2025年のGTWS(ゴールデントレイルワールドシリーズ)第2戦は、4月26日土曜日に中国の金山嶺(ジンシャンリン)で開催され、灼熱の気候と乾燥した過酷なコースの中、パトリック・キプンゲノ Patrick Kipngeno(KEN)とキャロライン・キムタイ Caroline Kimutai(KEN)が男子、女子のレースで勝利を収めました。史跡である万里の長城を舞台にしたこの大会は、壁の東門付近にある無限に続く階段とリッジラインが特徴的な距離24.2km 累積獲得高度1,800mD+のコースで行われました1。
(写真 優勝したパトリック・キプンゲノ Patrick Kipngeno のフィニッシュ。Photo © ANTHONY DEROEUX / GTWS)
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女子レース:キムタイ、GTWSデビュー戦で輝かしい勝利
女子レースは現地時間午後2時にスタート。初めの舗装路の区間でヤオ・ミャオ Miao Yao(CHN)がリードします。キャロライン・キムタイ、ジョイライン・チェプンゲノ Joyline Chepngeno(KEN)、マダリナ・フロレア Madalina Florea(ROU)、ジョイス・ニェル Joyce Muthoni Njeru(KEN)、サラ・アロンソ Sara Alonso(ESP)といった選手が先頭集団を形成します。
最初の数キロと急な登りを過ぎても集団は密接してコースを進んでいましたが、乾燥した過酷な地形が徐々に選手をふるいにかけるかのように選手に挑みます。レース開始から約40分後、万里の長城に入ると、キャロライン・キムタイが集団を抜け出し、チェプンゲノとフロレアが追走します。絶え間ない登り下りを繰り返す間に、先頭の順位も絶え間なく入れ替わります。
キャロライン・キムタイは2時間39分14秒でフィニッシュし、GTWSのデビュー戦を見事な勝利で飾りました。ジョイライン・チェプンゲノが2位(2時間41分26秒)、マダリナ・フロレアが3位(2時間43分15秒)に入りました。サラ・アロンソは4位、ヤオ・ミャオが5位、そして日本の髙村貴子 Takako Takamura (JPN) が6位で続きました。

高村貴子が前週の神戸に続いて参戦。 Photo © GTWS
キャロライン・キムタイは初優勝についてコメント。「とても嬉しいです。簡単ではありませんでしたが、11月から今日まで本当に懸命にトレーニングしてきました。最も厳しかったのは17km地点からで、何度か転倒しましたが、立ち上がって前進し続けました。諦めずにフィニッシュまで頑張りました。」と話しました。

女子トップ5 Photo © GTWS
男子レース:キプンゲノが神戸に続いて開幕2戦を連覇
女子スタートの20分後に始まった男子のレースは、エゼキエル・ルット Ezekiel Rutto(KEN)が序盤をリードします。続いたのはフィレモン・キリアゴ Philemon Kiriago(KEN)、チェザレ・マエストリ Cesare Maestri(ITA)、そしてパトリック・キプンゲノでした。
このレースのコースは長い露出した稜線と厳しい登りが組み合わさったテクニカルなトレイルであるのが特徴です。ランナーはそれぞれのセクションでどのように出力をコントロールするか、緻密に管理することが求められます。レース中盤に入るとキプンゲノが先頭に立ち、ティモシー・キベット Timothy Kibett (KEN)とジョーイ・ハドーン Joey Hadorn(SUI)が追走する展開となります。中でもハドーンはテクニカルなセクションでコースを読み解き、走破するスキルを発揮しました。
残り1kmとなってもキプンゲノは自分のペースを貫き、追うキリアゴとハドーンからのプレッシャーにもかかわらず、2時間13分05秒でフィニッシュラインを通過し、2025年GTWSで2連勝を達成しました。フィレモン・キリアゴが43秒差となる2時間13分48秒で2位に、ジョーイ・ハドーンが3位(2時間14分03秒)となりました。
優勝後にパトリック・キプンゲノは「前回のレース(神戸トレイル)後、とても疲れていました。最初はリードグループの後ろからスタートしましたが、17km地点で、中国でこのタイトルを獲得したいと自分に言い聞かせ、勝利に向けて突き進みました」とこの日の勝利について話しました。

