2025年バークレーマラソン Barkley Marathons は完走者なし、最後の3人に残った井原知一の挑戦は成らず

米国のテネシー州フローズンヘッド州立公園で開催された2025年のバークレーマラソン Barkley Marathons は昨年の5人のランナーによる記録的な完走の後、今年は一人の完走者も出すことなく終了しました。周回コース5周のうち、3周目に日本の井原知一 Tomokazu Ihara を含む3人が挑みました。3人とも制限時間以内の3周目の完走はできず、今年の大会は完走者なしと決まりました。さらに制限時間を延ばして40時間以内に3周目を終える「ファンラン」を、過去3度の完走を成し遂げているジョン・ケリー John Kelly のみが達成しました。世界で最も過酷なトレイルランニングレースと呼ばれるこのイベントは、参加者たちに容赦ない挑戦を突きつけ、「勝利」することに成功しました。

2025年のバークレーマラソン Barkley Marathons が開幕、さらに過酷さを増した60時間へ

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2025年バークレーマラソン Barkley Marathons 2日目、3周目を走るのは井原知一をはじめわずか3人に

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スタートから厳しい展開が明らかに

3月18日午前11時37分(米国東部時間)に始まった今年のレースには40人のランナーが参加しましたが、第1ループを制限時間内に完走できたのはわずか10人でした。さらに第2ループを終えることができたのはたった4人に絞られました。ループ2を終えた順に、6回目の挑戦で初完走を目指す日本の井原知一 Tomokazu Ihara (24時間32分50秒)、3度の完走経験を持つジョン・ケリー John Kelly (USA) が25時間0分40秒、フランスのセバスチャン・ライション Sebastien Raichon (25時間29分15秒)、マキシム・ゴードゥイン Maxime Gauduin (25時間29分16秒)が、ループ3を開始します。

ループ3の戦い

ゴードゥインはループ3をスタート後まもなくリタイア。残る3人は各ループを12時間以内という5周完走の関門のペースから大幅に遅れていたため、40時間以内にループ3を完走する「ファンラン」が現実的な目標となりました。36時間以内にループ3を完走するランナーは現れず、残る4時間は井原、ケリー、ライションのうち誰かが「ファンラン」を成し遂げられるかに関心が集まりました。


結果は、ジョン・ケリーが39時間50分27秒でループ3を終えて「ファンラン」完走を認められました。セバスチャン・ライションは制限時間の40時間の2分前にフィニッシュ地点に現れたものの、要件が整わずループ3の完走を認められませんでした。井原知一は40時間経過後もフィニッシュ地点を目指しています(追記・その後、40時間経過から約2時間後に無事フィニッシュ地点となるキャンプに帰還したとのこと)。

厳しさを増したコース

昨年は史上初めて女性のジャスミン・パリスを含む5人もの完走者を出したバークレーマラソンは、この異例の結果を受け、レース創始者のゲイリー「ラザラス・レイク」カントレルと後継者のカール・ラニアクは、今年のコースの難易度を明らかに上げたと見られています。

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バークレーマラソンは5つのループで構成され、各ループを12時間以内、全体を60時間以内に完走する必要がありますが、コース自体は毎年変更されます。しかし、厳しい丘陵、刺々しいイバラ、総距離約120〜130マイル(約193〜209km)、標高差約60,000フィート(約18,300m)の過酷なコースであることは毎年変わりません。

今回のバークレーマラソンは、ランナーの挑戦を退けた「コースの勝利」という結果に終わりました。来年、ランナーたちはこの伝説的なイベントにどのように挑むのか、そして完走者は再び現れるのか。トレイルランニングコミュニティは今後も熱い視線を送り続けるでしょう。

今年のバークレイマラソンの情報はキース・ダン氏のX投稿のほか、イギリスのRUN247、アメリカのRun by Outsideが発信しています。

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