Dangbei Mars Pro・最大200インチの4K映像を昼間の室内でも鮮明に楽しめるホームプロジェクター【レビュー】【DogsorCaravan Creative & Productive】

【編者より・DogsorCaravanではトレイルランニングのファンの皆さんが深い関心を持つ、創造的で生産性の高い仕事と生活について、情報を発信する試みを進めています。「DogsorCaravan Creative & Productive」はそうしたコンテンツのカテゴリーです。】

映画やストリーミング配信のコンテンツ、あるいはゲームを楽しむ手段として、スクリーンや壁に映像を投影するプロジェクターが人気で、様々なブランドから次々に製品が登場しています。家庭用では6-7万円くらいのモデルのラインナップが充実しています。ただ投影できる映像の明るさにこだわったり、フルHD以上の解像度を求めると、価格はグッと上がってきます。

Sponsored link


今回レビューする「Dangbei Mars Pro」はリアル4Kの映像を最大200インチで投影するホームプロジェクター。映像の明るさは3200ANSIで日中のリビングルームでくっきりと映像が楽しめる、ハイスペックな製品です。本稿執筆時点ではAmazon.co.jpで割引クーポンやタイムセールといった形で実質17万円前後で販売されています。スペックを比較すると、各社の同等のプレミアムモデルと比較してもコストパフォーマンスが高い製品となっています。

開封して外観チェック・存在感のある大きさだが、ミニマルでインテリアにもなじみやすい

Dangbeiというブランドでプロジェクター製品を展開するHangzhou Dangbei Network Technologyは2013年に創業したスタートアップ企業。家庭向けのプロジェクター事業に参入したのは2019年で、2021年にはRed Dot Awardやグッドデザイン賞、2022年にはIAIデザイン賞を獲得しています。

Dangbei Mars Pro

Dangbei Mars Pro

Mars Proのサイズは幅24.6cm、奥行き20.9cm、高さ17.3cmで重さが4.6kg。普及価格帯のホームプロジェクターに比べるとずっしりした存在感があります。ただ、出っ張りやボタンが少ないシンプルなデザインです。正面には投影する光を放つレンズと後述の自動合焦のための小さなカメラ。左右のメッシュグリルの奥には換気のための大きなファンがかすかに見えます。この大型のファンのおかげで使用中のノイズが気にならないレベルに抑えられているのでしょう。

各種端子類は全て背面にまとめられています。左から3.5mmのステレオオーディオ端子、USB2.0端子が二つ、eARC対応のHDMI端子、HDMI端子、S/PDIFデジタル端子、LAN端子、電源入力端子が並びます。ヘッドホンやアクティブスピーカーを直接繋ぐのはもちろん、サウンドバーのようなホームオーディオ機器にデジタル出力が可能です。DolbyAudioとDTS-HD Master Audioに対応しているのでeARC対応HDMI端子を経由すれば、本格的なオーディオを楽しむことができるのもポイントが高いところ。

設置については底面に三脚穴が設けられているので、これを活用してスタンドに設置することができます。Dangbeiからも耐荷重5kgで最高で90cmに設置できるスタンドが別売で用意されています。もちろん、天井から天吊りで設置することも、テーブルにおいて設置することも可能。底面の4つのゴム足はネジで幾らかは高さを調整することができます。後述のように、投影する映像のピント合わせや台形補正は自動でできるので、使うたびにプロジェクターを設置する使い方も気軽にできます。

底面の中央部に三脚穴がある。

底面の中央部に三脚穴がある。

底面の四隅の足はネジで多少高さを調整できる。

底面の四隅の足はネジで多少高さを調整できる。

使ってみた・日中でも大迫力のクッキリ大画面で動画が視聴できる、でもストリーミングデバイスは別途用意すべき

実際にレビュー用にMars Proをお借りして自宅で試してみました。ただ、これまで自宅ではプロジェクターを利用したことがないので投影用のスクリーンがありません。安価な手段としてアマゾンで100インチサイズの白い生地でできたスクリーンを購入して部屋の壁に四隅をピンで留めてみました。一応見ることはできましたが、どうしてもスクリーンにたるみが残ります。以下の写真ではその点はご了承ください。

