【Mt. FUJI 100 2025】岩井絵美 Emi IWAI「THE NORTH FACEアスリートとして迎える新シーズン、ASUMI40kに挑む」 大会前インタビュー

まもなく開催されるMt. FUJI 100。今年は新たにASUMI40kが加わり、3つのカテゴリーで熱戦が繰り広げられます。このASUMI40kにエントリーしているのが、昨年KAI70kで2位に入るなど目覚ましい活躍を見せる岩井絵美 Emi IWAI 選手です。岩井さんはこの春、THE NORTH FACEのアスリートチームに加わりました。故障からの復帰レースとなるASUMI40kへの意気込み、THE NORTH FACEアスリートとしての展望、そして自身のランニングチーム「RTRT」について、レースを直前に控えた岩井さんにお話を聞きました。

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THE NORTH FACEアスリートとして新たなステージへ

DogsorCaravan (以下DC):この春、THE NORTH FACEのアスリートチームに加入されました。おめでとうございます。まずは今の率直な気持ちをお聞かせください。

岩井絵美選手(以下、岩井):ありがとうございます。ずっと憧れていたザ・ノースフェイスのチームに入ることができて、本当に嬉しいです。とても選手を大切にしてくれるチームなので、さらにモチベーションが上がりました。怪我をしている時期もありましたが、チームが支えになってくれて、より頑張れると感じています。

DC:今回のスポンサーシップによって、これまで以上にプロアスリートとしての活動が増えるのでしょうか?パートナーの岩井竜太さんと運営されているコーチングやランニングチーム「竜太練」「RTRT」との両立はどのようになりますか?

岩井:そうですね、RTRTの運営とアスリート活動を並行してやっていくスタイルになると思います。THE NORTH FACEについて選手として発信できることもたくさんあると思います。そういった活動と、自分のチーム運営、どちらも頑張っていきたいです。

DCRTRTの活動にとっても、THE NORTH FACEとの連携で新しい展開がありそうですね。

岩井:たとえば今、THE NORTH FACEではVECTIVシリーズがアップデートされています。チームの活動を通して、試履会のようなイベントも一緒にできるのではないかと考えていますし、やっていきたいと思っています。

DCMt. FUJI 100の会場(富士北麓公園)では、THE NORTH FACEのトークイベントに登壇されると伺いました。

岩井:はい、大会最終日の4月27日曜日の午前9時から10時にトークセッションがあります。今回は海外のエリートアスリートも来日されるので、そういった方々と一緒に登壇する予定です。

Photo © rightup_inc

昨シーズンの躍進とRTRTのコミュニティの存在

DC:昨年は春のハセツネ30K5位入賞に始まり、KAI70k2位、阿蘇ボルケーノトレイル優勝、志賀高原100K優勝、そしてハセツネCUP2位と、素晴らしい成績を収められました。アジア太平洋選手権でも日本代表として8位に入り、非常に充実したシーズンだったと思います。ご自身ではどのような手応えを感じていましたか?

岩井:練習がしっかりできたシーズンだったので、思ったよりもパフォーマンスがしっかり発揮できた年でした。

DC:パートナーの竜太さんや、RTRTのコミュニティの皆さんの存在も大きかったのでしょうか?

岩井:そうですね。自分一人だけで頑張れる範囲は限られています。チームで一緒に頑張る練習もあります。チームメンバーの日々の練習状況をチェックさせてもらっているのですが、エネルギーあふれる皆さんの頑張りを間近で見ていると、自分も頑張れる。それがモチベーションにつながったのは大きいです。コーチとしてアドバイスする立場でありながら、そのことによって自分自身もモチベーションを得て強くなれる、良い循環が生まれていると思います。

新設のASUMI40kへの挑戦、コース戦略は「マイペースで後半勝負」

DC:昨年はKAI70kで準優勝でしたが、今回は新しくできたASUMI40kを選ばれました。その理由を教えていただけますか?

