南アフリカ・ ケープタウンでRMBウルトラトレイル・ケープタウン(RMB Ultra-Trail Cape Town、UTCT)が開催され、グランカナリア・ワールドトレイルメジャーズのファーストシーズンを締めくくりました。16kmから160kmまでの6つのレースに、66カ国から2,800人の選手が集まり、ケープタウンを見下ろすテーブルマウンテンをトレイルランナーが駆け抜けました。
シリーズのランキングの対象となる距離98km、累積獲得高度4,972mD+の「UT100」はウーゴ・デック Hugo Deck (FRA) とジャズミン・ロウザー Jazmine Lowther (CAN) が男女それぞれの勝者となりました。
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(写真 UT100の女子優勝のジャズミン・ロウザー(中)。Photo © RMB Ultra-Trail Cape Town / Claudia Robson / Gran Canaria World Trail Majors)
レースはシグナルヒルに向かって土曜日午前4時にスタート
「UT100」は11月23日土曜日午前4時にケープタウンの東端にあるラグビー場をスタートします。ランナーたちは、夜明け前の暗がりの中、最初の2つの登りとなるライオンズヘッドとシグナルヒルに向かって走ります。シグナルヒル(11.8km、+545m)の最初のチェックポイントでは、男子はドミトリー・ミチャエフ Dmitry Mityaev(RUS)が先頭を走り、ミゲル・アルセニオ Miguel Arsénio(POR)とティボー・ガリヴィエ Thibaut Garrivier(FRA)が僅差で続きました。女子はアントニーナ・ユシナ Antonina Iushina(RUS)、エカテリーナ・ミチャエワ Ekaterina Mityaeva(RUS)、イヴ・ムーア Eve Moore(GBR)の順でレースをリードして始まりました。
レース中盤:ウーゴ・デックとジャズミン・ロウザーが先頭に
50km地点では、区間としては短いものの一気に駆け上るサザーピークに到達し、その後一気に下ります。56.5kmのハウトベイのエイドステーションで補給した後、レースは動き出します。の決定的な部分に入ります。順位がより明確になってきました。男子カテゴリーでは、トップに浮上したウーゴ・デック Hugo Deck (FRA) とミゲル・アルセニオが6分差以内の接戦が続き、その後にトップから9分でティボー・ガリヴィエ、同じく18分でドミトリー・ミチャエフ、24分でミケリーノ・サンセリ Michelino Sunseri(USA)が続きました。女子では中盤に入ってジャズミン・ロウザー Jazmine Lowther (CAN) が総合8位で女子の先頭を走ります。13分の差でエカテリーナ・ミチャエワとアントニーナ・ユシナの二人が続きました。
デック、ロウザーが勝利、男子準優勝のアルセニオが年間チャンピオンに
スタート地点と同じラグビー場がフィニッシュ地点となり、「UT100」男子優勝のウーゴ・デックが10時間31分02秒でレースを終えました。14分後にミゲル・アルセニオがフィニッシュ。アルセニオはスイスキャニオントレイルでの優勝と今回の準優勝により、初年度のグランカナリア・ワールドトレイルメジャーズの年間シリーズチャンピオンのタイトルを獲得しました。31分後にミケリーノ・サンセリが3位でフィニッシュして、トップ3を締めくくりました。
女子はジャズミン・ロウザーがリードを守り、12時間04分25秒でフィニッシュして今年のUT100の優勝者となりました。ロウザーは男女を通じた総合7位となりました。45分差でアントニーナ・ユシナが準優勝、さらに17分遅れでエヴァ・スペルガー Eva Sperger(GER)が3位となりました。
このレースにより、グランカナリア・ワールドトレイルメジャーズの初年度の全てのレースが終了となりました。初年度の年間チャンピオンはコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter (USA) とミゲル・アルセニオと決まりました。
UTCTの他のレースも熱い展開に
