エラザウィとアロンソがゼガマ・アイスコリ Zegama-Aizkorri で初勝利、2025年 GTWS 第4戦

2025年5月25日、スペイン・バスク地方のゼガマ Zegamaで開催されたゼガマ・アイスコリ山岳マラソン Zegama-Aizkorri Mendi Maratoia Marathonでは、エルハウシン・エラザウイ Elhousine Elazzaoui (MAR)とサラ・アロンソ Sara Alonso (ESP) が栄冠を手にしました。GTWS(ゴールデントレイルワールドシリーズ)の第4戦となった今年のゼガマは、例年の雨とウェットなトレイルとは異なる、晴天と乾燥したコンディションの中で行われ、両選手が圧倒的な強さを見せつけました。

(写真は地元のビッグレースで勝利をおさめたサラ・アロンソ Sara Alonso。Photo © GTWS/Rising.Story/AnthonyDeroeux)

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異例の好天が生んだ高速レース

今年のゼガマ・アイスコリは、この地域としては珍しく泥がない乾燥したトレイルコンディションとなりました。標高2,000メートル級の4つの山(アラツ Aratz、アイスコリ Aizkorri、アイツリ Aitxuri、アンドライツ Andraitz)を結ぶ42km、累積標高差2,736mD+のコースは、例年よりも走りやすいコンディションとなり、近年のこの大会の中では最も高速なレースの一つとなりました。

アイスコリ・アラツ自然公園 Aizkorri-Aratz Natural Parkの険しい岩場と急登に象徴されるテクニカルなコースがゼガマの特徴ですが、今年は好天に恵まれたことで異例の高速レースが展開されました。

男子優勝のエルハウシン・エラザウイ Elhousine Elazzaoui。Photo © GTWS/Rising.Story/AnthonyDeroeux

男子優勝のエルハウシン・エラザウイ Elhousine Elazzaoui。Photo © GTWS/Rising.Story/AnthonyDeroeux

サラ・アロンソが地元で完璧な勝利を挙げてGTWS総合首位に

女子のレースでは、地元バスク地方のサン・セバスティアン San Sebastián 出身のサラ・アロンソ Sara Alonso (ESP) が最初から最後まで先頭を走り続ける完璧なレースを見せました。レース序盤から先頭に立ったアロンソは、他の選手の追随を許すことなく4時間27分25秒でフィニッシュ。2022年に3位でこのレースにデビューし、2度目の挑戦で頂点に立ちました。

アロンソは「バスク人にとってゼガマで勝つのは信じられないことですし、チャペラ(優勝者の帽子)を獲得するのは夢でした。厳しい2年間でしたが、この冬はハードに練習しました。自分を信じて1キロ目から攻めました。最後の数キロメートルは本当にきつかったです」とフィニッシュ後にコメントしました。

スイスのユディット・ヴィダー Judith Wyder (SUI) がアロンソを追い続け、最後は2分22秒差の4時間29分47秒で2位でフィニッシュ。3位にはレース後半に順位を上げたマレン・オサ Malen Osa (ESP) が4時間31分18秒で入りました。

ヴィダー選手は「今日のサラは最高でした。私は自分のレースをして戦おうとしました。過去3週間背中の痛みに苦しんでいましたが、なんとかフィニッシュできて満足しています」と話しています。

Photo © GTWS/Rising.Story/AnthonyDeroeux

Photo © GTWS/Rising.Story/AnthonyDeroeux

エルハウシン・エラザウイが3度目の正直でゼガマを初制覇

男子は、アンドレウ・ブラネス Andreu Blanes (ESP) が序盤から積極的な走りを見せ、レース中盤までこの日のレースをリードします。しかし、30キロ地点のアンドライツ Andraitzへの登りで、エルウシン・エラザウイ Elhousine Elazzaoui (MAR) が狙い澄ましたかのようにブラネスの背中を捉え、一気に先頭に立ちます。

Photo © GTWS/Rising.Story/AnthonyDeroeux

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過去2年連続でここゼガマで2位に終わっていたエラザウイは、その後のモアノ Moano へのテクニカルな下りでその強さを発揮します。ブラネスをはじめ後続の追走を許すことなく逃げ切り、3時間43分28秒でゼガマの町に設けられたフィニッシュゲートをくぐり、悲願の初勝利を達成しました。