男子トップ5 Photo © GTWS
GTWS第二戦リザルト(中国・金山嶺<ジンシャンリン>)
女子
- キャロライン・キムタイ Caroline KIMUTAI (KEN) 2:39:14
- ジョイライン・チェプンゲノ Joyline CHEPNGENO (KEN) 2:41:26
- マダリーナ・フロレア Madalina FLOREA (ROU) 2:43:15
- サラ・アロンソ Sara ALONSO (ESP) 2:44:19
- ミャオ・ヤオ Miao YAO (CHN) 2:50:26
- 髙村貴子 Takako TAKAMURA (JPN) 2:54:21
- マリー・ニヴェ Marie NIVET (FRA) 2:58:33
- リンジェ・チ Lingjie CHI (CHN) 3:02:58
- コートニー・バーンズ Courtney BARNES (USA) 3:05:05
- レイチェル・トマジック Rachel TOMAJCZYK (USA) 3:06:08
男子
- パトリック・キプンゲノ Patrick KIPNGENO (KEN) 2:13:05
- フィレモン・オンボゴ・キリアゴ Philemon Ombogo KIRIAGO (KEN) 2:13:48
- ジョーイ・ハドーン Joey HADORN (CHE) 2:14:03
- ティモシー・キベット Timothy KIBETT (KEN) 2:17:42
- チェザーレ・マエストリ Cesare MAESTRI (ITA) 2:20:38
- サムウェル・キプロティッチ Samwel KIPROTICH (KEN) 2:21:22
- ダニエル・パッティス Daniel PATTIS (ITA) 2:23:23
- ピエール・ガルボルダン Pierre GALBOURDIN (FRA) 2:24:15
- エゼキエル・ルット Ezekiel RUTTO (KEN) 2:24:18
- シルヴァン・カシャール Sylvain CACHARD (FRA) 2:27:19
次戦はイタリア・リグーリア州の「イル・ゴルフォ・デリソラ・トレイル」
2025年のGTWSはこの後欧州へ凱旋します。第3戦はイタリアの海岸で、5月17日にイル・ゴルフォ・デリソラ・トレイルが開催されます。
GTWS 2025カレンダー
- 4月19日 – 神戸トレイル Kobe Trail – 21.3 km / 2,109 m D+ – 日本・神戸
- 4月26日 – 金山嶺グレートウォールトレイルレース Jinshanling Great Wall Trail Race – 24.2 km / 1,800 m D+ – 中国・河北省承徳市
- 5月17日 – イル・ゴルフォ・デリソラ・トレイル Il Golfo dell’Isola Trail – 26 km / 1,400 m D+ – イタリア・ノーリ
- 5月25日 – Zegama-Aizkorri ゼガマ-アイズコリ – 42 km / 2,736 m D+ – スペイン・ゼガマ
- 6月22日 – ブロークン・アロー・スカイレース Broken Arrow Skyrace – 21.7 km / 1,433 m D+ – アメリカ・オリンピックバレー
- 6月29日 – テペックトレイル Tepec Trail – 32 km / 1,800 m D+ – メキシコ・ワスカ・デ・オカンポ
- 8月2日 – サロモン・ピッツ・アルパイン・グレイシャー・トレイル Salomon Pitz Alpine Glacier Trail – 23.5 km / 1,700 m D+ – オーストリア・ピッツタール
- 8月9日 – シエール-ジナル Sierre-Zinal – 31 km / 2,200 m D+ – スイス・シエール
- 10月 – グランドファイナル – イタリア・トレンティーノのレドロ渓谷














