キリアン・ジョルネ Kilian Jornetとカンペール Camperが設立したアウトドアギアブランド、NNormalは自社のトレイルランニングシューズKJERAG(ジェーラグ)について、実際にランナーが履いてテストした結果に基づいて、「完全に摩耗するまで最大1,350kmを走ることができる耐用性がある」という研究結果を発表しました。
NNormalはそのブランドの立ち上げから、環境への影響を最小限に抑えつつも、トレイルランニングをはじめとするアウトドアアクティビティにおけるパフォーマンスを損なわないことを目指しています。素材やデザインを通じて、耐久性を高めることで過剰消費を避けられる製品とすることがブランドのアイデンティティとなっています。
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どのアウトドアブランド、ランニングブランドであっても環境への配慮をうたっていますが、ランニングシューズについて自社の製品がどの程度の距離を走っても機能を失わないのか、具体的に言及するブランドはかなり珍しいことです。とはいえ、環境への配慮というスローガンが単なる宣伝のための言葉でないのなら、こうしたデータを示すことはブランドとしての良心を示すと言えるかもしれません。
今回、NNormalが発表したプレスリリースによれば、調査はあらゆるレベルのランナー、511人を対象に行われました。研究に参加したランナーはKJERAGを履いて走った距離、走った路面のコンディションを申告し、あわせてシューズの摩耗度合いについても報告しました。
この調査からKJERAGの平均寿命を予測したほか、研究に参加したランナーの65%以上がKJERAGを履いて1000km以上走っていた、としています。
NNormalは、単にシューズが摩耗しにくく長い距離を走ることに耐えればよい、とは考えていないといいます。一歩進んで、一足のシューズが使用を通じて排出する炭素排出量に基づいて、シューズの耐久性を評価するべきだと主張しています。生産されたシューズ一足の炭素量を走行距離で割った炭素量で評価すべき、ということになります。
研究については対象となるランナーのプロファイルの偏りのほか、シューズの状態を視認で判断する際の主観的な偏りといった課題はあるでしょう。しかし、シューズ業界として共通の評価の枠組みがあれば、消費者にとって走行距離あたりの炭素排出量がどのシューズを選ぶかの基準になることも考えられるでしょう。
NNormalでは、KJERAGに加えてもう一つのモデルであるTOMIRについても同様に消費者が平均して何キロ使用できるかを測定する研究に取り組んでいるそうです。