70kmのスカイウルトラで秋山穂乃果が銀メダル、小田切将真が銅メダルを獲得、優勝はイタリア勢へ【2024スカイランニング世界選手権】

2024年のスカイランニング世界選手権 2024 Skyrunning World Championships は二日目となる9月7日土曜日に「ウルトラスカイ」種目が行われました。レースはスペインのカスティーリャ・イ・レオン州ソリア県で開催される大会、デサフィオ・ウルビオン Desafío Urbión の距離70km、標高差4,350mのコースで行われ、男子はクリスティアン・ミノッジオ Cristian MINOGGIO、女子はジュリア マルケソーニ Giulia MARCHESONIと男女ともにイタリアのアスリートが優勝。日本代表チームの秋山穂乃果 Honoka AKIYAMAが女子銀メダル、小田切将真 Shoma OTAGIRIが男子銅メダルを獲得する快挙となりました。

(写真 スカイランニング世界選手権スカイウルトラで女子銀メダルを獲得した秋山穂乃果。 Photo © Ian Corless / ISF)

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今回の世界選手権スカイウルトラ種目は距離70km、累積標高差4,350mD+の「デサフィオ・ウルビオン・スカイウルトラ」において行われました。コースは標高2,000mを超える6つのピークを通ります。テクニカルな山岳セクションや固定ロープの設置された箇所を含むテクニカルな要素を含み、最高地点のピコ・ウルビオンは標高2,228mに達します。

男子のレースは、イタリアのクリスチャン・ミノッジオ Cristian Minoggio (ITA) が終始リードをキープする圧巻のパフォーマンスを見せ、2位のスペイン代表ヘスス・ヒル Jesus Gil (ESP) に28分もの差をつけて6時間53分44秒でフィニッシュしました。40歳のミノッジオは2022年のイタリア・ドモドッソラでのスカイランニング世界選手権・スカイウルトラ、2023年のモンテネグロでの同欧州選手権・スカイウルトラで金メダルを獲得しています。

男子優勝のクリスチャン・ミノッジオ Cristian Minoggio (ITA)  Photo © Ian Corless / ISF

男子優勝のクリスチャン・ミノッジオ Cristian Minoggio (ITA)  Photo © Ian Corless / ISF

日本の小田切将真 Shoma Otagiri (JPN) は序盤に先頭を走り積極的なレース展開を見せました。その後、リードは譲ったもののミノッジオに35分差の3位でフィニッシュし、銅メダルを獲得。日本勢では2016年、2020年、2022年にメダルを獲得している上田瑠偉に続く二人目のメダリストとなり、スカイウルトラ種目においては日本選手初のメダリストとなりました。さらに小田切に1分半の差で小笠原光研 Koken OGASAWARA(JPN)が4位となりました。

男子銅メダルの小田切将真。 Photo © JSA

男子銅メダルの小田切将真。 Photo © JSA

男子4位の小笠原光研。 Photo © JSA

男子4位の小笠原光研。 Photo © JSA

女子のレースでは後半に入って先頭に立った、イタリアのジュリア・マルケソーニ Giulia Marchesoni (ITA)が8時間38分10秒で優勝しました。マルケソーニはもっぱらイタリアの地元の20kmから40kmのトレイルで活躍してきましたが、今回は初の国際的な大会で70kmのレースで金メダルを手にしました。「50km以上のレースは初めてで、ナショナルチーム入りも世界選手権出場も初めてです。この経験とこの勝利は本当に信じられません。誰よりも私自身が驚いています」とスカイランニングの世界的な舞台での見事なデビューを喜びました。

スカイウルトラ種目のチャンピオン、クリスチャン・ミノッジオ Cristian Minoggio とジュリア・マルケソーニ Giulia Marchesoni Photo © Ian Corless / ISF

スカイウルトラ種目のチャンピオン、クリスチャン・ミノッジオ Cristian Minoggio とジュリア・マルケソーニ Giulia Marchesoni Photo © Ian Corless / ISF

