6月13日金曜日から15日日曜日にかけてイギリスで開催された サウス・ダウンズ・ウェイ 100マイル South Downs Way 100(SDW100)において、男女ともにコースレコードが更新されるという素晴らしい記録が生まれました。14回目を迎えたこの大会は、これまでで最も競争の激しいレースとなりました。
Gran Canaria World Trail Majorsの一戦として行われたこの大会は、イギリスを代表するトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会主催者であるCenturion Runningがプロデュースして開催されました。161kmの距離で累積獲得標高3,800mD+の「100マイル」のコースは、イギリスらしい独特の雰囲気を持つイベントとして知られています。今大会からは、WTMのショートシリーズとして50kmのレース(SDW50K、累積1200mD+)も新設されました。
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(All photos (c) South Downs Way 100 / Gran Canaria World Trail Majors)
SDW100はマーク・ダービーシャーとルーシー・ゴセージがコースレコードを更新して優勝
マーク・ダービーシャーが圧倒的な強さで男子レースを制す
100マイルのレースは金曜日の早朝5時30分、ウィンチェスター Winchester近郊のマターリー・ボウル Matterley Bowlをスタートしました。前日の猛暑から一転、夜間の雨と曇り空のおかげで涼しいコンディションとなりました。
序盤はフラットなレースを得意とするアドリアン・コンブ Adrien Combe (FRA)がレースをリードしましたが、23.4マイル地点のチェックポイントまでに脚の痙攣で後退。代わってピーター・ニューマン Peter Newman (GBR)がトップに立ちましたが、トップ10の選手が数分差で続く混戦模様となりました。
雲が晴れて日中の気温が上昇する中、レースは激しさを増します。55マイル地点のチェックポイントでは、力強い走りを見せるマーク・ダービーシャー Mark Darbyshire (GBR)が6分のリードを奪ってトップに躍り出ました。この時点で男子の上位8選手がコースレコードを上回るペースで進むという、驚異的な展開となりました。
終盤に入ると、ダービーシャーは完全にレースを支配。76.6マイル地点では2位に12分の差をつけ、独走態勢を固めます。最終的にダービーシャーは13時間42分54秒でフィニッシュし、これまでの大会記録を21分も更新する圧巻の勝利を飾りました。フィニッシュ後の第一声は「走りやすすぎるよ!」というもので、その強さを物語っていました。
2位には14時間13分02秒でヒュー・ティッブス Hugh Tibbs (GBR)、3位には14時間41分41秒でモーガン・グレイジャー Morgan Glazier (GBR)が入りました。
女子はルーシー・ゴセージが激戦を制し、コースレコードで勝利
女子のレースは、序盤からルーシー・ゴセージ Lucy Gossage (GBR)と、今回が初の100マイルレースとなるジュリア・デイビス Julia Davis (GBR)による、まさに「二強対決」の様相を呈しました。二人は常に1分以内の差で首位を入れ替わりながらコースを進み、レースは終盤まで緊迫した展開が続きました。
76.6マイル地点では、その差はわずか17秒。ペーサーをつけないゴセージに対し、デイビスは経験豊富なペーサーを起用し、どちらが勝つか全く予測できない状況でした。
しかし、残り10マイルでゴセージがリードを広げ、最終的には12分差をつけて勝利。16時間30分35秒というタイムで、女子のコースレコードを13分以上更新しました。激戦を演じたデイビスも16時間41分09秒で2位に入り、こちらも従来のコースレコードを上回る快走でした。3位にはニコール・フリスビー Nicole Frisby (GBR)が16時間56分48秒で続き、女子の表彰台に上がった3名全員が17時間を切るという、大会史上最もハイレベルなレースとなりました。
SDW50K:新設レースはロビー・シンプソンとイモージェン・エインズワースが制す
今回から新設されたSDW50Kは、SDW100と同じくマターリー・ボウルをスタートし、クイーン・エリザベス・カントリー・パークでフィニッシュするコースで行われました。
男子レースは、スタートからリードを奪ったロビー・シンプソン Robbie Simpson (GBR)が一度もその座を譲ることなく、3時間13分32秒で圧勝しました。2位には10分差でピーター・ル・グライス Peter Le Grice (GBR)が3時間23分19秒で、3位にはエドゥアルド・エルナンデス Eduard Hernández (ESP)が3時間28分36秒で入りました。
女子レースも、男子同様にイモージェン・エインズワース Imogen Ainsworth (GBR)がスタートから独走。中間地点ではすでに2位に7分のリードを築き、最終的に4時間4分18秒で優勝しました。2位はホリー・ステイブルズ Holly Stables (GBR)が4時間17分57秒、3位にはレベッカ・キャノン Rebecca Cannon (GBR)が4時間22分17秒で続きました。エインズワースは、Black Canyons 60Kでの4位に続き、この優勝でGran Canaria World Trail Majorsのショートシリーズで重要なポイントを獲得しました。
Gran Canaria World Trail Majorsは、3週間後にカナダで開催される ケベック・メガ・トレイル Quebec Mega Trail へと続きます。
CENTURION SOUTH DOWNS WAY 100 2025 女子
- ルーシー・ゴサージ Lucy GOSSAGE (GBR) 16:30:35
- ジュリア・デイビス Julia DAVIS (GBR) 16:43:08
- ニコール・フリスビー Nicole FRISBY (GBR) 16:58:45
- カーラ・ボーランド Karla BORLAND (GBR) 17:52:21
- ティナ・ベルグマン Tina BERGMAN (SWE) 19:06:38
- ヘレン・ニューマン Helen NEWMAN (GBR) 19:50:58
CENTURION SOUTH DOWNS WAY 100 2025 男子
- マーク・ダービシャー Mark DARBYSHIRE (GBR) 13:42:54
- ヒュー・ティブス Hugh TIBBS (GBR) 14:13:02
- モーガン・グレイジア Morgan GLAZIER (GBR) 14:41:41
- クリス・ケリー Chris KELLY (GBR) 14:57:56
- サイモン・ウィザーズ Simon WITHERS (GBR) 15:32:17
- ジェズ・ブラッグ Jez BRAGG (GBR) 15:35:01
CENTURION SOUTH DOWNS WAY 50km 2025 女子
- イモジェン・エインズワース Imogen AINSWORTH (GBR) 4:04:18
- ホリー・ステイブルズ Holly STABLES (GBR) 4:17:57
- レベッカ・キャノン Rebecca CANNON (GBR) 4:22:17
- イモジェン・ボディー Imogen BODDY (GBR) 4:31:21
- ソフィー・ビッグス Sophie BIGGS (GBR) 4:34:31
- アンナ・ミシェル・バッキンガム Anna Michelle BUCKINGHAM (GBR) 4:35:32
CENTURION SOUTH DOWNS WAY 50km 2025 男子
- ロビー・シンプソン Robbie SIMPSON (GBR) 3:13:32
- ピーター・ル・グリス Peter LE GRICE (GBR) 3:23:29
- エドゥアルド・エルナンデス・テイシドール Eduard HERNANDEZ TEIXIDOR (GBR) 3:28:36
- ジャック・オーツ Jack OATES (GBR) 3:34:49
- チャールズ・ピアソン Charles PEARSON (GBR) 3:41:13
- ベン・ピーターズ Ben PETERS (GBR) 3:56:38














