Onが三浦龍司選手とアスリート契約を締結、東京世界陸上での飛躍誓う

スイスのスポーツブランド、オン（On）は、2025年4月22日、陸上男子3000m障害の日本記録保持者であり、国内外の主要大会で活躍する三浦龍司選手とのアスリート契約締結を発表しました。SUBARU陸上競技部に所属する三浦選手は、Onのサポートを得て、2025年の東京世界陸上をはじめとする世界の舞台でのさらなる飛躍を目指します。

東京、国立競技場で行われた記者会見を取材しました。

Onグローバルアスリートマネジメント責任者の期待

発表会に登壇したオンのグローバルアスリートマネジメント責任者のスティーブ・デコーカー Steve Decoker (USA)氏は、今回の契約締結について次のように語りました。「まず、三浦選手がOnのアスリートファミリーに加わることを大変光栄に思います。Onはアスリートによって設立されたブランドであり、世界のトップアスリートとのパートナーシップを非常に重要視しています。三浦選手は世界でも最高のトラックアスリートの一人であり、国内外の舞台でその実力を証明しています。」

デコーカー氏は、三浦選手が所属するSUBARU陸上競技部がOnのスポンサー先であることにも触れ、「今回の契約はSUBARUとのパートナーシップをさらに強化するものです」と述べました。さらに、日本市場の重要性を強調し、「日本はOnにとって非常に重要な市場であり、大きな成長の可能性を秘めています。だからこそ、日本のトップアスリートとのパートナーシップが必要でした。三浦選手は、私たちが最もパートナーシップを結びたかったアスリートです」と、三浦選手への高い期待を示しました。

今後のサポートについては、「三浦選手が競技における最終的な目標を達成できるよう、全力でサポートします。我々は『三浦選手が勝てば、我々も勝つ』という考えのもと、彼と共に最高のパフォーマンス製品を開発していきたいと考えています。また、三浦選手が日本の次世代アスリートたちにインスピレーションを与え、困難に立ち向かい目標を達成していくプロセスを支援していきたい」と語りました。

三浦龍司選手とOnのスティーブ・デコーカー氏

三浦選手「新たなスタート、共に高みへ」

契約締結を受けて、三浦選手は喜びと決意を次のように述べました。「この度、Onとアスリート契約を締結できたことを大変光栄に思います。新しい競技人生のスタートとして非常に新鮮な気持ちですし、より一層モチベーションが高まっています。」Onというブランドについては、「すごく勢いのあるブランドだと感じています。これから自分自身がさらに飛躍していく上で、Onのサポートやブランドの勢いを力に変え、さらに上を目指していける。共に高め合っていけるブランドだと感じています」とその印象を語りました。

三浦龍司選手がOnのシューズで国立競技場のトラックを走るデモンストレーションも行われた。

今後の目標については、まず今年東京で開催される世界陸上に言及。「自国開催の世界陸上は、自分自身をアピールできる大きなチャンスです。Onアスリートとしての最初の大きな一歩として、この大会を大切にし、しっかりと結果を残してアピールしたいです」と力強く語りました。具体的な目標としては、「表彰台、メダル獲得という目標は変わりません。それに加えて、記録も更新していきたい」と高い目標を掲げました。将来的にはオリンピックでのメダル獲得、特に金メダル獲得を目指していくと話しました。

続いて行われた質疑応答では、使用するシューズについても触れられました。レースでは主にカーボンプレート搭載のスパイク「クラウドスパイクアンプリウス Cloudspike Amplius」を、普段のジョギングではクッション性と反発性を両立した「クラウドサーファー Cloudsurfer」を使用する予定とのこと。クラウドサーファーについては「反発性が高く、自然とペースが上がる感覚がある」とコメントしました。

三浦龍司選手のプロフィールと主な実績

氏名: 三浦龍司 (みうらりゅうじ) Ryuji Miura (JPN)
生年月日: 2002年2月11日 (23歳)
出身地: 島根県浜田市
所属: SUBARU陸上競技部 (2024年4月～)
主な自己記録:
- 1500m: 3分36秒59 (2022年)
- 5000m: 13分26秒78 (2021年)
- 3000mSC: 8分09秒91 (2023年ダイヤモンドリーグパリ大会 – 日本記録)
主な実績:
- 2021年東京オリンピック 3000mSC 7位入賞
- 2023年ブダペスト世界陸上 3000mSC 6位入賞
- 2024年パリ五輪 3000mSC 代表内定(5月ドーハDLで参加標準記録突破)