パタゴニアからこのプルオーバーをレビューのためにご提供いただき、トレイルランニングで実際に試したほか、フーディニ・ジャケットとも比較してみました。
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正直なところ、最初はフーディニ・ジャケットに慣れすぎていてこれ以外のウィンドジャケットが必要とは思えませんでした。しかし、試してみるとランニングで積極的に活用するならプルオーバーの方が使いやすいと考えるようになりました。
動画によるレビューはこちら。
フードレス、ハーフジップでポケットに特徴あり
フーディニ・スタッシュ・1/2ジップ・プルオーバーはリサイクル・ナイロン100%素材のリップストップを使用し、DWR(耐久性撥水)加工が施されている、軽量コンパクトなウィンドシェルです。
大きな特徴はフードがなく首元は立ち上がったシャツのようになっていること。さらにジッパーは胸からみぞおちあたりまでのハーフジップとなっており、頭から脱いだり着たりすることになります。
機能面では体の前面の肩と背面の背中あたりにスリットが入っています。シェルの内側の空気を排出しやすい構造になっていて、トレイルランニングなどの激しいスポーツでも快適に保ちます。
左右の裾の部分にベルクロで留めるポケットがついていて、補給食やグローブなどを入れられます。サイズとしてはスマートフォンも収まる大きさです。さらに、胸のポケットを反転することで本体をコンパクトに収納することができます。
ミニマルなフーディニジャケットに比べると、実用性を高めたプルオーバー
フーディニといえば今年で発売から20年を迎えるというフーディニジャケットがあります。今回発売された「フーディニ・スタッシュ・1/2ジップ・プルオーバー」と、手元にあるフーディニジャケットと比較してみます。
まずは着用してみた感覚ですがどちらもメンズのMサイズでサイズ感はほぼ同じ、と最初は思いましたが、二つを重ねてみると身ごろはプルオーバーの方が少しゆとりがあります。パタゴニアの資料によればジャケットがスリムフィットであるのに対して、プルオーバーはレギュラーフィットとなっていました。頭から脱いだり着たりしやすいようにフィット感も工夫されているようです。ただ、わずかな差なのでプルオーバーのサイズ選びはジャケットと同じで良さそうです。
次にディテールを見ていくと、プルオーバーにはジャケットにあったフードがありません。しかし、単にフードを切り取ったのではなく、襟口や首から胸にかけてはリップストップのリサイクルナイロンの生地が裏表で二重になっています。これによってジップを上げた場合も下げた場合も首元に張りがあって、見た目がちゃんとした感じになります。
プルオーバーの胸の左右と背中の中央部には生地の切り替え部分がスリットになっています。ただ、上側の生地が少し長くなっていてふたをするようになっているので、見た目にはスリットがあることは分かりません。
プルオーバーではスリットを設けるためか、肩と背中の上の方は生地の色が違っていて、デザイン上のアクセントにもなっています。フーディニ・ジャケットではこうした切り替えはなく、潔くシンプルなデザインです。
どちらにも胸にポケットがあり、ポケットを裏返すようにして本体をコンパクトに収納できます。しかし、フーディニ・ジャケットが小さめのポケットに押し込むようにして収納するのに対して、プルオーバーの方はポケットに少しゆとりがあり、収納後のサイズも少し大きめです。小さく収納できた方が荷物は小さくて済みますが、少しゆとりを持って収納する方が、取り出して着る時にシワが少なくて済みそうです。
プルオーバーはフーディニ・ジャケットにはない左右のポケットを備えていますが、ポケットの位置は体の真横で開閉は1ヶ所のベルクロ留めです。開閉は中のものを落とす心配のないジッパーを好む人が多そうですが、この位置にジッパーをつけても開け閉めはしにくそうです。このポケットは補給食とかネックゲイターのようなアイテムを入れておくのが良さそうです。
なお、スペック上ではフーディニジャケットとプルオーバーの重さは同じ。プルオーバーにはフードがないですが、上記のように生地が二重になっていたりポケットがあったりするためか、差し引きで重さは同じです。
ランニングウェアとしてはフードなしのプルオーバーは優秀、日常着としても使いやすい
春先のランニングで「フーディニ・スタッシュ・1/2ジップ・プルオーバー」を試してみました。
自然の環境、中でも天気が変わりやすく、平地よりも気温が低かったり強い風が吹いたりする山を走るトレイルランニングでは、たとえ真夏で降水確率0%であったとしても、風や雨を防ぐウェアは必携装備です。中でもパタゴニアのフーディニ・ジャケットは撥水性があり防風性に優れ、走っているうちに汗をかいても適度な通気性で快適さを保ってくれます。加えてコンパクトに持ち運べるので、レースだけでなどんな時にもバックパックやウェストパックに入れておくべきアイテムとしてトレイルランナーにも人気です。
正直なところ「フーディニ・ジャケットがあればそれで十分じゃないかな」と思いながら、プルオーバーを試してみました。やっぱりトレイルランニングのためのウェアとしてフーディニ・ジャケットと同じように有能なのですが、プルオーバーの方が使いやすい場合があることに気づきました。
たとえば、バックパックを背負って何時間も山に登るようなトレイルではなく、身近な森や里山をウェストパックだけで軽く走る場合や、旅先や日々のちょっとしたランニングを楽しむ場合。バックパックを使わないなら頭から被るように着るプルオーバーでも着やすいし、胸や背中のスリットのベンチレーションも機能しやすい。ポケットがあれば帰りの買い物のためにエコバッグを入れておくのもよさそうです。
加えて、トレイルランニングに出かける際の行き帰りの上着だったり、旅先の冷房の効き過ぎた乗り物の防寒対策にも、これまでのフーディニ・ジャケットよりもプルオーバーの方がピッタリくる場合がありそうです。プルオーバーの方が胸ポケットへの収納にゆとりがあるのでシワになり過ぎず、襟元もクシャクシャのフードよりちゃんとした感じがします。
フーディニ・ジャケットの愛用者ならきっと買い足して使い分けたくなるプルオーバー
筆者がトレイルランニングをはじめたばかりの15年前から山に行くなら必携品といわれている定番アイテムのフーディニ・ジャケットがあるのに、フードがないプルオーバーなんて必要ないのではと思っていましたが、意外にも便利で使えるシーンの多いアイテムだと感じました。
もしトレイルランニングのレースに出たり、時間をかけて山へ入るハイキングをしたりするなら、フード付きでパックパックにコンパクトにしまっておけるフーディニ・ジャケットを選ぶべきでしょう。そしてフーディニ・ジャケットがあればその他の用途にもだいたい便利に使えます。
でも、もっと気軽に自然の中を走ったり歩いたりする時や、旅行の移動中、旅先で街を歩く時は、フーディニ・スタッシュ・1/2ジップ・プルオーバーがしっくりくるような気がします。
それぞれの良さを活かして使い分けることをおすすめします。フーディニ・ジャケットを愛用している人であれば、きっとこの新製品のプルオーバーの良さによくわかるはず。そんな気がします。
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