Mars Proを電源に繋いで最初にやることは付属のリモコンとのペアリング。プロジェクター本体にはディスプレイもボタンもないのでちょっと戸惑いましたが、「ピ」と音がしたらペアリング完了。前面のレンズから光が出てきてスクリーンに初期画面が投影されました。

Mars Proに付属するリモコン。

Mars Proに付属するリモコン。

設置後に最初に現れた画面。自動でスクリーンの大きさや四隅に合わせて投影されたが設置した高さがあっていなかったせいか、多少上へとすぼんだ台形になっている。このあと、高さを調整する。

設置後に最初に現れた画面。自動でスクリーンの大きさや四隅に合わせて投影されたが設置した高さがあっていなかったせいか、多少上へとすぼんだ台形になっている。このあと、高さを調整する。

スクリーンにまっすぐの四角形で投影されるように、Mars Proの本体の位置をある程度合わせる必要はありますが、ある程度落ち着くと、自動でピント合わせと、画面の台形補正が始まってまっすぐに合わせてくれるので、自分で細かな調整をする必要がありません。プロジェクター本体の位置や傾きを調整すると、すぐに自動でピント合わせと台形補正をしてくれます。さらにスクリーンの前にたとえば観葉植物のような障害物がある場合にはそれを回避して投影するという機能も備えます。投影時のプロジェクターからスクリーンまでの距離は80インチで2.2m、100インチで2.8m。短焦点機能は持っていないので、ある程度の部屋の広さは必要です。ただ、いろいろ試してみると投影される画像のサイズは小さくなるものの、スクリーンとプロジェクタの距離はもっと短くても合焦する場合もあるようです。この場合は狭い部屋でほどほどのサイズの映像を楽しめます。

Mars Proの高さを変えると自動でピント合わせと台形補正を行う。黄色と紫の帯は写真を撮った際に現れたもので、実際には見えない(以下同じ)。

Mars Proの高さを変えると自動でピント合わせと台形補正を行う。黄色と紫の帯は写真を撮った際に現れたもので、実際には見えない(以下同じ)。

スクリーンに対して右斜めから1mくらいに設置してみた。自動で補正すると斜めながら小さめの四角形で投影された。三脚でMars Proを斜めに固定すると短距離で映像を鑑賞できる。

スクリーンに対して右斜めから1mくらいに設置してみた。自動で補正すると斜めながら小さめの四角形で投影された。三脚でMars Proを斜めに固定すると短距離で映像を鑑賞できる。

コンテンツを再生すると日中の南向きの部屋にもかかわらず、クッキリとした大画面で映像が見られます。スクリーンに近いカーテンは引いた方がよりみやすくなりますが、完全に締め切って暗室を作る必要はなく、テレビを見る感覚で自然に視聴できます。Mars Proの3200ANSIルーメンというのは現在販売されているホームプロジェクターでは最も明るい製品の一つとなり、その威力は一目で実感します。

音声は本体の左右に設けられた10Wのデュアルスピーカーから聴きましたが、いつものテレビを見る感覚と同じ迫力ある音が聴けました。動作音についてはスペックでは26dB以下という静音仕様です。本体のすぐそばに耳を近づければファンが回る音がしますが、本体から50-60cmほど離れて座った状態で、動画の音声を聞きながらだとファンの回転音はほとんど意識しないほど静かでした。

具体的にどのようにしてコンテンツを視聴するか、については多少クセがあるようです。このMars Proはソフトウェア的にはAndroidをベースにDangbei独自のユーザーインターフェイスにカスタムしたOSが載っているようです。筆者が試してみたところではAppleのAirPlayが使えるというEmotn Castというアプリを立ち上げてみてもiPhone側の出力先としては現れず。Emotn StoreというアプリストアにはYouTube、Amazon Prime Video、Abemaなどのアプリがあってダウンロードして起動することができました。しかし、実際に起動してみるとログオン画面がちょっと使いにくい感じが正直あります。