岩井:昨年同様にKAIで去年の自分を超えたいと思って準備はしてきたのですが、少し足の状態の回復が遅かったので、まずは40キロのスピードレースでしっかり頑張って、今後の6月、9月、10月のレースにつなげていきたいと考え、ASUMI40kで頑張ることにしました。

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DCASUMI40kは、Mt. FUJI 100という国際的なイベントの一部として、この距離を得意とする選手にとって世界レベルのレースを体験できる貴重な機会だと思います。昨年KAI優勝の吉住友里選手、昨年のMt. FUJI 100マイル優勝のシャン・フージャオ選手(中国)、アメリカのレイチェル・ドレイク選手など、国内外の強豪が集まりますが、レースへの期待はいかがですか?

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岩井:当初は有力選手はKAIやFUJI(100マイル)に集まるのかなと思っていたのですが、蓋を開けてみたらASUMI40k、特に女子選手は海外勢もしっかり集まっていたので、本当に楽しみです。より頑張りたいという気持ちが湧いてきました。

DC:コースの試走はされましたか? 印象はいかがでしたか?

岩井:4月10日に吉住友里さんと一緒にフルコースを試走してきました。富士吉田のエイド(約21km地点)までに累積標高は600mちょっとしか登らず、ロードや林道など、緩やかで走れるところがほとんどという印象です。そこから最後の15キロほどで霜山をがっつり登るので、そこが勝負どころかなと感じています。かなりスピードレースになりそうですね。

DC:レース戦略はどのように考えていますか?

岩井:試走してみて、かなりスピードレースになると分かったので、前半で置いていかれないように頑張らないといけないと思っています。ただ、私自身、今年は半年近くの故障期間があって、まだ完全には戻りきれていない部分があります。なので、最初からガンガン行き過ぎると後半潰れてしまうのが目に見えているので、私はマイペースに行って、しっかり後半で頑張りたいと思います。

シューズは「Summit VECTIV Sky 2」、シーズン後半の目標レースも視野に

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DC:レースで履くシューズは決まっていますか? この春登場したTHE NORTH FACEの新しいVECTIVシリーズの中から選ぶことになりますか?

岩井:はい、もう決まっていて、「Summit VECTIV Sky 2」で走ります。

DCASUMI40kの後、今シーズンのレースプランはどのように考えていますか?

岩井:まずは今回のASUMI40kでしっかりスピードを磨きたいです。その後、6月末に石川県で開催される「Kaga Spa Trail by UTMB」の100kmカテゴリーに出場し、ロングレースで結果を出したいと思っています。それ以降は、9月の世界選手権はまだ選考結果待ちですが、もし選んでいただけたらしっかり頑張りたいです。そして、やはり10月のハセツネCUPは頑張りたいですし、12月にはタイの「Chiang Mai Thailand by UTMB」にも挑戦したいと考えています。

ランニングチーム「RTRT」は後期メンバー募集中

DC:ご自身が竜太さんと運営されているランニングチーム「RTRT」について教えてください。現在、メンバー募集などは行っていますか?

岩井:「RTRT」は半年ごとの会員制チームで、1月から6月が前期、7月から12月が後期となっています。ちょうどその後期(7月~12月)のメンバー募集がスタートしたところです。興味がある方がいらっしゃいましたら、応募をお待ちしています。

DC:「RTRT」はどのようなチームなのでしょうか?

岩井:メンバーの目標は本当に人それぞれです。上級チームと中級チームの2つに分かれていて、上級チームは大会で入賞したいといった目標を持つ人が多いです。中級チームはレースを完走したい、まずは50kmのレースに出てみたい、トレイルランニングを楽しみたい、といった方が中心です。目標は違いますが、どちらのチームも、しっかりとレベルアップして成長できるような、「成長」にフォーカスしたチーム作りを目指しています。女性のメンバーも多いのが特徴です。

DC:活動は主にどのあたりで行っているのですか?

岩井:主に東京の高尾山周辺や、埼玉の飯能あたりの山ですね。夏は暑いので、標高の高い富士山の方に練習に行くこともあります。ご関心のある方はチェックしていただければと思います。

インタビューを終えて

岩井絵美選手にとっては、今回のMt. FUJI 100は故障からの復帰戦であり、そしてTHE NORTH FACEアスリートとしての初陣ともいえます。インタビューではASUMI40kについての冷静な分析と、後半勝負にかける意気込みが感じられました。国内外の有力選手が集うスピードレースで、岩井さんがどんな走りを見せるのか、そしてシーズンを通してどのような活躍を見せてくれるのか、注目です。

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