第10回Wings For Life World Runに世界中から過去最多の20万人超が参加、脊髄損傷研究に580万ユーロの募金、レースは福田穣が優勝。

世界各地で同時にスタートするランニングイベント、Wings For Life World Runが今年も5月7日に開催されました。日本においても神宮外苑(東京都新宿区)、豊田市(愛知県)、神戸市(兵庫県)、矢巾町(岩手県)などの会場のほか、専用アプリを通じて多くのランナーが参加しました。

(写真・東京のフラッグシップランに参加して世界一となった福田穣。Photo by Wings For Life World Run)

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Wings For Life World Runは走れない人たちのために走るイベントです。参加費と寄付金の全額が脊髄損傷の治療法発見を目指す脊髄損傷研究に寄付されます。RedBullがこのイベントの運営費用を負担することで、全額の寄付が実現しています。

レースの形式は非常にユニーク。今年は5月7日の世界標準時11時(日本時間同日20時)に、プロランナーから一般ランナーまで全員が世界同時にスタート。スタートから30分後に「キャッチャーカー」がスタートして次々にランナーを追い抜いていき、追い抜かれたランナーはそこでレース終了。各選手の記録は走行距離で示されることになります。キャッチャーカーの速度は時間を追うにつれて上がっていき、「スローペースのランナーなら5km地点で追いつかれるでしょうし、本気のベテランランナーなら60km地点まで走れるでしょう」(イベントウェブサイトより)とされています。

10回目を迎えた今年の「Wings for Life World Run」では専用アプリで個人的に、あるいは世界各地のフラッグシップランで一緒に走ったランナーは全世界で206,728人に達しました。

ポーランドのポズナンで開催されたフラッグシップ・ランで走ったカタルジーナ・シュコダ Katarzyna Szkoda (POL) が55.07kmを走って女子の優勝者となりました。レース後には「この感覚はセンセーショナルです。ポズナンのフラッシュシップランで1位だ、そして世界全体でも1位だと聞いてはいましたが、走っている途中はあまりピンと来ませんでした。この気持ちを整理するために少し時間が必要かもしれません。」と話しています。

東京の神宮外苑の会場で参加し、男子の優勝者となった福田穣 Jo Fukuda (JPN) はこのイベントで2度目の優勝となります。「2ヶ月前にケガをして十分な練習ができなかったので、厳しいレースになることは分かっていました。でも、また勝ちたいという強い意志があり、それが背中を押してくれました」と、レース後に振り返りました。「Wings for Life World Runは、私にとって特別なイベントです。私が愛すること、つまり走ることで勇気を与え、ポジティブな形で人々に影響を与えることができるからです。」と話しました。

リザルトは大会ウェブサイトから確認することができます。

今回のWings for Life World Runは参加費と寄付金を通じて580万ユーロを集めました。「Wings for Life World Runは、脊髄研究のためのターボエンジンのようなものです。集まった寄付金で、すでにいくつかのプロジェクトが、脊髄に損傷を受けた患者さんを対象にした臨床試験へと飛躍するのを支援することができたのです。このこと自体が大きな成功であり、今後さらに大きな進展が見られるでしょう」と、Wings for LifeのCEOであるアニタ・ゲルハルターさんは語っています。

来年2024年の第11回Wings for Life World Runは、2024年5月5日に開催が決まっており、今年後半にエントリーがスタートします。詳しくはイベントのウェブサイトで知ることができます。

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