100マイルの「UTCT」ではアレクセイ・トルステンコ Aleksei Tolstenko(RUS)が男子優勝。2022年の2位、昨年の優勝に続いての連覇となります。トルステンコは2019年のUTMFで5位となった経験も持ちます。女子は総合6位でケリー=アン・マーシャル Kerry-Ann Marshall(RSA)が優勝しました。日本からはワールドトレイルメジャーズの全大会の完走というプロジェクトに取り組むレジェンド、鏑木毅 Tsuyoshi Kaburaki がこの100マイルを走り、男子36位となる35時間29分で完走しています。
55kmのPT55ではロビー・シンプソン Robbie Simpson(GBR)が優勝し、南アフリカのトレイルランニング界のレジェンド、ライアン・サンズ Ryan Sandes(RSA)が3位に入りました。女子ではアンナ・タラソワ Anna Tarasova(ESP)が制しました。
大会創設から10周年を振り返る
大会レースディレクターのスチュアート・マコナチー Stuart McConnachie氏は次のようにコメント。「2014年の初開催以来、RMB UTCTの成長は驚異的でしたが、全く予想外というわけではありませんでした。テーブルマウンテン国立公園全体でこのイベントを開催するために必要な許可を取得できれば、地元で人気を博すだけでなく、世界最大かつ最も有名なウルトラトレイルイベントの1つに成長する可能性があると分かっていました。そして、それが実現しつつあるのです」。実際に初回の40人での開催から今回2,800人を迎えるまでの成長を遂げています。
イベントの独特の魅力についてはマコナチー氏は次のように話します。「ウルトラトレイルランニングは単なるスポーツではなく、自己発見の旅です。テーブルマウンテンを通るコースは、ランナーを限界まで追い込むと同時に、地球上で最も畏敬の念を抱かせる景色に囲まれています」。今回の大会のライブ配信の映像からも、テーブルマウンテンの平らな頂上から大西洋とインド洋の境界線や喜望峰を見渡す様子や、選手が豊かな森林や険しい崖を走り抜ける様子を見ることができました。
2024年 RMB Ultra-Trail Cape Town リザルト
全体のリザルトはこちら。
UTMB110K 男子
- ウーゴ・デック Hugo DECK (FRA) 10:31:02
- ミゲル・アルセニオ Miguel ARSENIO (POR) 10:45:23
- ミケリーノ・スンセリ Michelino SUNSERI (USA) 11:16:08
- ティボー・ガリヴィエ Thibaut GARRIVIER (FRA) 11:38:48
- パトリック・エーレンターラー Patrick EHRENTHALER (GER) 11:43:10
- アレクシス・ロセ Alexis ROSSET (FRA) 11:56:51
- リチャード・ロックウッド Richard LOCKWOOD (USA) 12:34:29
- ジャン=フランソワ・コーション Jean-François CAUCHON (CAN) 12:58:11
- ブランドン・ハリー Brandon HULLEY (RSA) 13:01:59
- オリ・モリス Oli MORRIS (RSA) 13:07:41
UTMB110K 女子
- ジャズミン・ロウザー Jazmine LOWTHER (CAN) 12:04:25
- アントニーナ・ユシナ Antonina IUSHINA (RUS) 12:50:01
- エヴァ・スペルガー Eva SPERGER (GER) 13:07:21
- サマンサ・ライリー Samantha REILLY (RSA) 13:37:17
- エミリー・ジョック Emily DJOCK (USA) 13:53:41
- イヴ・ムーア Eve MOORE (GBR) 14:42:16
- ジュヌヴィエーヴ・アスラン=ドゥメール Geneviève ASSELIN-DEMERS (CAN) 14:47:03
- ブリタニー・ピーターソン Brittany PETERSON (USA) 14:49:12
- クレオ・アルバータス Cleo ALBERTUS (RSA) 15:21:00
- ブリアナ・グリグスビー Brianna GRIGSBY (USA) 15:56:10