日本の秋山穂乃果 Honoka Akiyama (JPN) は経験豊富なトップ選手であるヘマ・アレナス Germma Arenas (ESP) に追われながらも序盤をリード。後半はマルケソーニにリードを譲ったものの、5分差で2位に入る大健闘を見せました。秋山は日本の女子選手としてスカイランニング世界選手権で初めてメダルを獲得しました。3位には2022年の世界選手権銀メダリストで2023年の欧州選手権スカイウルトラチャンピオンのヘマ・アレナス Gemma Arenas (ESP) が入りました。日本の長野安那 Anna NAGANOは19位でフィニッシュしています。

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2位の秋山は「スペインは初めてでしたが、素晴らしい経験でした。応援してくれる人々も素晴らしかったです。レースはかなり難しく技術的でしたが、美しい景色も楽しむことができました」とレース後にコメントしています。

スカイウルトラの表彰式から。 Photo © JSA

スカイウルトラの表彰式から。 Photo © JSA

第8回となる今回のスカイランニング世界選手権には5大陸から過去最多の41カ国が参加。個人と各国代表チームの国別団体のカテゴリーで27個のメダルが争われ、バーティカル種目とスカイ種目の結果に基づく混合(コンバインド)のタイトルも授与されます。

世界選手権は最終日となる9月8日日曜日に開催される「スカイ」種目のレース「デサフィオ・ウルビオン」の距離37km、標高差2,540mへと続きます。

8日のスカイには日本代表チームからは女子の枝元香菜子楠田涼葉髙村貴子、男子の上田瑠偉笠木肇山口大河の各選手が出場します。

レースの模様はEvasion.TVにおいてライブ配信が行われます。

リザルトはこちら

2024 スカイランニング世界選手権・ウルトラスカイ男子リザルト

  1. クリスティアン ミノッジオ Cristian MINOGGIO(ITA)6:53:44
  2. ヘスス ヒル ガルシア Jesus GIL GARCIA(ESP)7:21:29
  3. 小田切将真 Shoma OTAGIRI(JPN)7:28:01
  4. 小笠原光研 Koken OGASAWARA(JPN)7:29:33
  5. エマーソン ロバート トルヒーヨ フローレス Emerson Robert TRUJILLO FLORES(PER)7:32:01
  6. フレン カルボ ビガラ Julen CALVO VIGARA(ESP)7:32:59
  7. アンダース フォックス Anders FOX(SWE)7:39:39
  8. サムエル ポンセ アルバレス Samuel PONCE ALVAREZ(AND)7:41:01
  9. ダニロ ブランビッラ Danilo BRAMBILLA(ITA)7:41:40
  10. ルカ アリゴーニ Luca ARRIGONI(ITA)7:46:36

2024 スカイランニング世界選手権・ウルトラスカイ女子リザルト

  1. ジュリア マルケソーニ Giulia MARCHESONI(ITA)8:38:10
  2. 秋山穂乃果 Honoka AKIYAMA(JPN)8:43:03
  3. ヘンマ アレナス アルカサル Gemma ARENAS ALCAZAR(ESP)8:48:54
  4. バルバラ ルイス パラモ Bárbara RUÍZ PÁRAMO(ESP)9:06:09
  5. ロマナ ルドルフ ロイコバ Romana RUDOLF LOJKOVÁ(CZE)9:08:53
  6. マルケタ シムコバ Markéta ŠIMKOVÁ(CZE)9:12:21
  7. 相原千尋 Chihiro AIBARA(JPN)9:15:31
  8. サンドラ セビリャーノ ゲッラ Sandra SEVILLANO GUERRA(ESP)9:24:52
  9. エリサ パッリーニ Elisa PALLINI(ITA)9:27:16
  10. ソフィア イゼル Sofia IZEL(NO TEAM)9:27:48
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