の方まで見えるコンセプトが必要だ。』今回発表された製品の光学システムはこうして始まりました。」

LEDライトの先駆者として20年、Ledlenserが大事にしている姿勢とは

DC:Ledlenserはドイツに本拠をおくメーカーですね。ものづくりの背景にある会社の歴史を教えていただけますか。

「Ledlenserは二人の兄弟が作った会社です。やがてLEDを使ってフラッシュライトを作ろうと思い立ち、2000年に製品化します。このLEDフラッシュライトは大反響を呼びました。」

「創業者の二人が努力家だったというだけでなく、今必要とされているものは何か、それをどうすれば作れるかを見通していたのです。今日の成功につながったのは単に事業のチャンスを探していたからではなく、LEDフラッシュライトが素晴らしい製品だと見抜いていたから。前向きな考え方、クリエイティブであること、製品を優れたものにすること。今もLedlenserの社内ではこうした姿勢が共有されています。」

ヘッドライトを通じてランナーが自らの世界を広げることを後押しする

DC:グザビエ・テベナール Xavier ThevenardがLedlenserのアンバサダーになったことが、今年話題になりました。

「トレイルランニングの世界トップクラスの選手であるグザビエとチームを組むことができたのは、素晴らしいことです。トレイルランニングは非常に過酷なスポーツ。その装備には性能はもちろん快適さや信頼性で非常に高い水準を満たす必要があります。高いレベルの製品を作ることは私たちのやる気をかき立て、開発プロセスを加速し、結果としてランナーがもう一歩前に踏み出すことを可能にします。私たちは過酷なスポーツに挑戦する人たちを後押しできることを嬉しく思います。グザビエはそんな私たちにはぴったりくるアスリートです。」

DC:最後に、日本のトレイルランニング・ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

「トレイルランニングが世界各地で、そして日本でも人気を広げていることを嬉しく思います。日本では小川壮太選手をアンバサダーに迎えています。『走りに出かけよう、Ledlenserとともに走れば夜はより自由になる。』小川選手はそんな私たちのメッセージを広げるのにぴったりです。皆さんが愛するスポーツを楽しむのをLedlenserはこれからもサポートします。」

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