「とても嬉しいです。これは私の夢でした。良いコンディションだと感じていました。ゼガマで勝つのは私にとって歴史的なことです」とエラザウイは自らの喜びを口にしました。

その後、ブラネスは一度は先を譲ったものの、最終盤で2位のポジションを取り返して3時間50分53秒でフィニッシュ。エラザウィから7分半の差でした。3位にはイタリアのダニエル・パティス Daniel Pattis (ITA) が3時間51分40秒で入りました。パティスは「ここにいる誰もが非常に高いレベルにあると考えていたので、良い日であればトップ5に入れるかもしれないと思っていました。しかし、表彰台に上がれるとは想像もしていませんでした」とコメント。この日は3位のパティスのほか、4位のデル・ペロ、5位のベルトラミと男子はイタリア勢の活躍が目立つレースとなりました。

リザルト

全体のリザルトはこちら

女子

  1. サラ・アロンソ Sara Alonso (ESP) – Asics – 4時間27分25秒
  2. ユディット・ヴィダー Judith Wyder (SUI) – Hoka – 4時間29分47秒
  3. マレン・オサ Malen Osa (ESP) – Salomon – 4時間31分18秒
  4. ロサ・マリア・ララ・フェリウ Rosa María Lara Feliu (ESP) – Compressport – 4時間32分00秒
  5. テレス・ルブフ Theres Leboeuf (SUI) – Compressport – 4時間33分29秒
  6. イクラム・ラルサラ Ikram Rharsalla (ESP) – Joma – 4時間37分39秒
  7. イーダ・アメリエ・ロブサム Ida Amelie Robsahm (NOR) – Hoka – 4時間38分41秒
  8. オイアナ・コルタサー Oihana Kortazar (ESP) – Salomon – 4時間42分59秒
  9. パトリシア・ピネダ Patricia Pineda (ESP) – La Sportiva – 4時間44分22秒
  10. マルタ・マルティネス・アベリャン Marta Martínez Abellán (ESP) – La Sportiva – 4時間44分29秒
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男子

  1. エルハウシン・エラザウイ Elhousine Elazzaoui (MAR) – NNormal – 3時間43分28秒
  2. アンドレウ・ブラネス Andreu Blanes (ESP) – Hoka – 3時間50分53秒
  3. ダニエル・パティス Daniel Pattis (ITA) – Brooks – 3時間51分40秒
  4. ルカ・デル・ペロ Luca Del Pero (ITA) – Scarpa – 3時間54分19秒
  5. ロレンツォ・ベルトラミ Lorenzo Beltrami (ITA) – Scarpa – 3時間54分58秒
  6. トマ・カルダン Thomas Cardin (FRA) – Kiprun – 3時間55分34秒
  7. アントニオ・マルティネス Antonio Martínez (ESP) – Asics – 3時間56分42秒
  8. ニコラス・モリーナ Nicolás Molina (ESP) – La Sportiva – 3時間58分51秒
  9. スティアン・アンゲルムンド Stian Angermund (NOR) – 3時間59分46秒
  10. マルチン・クビツァ Marcin Kubica (POL) – Salomon – 3時間59分50秒

GTWSの次のレースはカリフォルニアのブロークンアロー・スカイレース

ゼガマ・アイスコリでの熱戦を終え、GTWSはアメリカ大陸へと舞台を移します。次戦は6月22日に米国のカリフォルニア州パリセーズ・タホ Palisades Tahoeで開催されるブロークンアロー・スカイレース Broken Arrow Skyraceとなります。

シエラネバダ山脈の中心部で行われるこのレースは、23キロメートルのコースに1,433メートルの獲得標高を持つヨーロッパスタイルの山岳コースとなっています。

今回のゼガマでの優勝でサラ・アロンソが年間ランキングの女子トップとなるなど、2025年のGTWSの総合順位も動いており、シーズン後半戦に向けてさらに熱いレースが期待されます。

(Source: GTWS)

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