Mars Proにインストールされているアプリ。YouTubeアプリはDangbei独自のアプリストアからインストールした。

Mars Proにインストールされているアプリ。YouTubeアプリはDangbei独自のアプリストアからインストールした。

Dangbei独自のアプリストアであるEmotnストアからアプリをインストールできる。AbemaやFODといった日本のストリーミングサービスもアプリが用意されている。

Dangbei独自のアプリストアであるEmotnストアからアプリをインストールできる。AbemaやFODといった日本のストリーミングサービスもアプリが用意されている。

Mars ProのネイティブアプリであるEmotn CastはAirPlayやMiracastに対応しているようだが、本稿執筆時点ではiPhoneからはAirPlayの接続先としてMars Proは表示されなかった。

Mars ProのネイティブアプリであるEmotn CastはAirPlayやMiracastに対応しているようだが、本稿執筆時点ではiPhoneからはAirPlayの接続先としてMars Proは表示されなかった。

こうした事情があってか、現在Amazon.co.jpでは限定期間キャンペーンとしてストリーミングドングルが無料で買えるというキャンペーンが行われています(なお、このほかにも純正のプロジェクタースタンドや天吊り金具などが無料になるキャンペーンも執筆時点では行われています)。今回のレビューについても同時にHAKO miniというAndroid TVのストリーミングデバイスをお借りしています。

もちろんすでにHDMI接続のデバイスがあればそれを接続することもできます。今回はいつもはテレビに繋いでいるAmazonのFire TVを接続し、電源はMars ProのUSB端子に接続したところ、テレビに接続したのと同じように使えます。ただ、Mars Proのリモコンとは別にFire TVのリモコンで操作することになるのが少々面倒ではあります。ハードウェアの完成度の高さから考えれば、アプリも遠からず充実しそうな気がします。

AmazonのFireTVをMars Proに接続。使い慣れたFireTVの機能をフルに使えるが、リモコンが二つに分かれてしまう。コンテンツの選択はFireTVのリモコンで、音量の調整はMars Proで行う。

AmazonのFireTVをMars Proに接続。使い慣れたFireTVの機能をフルに使えるが、リモコンが二つに分かれてしまう。コンテンツの選択はFireTVのリモコンで、音量の調整はMars Proで行う。

テレビ感覚で大画面で映像コンテンツが楽しめる、使い方のイメージが広がる名機

自宅の間取りの制約もあって、これまで大画面での映像視聴にはあまり関心のなかった筆者ですが、Mars Proを使ってみて、こんな鮮明な大画面がプロジェクターで楽しめるというのは新鮮な経験でした。プロジェクターといえば夜に部屋の明かりを全部消して使う、というイメージでしたが、Mars Proであれば、日中に外の明るさを感じながら楽しめます。比較的お手頃なお値段でプロジェクターの使用シーンをぐっと広げるのがMars Proです。

ランニングやフィットネスに関心のある人であればどんな使い方が考えられるでしょうか。トレイルランニングをテーマにした映画やYouTubeのコンテンツを大迫力で楽しむこともできます。自転車に乗る人であれば、Zwiftのディスプレイとして使えば、ほぼ等身大でライドを楽しめそう。そのほかにも、人が集まるオフィスや店舗で映像コンテンツを大きく投影するデジタルサイネージにも活躍しそうです。

Dangbei Mars Proプロジェクターは、競合他社と比較して優れたコストパフォーマンスを誇っています。そのため、高品質なオーディオとビジュアル体験を自宅で手軽に楽しみたい方には、非常におすすめの製品です。まだ若いブランドながら、意欲的な製品をホームプロジェクター市場に投入してきたDangbeiは、これからも目を離せないオーディオとビジュアル製品のブランドとなりそうです。

Dangbei Mars Pro リアル リアル4K ホームプロジェクター 高輝度 3200ANSI ルーメン レーザー光源

この記事が気に入ったらDogsorCaravanをBuy Me a Coffeeで直接サポートできます!

Buy Me a Coffee

Sponsored link