SUMMIT VECTIV PROは前モデルのアップデートを超えた完成度の高いトレイルランニングシューズ【THE NORTH FACE】【レビュー】

THE NORTH FACEは2月1日に「VECTIV 2.0 テクノロジー」を使用した「SUMMIT VECTIV PROウィメンズメンズ)」など4つのトレイルランニング・シューズを発売しました。第一報は当サイトでもお伝えしましたが「SUMMIT VECTIV PRO」のサンプルが手元に届いたので、じっくり観察してみました。内蔵のカーボンプレートの反発力とクッション性、フィット感のバランスが高まったシューズへと進化していることがわかりました。トレイルランニングファンであれば一度は手にとって試してみたい一足、今シーズンのベスト・トレイルランニングシューズの最有力候補といえます。

Sponsored link


サミットベクティブプロ(メンズ)

サミットベクティブプロ(メンズ)

ウィメンズサミットベクティブプロ(レディース)

ウィメンズサミットベクティブプロ(レディース)

2年前に登場したVECTIV

THE NORTH FACEがミッドソールに湾曲したロッカー構造を採用したVECTIVシリーズを発売したのは2年前でした。中でも「Flight VECTIV」はソールに3Dカーボンプレートを採用したトップモデルとして話題になりました。

当サイトでも「Flight VECTIV」をレビューしましたが、3Dカーボンプレートの反発力は驚きの体験でした。ただ、アベレージレベルのランナーである筆者にとって、トップレベルのアスリートのためのプレミアムな「Flight VECTIV」には敷居の高さも感じました。カーボンプレートの威力を引き出すためかミッドソールのクッションはやや控えめ、アッパーは薄手でフィット感はあるものの長時間のランニングをするとちょっとタイトな気がしたものです。

それから2年の時を経て登場するのが「SUMMIT VECTIV PRO」となります。「VECTIV 2.0 テクノロジー」によりアップデートされたという新モデルはどんなシューズとなっているのでしょうか。

新素材とボリュームを増したミッドソールでクッション性が高まって快適に

「SUMMIT VECTIV PRO」に足を入れると、ロッカー構造のソールにスムーズな重心移動へと導かれ、着地から蹴り出しではカーボンプレートが気持ちよく反発して前へ進む感覚がします。これは前モデルの「Flight VECTIV」譲りの特徴です。

つま先からかかとまで大きく湾曲した弧状のロッカー構造が大きな特徴。ミッドソールに見える黒いパーツは3Dカーボンプレートが側部に張り出したもので、走行時の安定性を高めている。

つま先からかかとまで大きく湾曲した弧状のロッカー構造が大きな特徴。ミッドソールに見える黒いパーツは3Dカーボンプレートが側部に張り出したもので、走行時の安定性を高めている。

一方、前モデルと大きく変わったのはミッドソールのクッション性を強く感じるようになったこと。「SUMMIT VECTIV PRO」を手にとってみると、EVAのミッドソールは素材自体の反発力が高くなっていて、ボリューム感も増しています。

ミッドソールのボリューム感、上から下へと広がる形状が目を引く。

ミッドソールのボリューム感、上から下へと広がる形状が目を引く。

3Dカーボンプレートは前モデルではつま先からかかとまで一体的な形状だったのが、「SUMMIT VECTIV PRO」ではつま先からかかとにかけて切れ込みの入った二股の形状になっています。さらに足の内側と外側のミッドソールに黒いカーボンのパーツが配置されていることからわかるように、カーボンプレートがシューズの一番幅が広いところで左右に広がるウイング形状で足を支える仕組みとなっています。これにより着地時、特に石や木の根の出っ張りのあるようなアンイーブンなトレイルでの着地時に安定感が感じられるのです。

高い通気性、広めのトゥボックス、中足部のフィット感はウルトラも最適

「SUMMIT VECTIV PRO」のアッパーは張りのあるデュラブルメッシュとなっていて、通気性は抜群。足指や母指球のあたりのトゥボックスはややゆとりを感じます。前モデルからは足型がやや広めに変更されているのに加えて、適度に張りのあるアッパーがゆとりを作り出しているようです。通気性と前足部のゆとりは100マイルのようなウルトラディスタンスのランニングには重要な特徴です。

