地元勢強し、ダン・ローソンとキャット・シンプソンがサウスダウンズウェイ100 South Downs Way 100で勝利【Gran Canaria World Trail Majors】

6月8-9日の週末はグラン・カナリア・ワールド・トレイル・メジャーズの二つのイベントが開催されました。スイスと並んでイギリスではサウスダウンズウェイ100 South Downs Way 100 が開催されました。このレースは、イングランド南部の歴史的なトレイルを100マイル(161km)、累積獲得高度 3,800mD+に渡って走るというイベントです。制限時間は30時間となります。

(写真・South Downs Way 100のスタート。Photo ©Centurion Running – Gran Canaria World Trail Majors)

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イギリスのトレイルランニングは、その地理的な特性と歴史によりユニークな特徴を持ちます。レイクディストリクトを中心に独自の歴史を築いてきたフェルランニングは別として、多くのトレイルランニングのコースは高低差が少なく、走りやすいコースであることが多いのです。サウスダウンズウェイ100もそうしたコースを走るレースです。これまでイギリス国内のウルトラランナーの挑戦の場となってきましたが、今年も例外ではありませんでした。イギリスのウルトラランナーとして知られる、ダン・ローソン Dan Lawsonキャット・シンプソン Cat Simpson が今年のチャンピオンとなりました。

ダン・ローソンが見事な展開でレースを制す

6月8日土曜日の午前6時、レースはイングランド南部のウィンチェスター近郊のマタリー・ボウルを予定通りスタートしました。ランナーは丘陵地帯を縫うように進み、イギリス南東部の海岸沿いの町であるイーストボーンに設けられたフィニッシュゲートを目指します。

Photo ©Centurion Running - Gran Canaria World Trail Majors

Photo ©Centurion Running – Gran Canaria World Trail Majors

男子のレースは有力選手が集団を形成してリードします。今回は地元のジェフ・チェシア Geoff Chessireロブ・ペイン Rob Payneヒュー・ティブス Hugh Tibbsピーター・ウィンドロス Peter Windross、そこにアイルランドのマイケル・オニール Michael O’neill、ドイツのヤコブ・フォン・ラウマー Jakob Von Raumerといった選手が加わり、ハイペースでコースを進みます。この日は朝は10℃、午後は18℃まで気温が上がったものの、ランニングには好条件でした。

Photo ©Centurion Running - Gran Canaria World Trail Majors

Photo ©Centurion Running – Gran Canaria World Trail Majors

コースの後半に入ると、ジェフ・チェシアが脚の攣りのためにリタイア。優勝はピーター・ウィンドロスとダン・ローソンの間で争われることになります。107.2km地点のチェックポイントではダン・ローソンが首位で通過し、ティブスに1分、ウィンドロスに6分の差をつけてリードします。そしてその差は次第に広がって、ダン・ローソンが14時間27分30秒でフィニッシュして優勝。大会史上2番目(大会記録は14時間3分)の好記録でした。2位で続いたのはヒュー・ティブスで14時間46分53秒でフィニッシュ。3位はピーター・ウィンドロスの14時間48分26秒でした。4位はマシュー・ハマートン Matthew Hammertonの15時間4分40秒、5位は2010年のUTMBのチャンピオンでイギリスのトレイルランニング界のレジェンド、ジェズ・ブラッグ Jez Braggで15時間35分24秒でした。

男子優勝のダン・ローソン。Photo ©Centurion Running - Gran Canaria World Trail Majors

男子優勝のダン・ローソン。Photo ©Centurion Running – Gran Canaria World Trail Majors

エキサイティングな女子レースをキャット・シンプソンが制する

スタート前には、アメリカのカレン・ベンウェイ Karen Benwayとイギリスのキャット・シンプソンが優勝候補として注目されていました。地元のジャスティン・プットナム Justine Putnamソフィー・ベネット Sophie Bennettもスタートラインに立ちました。

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レースはキャット・シンプソン、カレン・ベンウェイに加えてハンナ・グリーン Hannah Green が先頭集団を作ってリードする展開となりました。100km地点では3人に1分差でベッキー・ピアソン Becky Pearson が追いかけていました。

Photo ©Centurion Running - Gran Canaria World Trail Majors

Photo ©Centurion Running – Gran Canaria World Trail Majors

しかし最後はキャット・シンプソン Cat Simpson が独りでフィニッシュ地点となるイーストボーン・スポーツパークに入り、なんと13回目となるサウスダウンズウェイ100での優勝を果たしました。タイムは19時間26分52秒で、2位のカレン・ベンウェイ Karen Benwayは52分後となる20時間18分58秒でフィニッシュ。3位のハンナ・グリーン Hannah Greenは20時間25分19秒でした。

女子優勝のキャット・シンプソン。Photo ©Centurion Running - Gran Canaria World Trail Majors

女子優勝のキャット・シンプソン。Photo ©Centurion Running – Gran Canaria World Trail Majors

英国トレイルランニングの最高峰のイベント

英国の歴史を静かに見守ってきたトレイル、サウスダウンズウェイにトップランナーたちが集結して素晴らしいレースが展開されました。今年の天候は穏やかで、景色は素晴らしく、足元のコンディションも良好でした。多くのランナーがクルーや友人、家族とともにイーストボーンのフィニッシュ会場となる陸上トラックを一周してフィニッシュを祝いました。

リザルト

全体のリザルトはこちら

男子 Men

  1. ダン・ローソン Dan LAWSON (GBR) 14:27:30
  2. ヒュー・ティブス Hugh TIBBS (GBR) 14:46:53
  3. ピーター・ウィンドロス Peter WINDROSS (GBR) 14:48:26
  4. マシュー・ハマートン Matthew HAMMERTON (GBR) 15:04:40
  5. ジェズ・ブラッグ Jez BRAGG (GBR) 15:35:24
  6. ダビデ・アンブロシーニ Davide AMBROSINI (ITA) 15:51:45
  7. ポール・グリーブ Paul GRIEVE (USA) 15:55:37
  8. ロブ・ペイン Rob PAYNE (GBR) 16:12:38
  9. ティアン・エルウィー Tiaan ERWEE (GGY) 16:26:19
  10. ヤコブ・フォン・ロイマー Jakob VON RAUMER (GER) 16:45:48

女子 Women

  1. キャット・シンプソン Cat SIMPSON (GBR) 19:26:52
  2. カレン・ベンウェイ Karen BENWAY (USA) 20:18:58
  3. ハンナ・グリーン Hannah GREEN (GBR) 20:25:19
  4. ソフィー・ベネット Sophie BENNETT (GBR) 20:54:48
  5. マリア・レデスマ Maria LEDESMA (DEN) 21:58:48
  6. ジャスティン・プットナム Justine PUTNAM (GBR) 22:18:16
  7. ベッキー・ピアソン Becky PEARSON (GBR) 22:18:38
  8. サラ・シール=ブラウン Sarah SEARLE-BROWN (USA) 22:19:50
  9. アンドレア・プライス Andrea PRAIS (SUI) 22:30:29
  10. ナターシャ・エバンス Natasha EVANS (GBR) 22:51:40
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