イタリアのヴァッレダオスタ自治州で開催中のTORXは9月6日に450kmの「TOR450 – Tor des Glaciers」がスタートしたのに続いて、イベントの中心的な存在である330kmの「TOR330 – Tor des Geants」が9月8日日曜日午前10時（日本時間同日午後5時）にスタートしました。さらに9月10日火曜日午後9時（日本時間11日水曜日午前4時）には130kmの「TOR130 – Tot Dret」がスタートします。
この記事ではここまでのTORXの各レースの展開を紹介します。
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（写真 TOR330で男子トップでレースをリードするマルタン・ペリエ Martin Perrier。Photo © Carolina Valsecchi Gillmeister / TORX）
TOR330：男子は上位選手の失格や失速で想定外の展開に、女子はハートマスが独走中
日曜日の午前にクールマイユールをスタートした「TOR330 – Tor des Geants」には約1,100人のランナーが参加して、330kmのコースに挑戦しています。初日は雨が降る厳しい天候となりました。
男子のレースは序盤に先頭を走っていたコルネリウ・ブーリガ Corneliu Buliga (ROU)が最初のライフベースであるバルグリゼンチ Valgrisenche（50km）にトップで到着しますが、競技規則違反で失格になるという出来事がありました。ライフベースに入る直前に街の中にあるバルに立ち寄り、そこで私的サポートを受けたことが、大会が設けたエイドとライフベースの指定エリア以外での私的サポートを禁止している規則に違反したというものです。
ブーリガに続いていた、フランソワ・デンヌ François D’Haene (FRA)とベナ・マルミソール Beñat Marmissolle (FRA)がその後の男子のレースをリードする展開となりました。バルグリゼンチには続いて、サンゲ・シェルパ Sangé Sherpa (NEP) とダミアン・ホール Damian Hall (GBR) 、ジョン・ケリー John Kelly (USA) が互いに数分の差で相次いで到着しています。これらの上位グループの選手たちは昨年のフランコ・コッレ Franco Colléが大会記録（は66時間39分16秒）で優勝した際に近いペースでコースを進んでいます。
フランソワ・デンヌ François D’Haene Photo © Carolina Valsecchi Gillmeister / TORX
二日目の9日月曜日に入り、ベナ・マルミソールが単独でリードするようになります。しかし続く選手に15分差をつけてリフュージョ・コーダ Rif. Coda (164km) を通過したのち、リフージョ・デッラ・バルマ Rif. della Barma (172km) の手前で突然体調を崩し、胃腸の不調に見舞われます。
その後、グレソネイ Gressoney（199km）にトップで到着したのはマルタン・ペリエ Martin Perrier (FRA)でした。デンヌは月曜日の午後からやや疲れが見え始め、途中のエイドでの補給と休息に時間を使うようになりました。リフージョ・デッラ・バルマ Rif. della Barma (172km) ではペリエに19分差の2位で、わずか10分後にはルイ・カレー Louis Calais (FRA)が3番手で迫っています。マルミソールもカレーの11分後に4番手でバルマに到着しています。
女子はカタリナ・ハートマス Katharina Hartmuthがリード
女子レースでは昨年の4位、メリッサ・パガネッリ Melissa Paganelli（ITA) が先頭を走りましたが、20kmの手前で胃のトラブルによりリタイアします。その後は昨年のUTMBで2位のカタリナ・ハートマス Katharina Hartmuth (GER) がレースをリード。二日目の月曜日に入っても全体9番手で一昨年にサブリナ・バージー Sabrina Verjee (GBR)が大会記録を更新（80時間19分38秒）した際のタイムを約2時間30分上回るペースで独走しています。現在のレコードホルダーであるバージーは2位につけ、リサ・ボルザーニ Lisa Borzani (ITA)と共に全体12位、13位を走っています。
カタリナ・ハートマス Katharina Hartmuth Photo © Carolina Valsecchi Gillmeister / TORX
TOR450も熱いレースが続く
9月6日にスタートした450kmの「TOR450 – Tor des Glaciers」はスタートから3日間のレースを経て、男女ともに先頭を走るのは、ティアン・エルウィー Tiaan Erwee とカティア・フィンク Katja Fink で変わりありません。厳しいコンディションの中、各選手とも驚異的な持久力を見せています。
ティアン・エルウィー Tiaan Erwee Photo © Carolina Valsecchi Gillmeister / TORX
TOR130 – Tot Dretは本日開幕
9月10日火曜日午後9時（日本時間11日水曜日午前4時）、グレッソネー・サン・ジャン Gressoney-Saint-Jean から、37カ国500人のアスリートが参加するTOR130 – Tot Dretがスタートします。130kmのコースで12,000mの標高差があり、タイトな制限時間とコース上のテクニカルなセクションが選手を待ち受けます。
女子では、ルイサ・デマッテイス Luisa Dematteis (ITA)、ファビオラ・コンティ Fabiola Conti (ITA)、カローラ・レンナック Karola Rennhack (GER)らが優勝候補に挙げられています。男子では、ジュリオ・オルナティ Giulio Ornati (ITA)、マイケル・ドラ Michael Dola、ニコ・ラッヒャー Nico Lacher、スコット・ジャック Scott Jack、ダニロ・ランテルミノ Danilo Lantermino、ジャンタラブーン・キアンチャイパイパナ Jantaraboon Kiangchaipaiphana らの激戦が予想されます。
大会開催中はデジタルプラットフォームの「TORX® LIVE」でインタビュー、コース沿いのライブカメラ、ランキング、3カ国語の解説、舞台裏のカバレッジ、過去の映像、選手のライブトラッキングなどの情報を見ることができます。