デュラブルメッシュは光が透けるほど通気性が高い。

デュラブルメッシュは光が透けるほど通気性が高い。

足型もやや広くなり、トゥボックスにゆとりを感じる。

足型もやや広くなり、トゥボックスにゆとりを感じる。

クッション性のあるシュータンはアッパーからは独立していて、土踏まずから外側部を覆うインナー素材と一体でフィット感を高める作りです。「Flight VECTIV」ではシュータンとアッパーが一体でインナーを設けない構造だったので、この点は大きな変化です。シューレースでフィット感を調整しやすいので、この点でも「SUMMIT VECTIV PRO」はウルトラランニングに適したシューズだといえます。

足の側面はしっかりサポートする構造になっている。

足の側面はしっかりサポートする構造になっている。

加えて、シューレースも縁に畝のような凹凸がつけられており、結んだ時に解けにくくなっています。細かいところですが、こだわった作りです。

透けるほど薄いデュラブルメッシュアッパーだが張りのある素材で軟弱さは感じない。つま先にはプロテクションも施されている。シューレースの縁には突起があり解けるのを防ぐ。

透けるほど薄いデュラブルメッシュアッパーだが張りのある素材で軟弱さは感じない。つま先にはプロテクションも施されている。シューレースの縁には突起があり解けるのを防ぐ。

履き口のクッションは控えめで、軽量化が図られている。

履き口のクッションは控えめで、軽量化が図られている。

近年のTHE NORTH FACEのシューズでは出色の傑作

スムーズな重心移動によるライド感。長時間のランニングによる疲労を軽減してくれるクッション性。狭すぎないトゥボックスながらシューズの中で足がブレないフィット感。最近のトレイルランニングシューズのトレンドを高いレベルでバランスさせた「SUMMIT VECTIV PRO」は、近年のTHE NORTH FACEのシューズの中では出色の傑作トレイルランニングシューズです。

筆者のような平均レベルのランナーが履けば快適で少し速く走れる気がするでしょう。そしてレースでベストを尽くしたいアスリートにとっては進化したウィング3Dカーボンプレートが大きな武器になることでしょう。

もし「SUMMIT VECTIV PRO」に懸念の点があるとすれば29,920円(税込)というお値段でしょうか。プレミアムなシューズではありますが、準備を重ねてきた大事なレースやトレイルの旅に最高のギアで臨むことができると考えるなら、「SUMMIT VECTIV PRO」を選ぶ理由はあると感じました。

THE NORTH FACEからは「SUMMIT VECTIV PRO」にあわせて、「VECTIV 2.0 テクノロジー」を使用した3つのモデルが登場しています。

  • SUMMIT VECTIV SKYウィメンズメンズ)はミッドソールのボリュームとアウトソールの面積を抑え、ラグは2.5mmとロープロファイルとすることで、バーティカルレースのような高速のランニングに対応。フォーク形状の3Dカーボンプレート搭載。「Flight VECTIV」のコンセプトはこちらに引き継がれた印象です。
  • VECTIV INFINITE IIウィメンズメンズ): アウトソールのラグを5mmと高めにすることでトラクションを高めたモデル。濡れたマッディなトレイルで確実に路面をとらえます。フォーク形状のTPU素材の3Dプレートに加え、前足部に高反発のPebax素材を配置して弾むようなライド感が感じられます。
  • VECTIV ENDURIS IIIウィメンズメンズ): 前モデルに比べEVAミッドソールの厚みを2mm増しとすることでクッション性を高めています。TPU素材の3Dプレートにフォーク上のスリットを設けることで、路面の凹凸に応じたグリップ力が向上。ロングディスタンスのレースでの完走をサポート。
この記事が気に入ったらDogsorCaravanをBuy Me a Coffeeで直接サポートできます!

Buy Me a Coffee

Sponsored link