国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。
(写真・今年のUTMBのスタート。Photo © UTMB / Franck Oddoux)
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先週末開催のイベント
8月25日月曜日 – 31日日曜日
HOKA UTMB Mont Blanc(176k, 101k, 57k, 300k, 148k, 40k, 15k, 15k)
フランス、シャモニー Chamonix を中心とするモンブラン 山域で今年も1週間にわたる世界最高峰のトレイルランニングの祭典が行われました。世界中から1万人のエリートおよび一般ランナー、そして選手をを支える2,600人ものボランティアがこの地に集まりました。
UTMBワールドシリーズファイナルとなるUTMB、CCC、OCCの三つのレースは今年も多くのドラマを生み出しました。
UTMBの女子レースでは、ルース・クロフト Ruth Croft (NZL) が圧倒的な強さで優勝。彼女は、2015年のCCC、そして2018年と2019年のOCCでの優勝経験を持ち、今回ついにUTMBのタイトルを獲得しました。UTMBで三度の優勝経験を持ち、今回も優勝候補と注目されていたコートニー・ドウォルター Courtney Dauwalter (USA) は一夜明けたレース後半になって失速。不調を抱えながらも懸命に前へ進む女王の姿にはコース上や会場から惜しみない声援が送られました。ドウォルターは女子10位で完走しています。
男子のUTMBでは、トム・エバンス Tom Evans (GBR) が鮮やかな展開で悲願の初優勝を達成しました。2022年のUTMBで3位入賞し、世界のトップランナーとしての地位を確立したものの、その後の2年間は悔しいDNFを重ねていました。今年は序盤から冷静にレースを進め、得意の登りでライバルたちを引き離すという、彼の強さが凝縮されたレース運びを見せました。
50kカテゴリーのOCCでは、男子はジム・ウォルムズレー Jim Walmsley (USA) がそのスピードを見せつけ、女子はケニアのアスリート、ジョイリーン・チェプンゲノ Joyline Chepngeno (KEN) がそれぞれ優勝しました。男子は優勝したウォルムズレーと2位のクリスティアン・ミノッジョ Christian Minoggio (ITA) との差がわずか20秒という大接戦となりました。
CCCでも同様に手に汗握る展開が見られました。男子はフランチェスコ・プッピ Francesco Puppi (ITA) が、女子はマルティナ・ムリナルチク Martyna Mlynarczyk (POL) がそれぞれ勝利を手にしました。女子レースでは2位のシルビア・ノルドスカル Sylvia NORDSKAR (NOR)との差はわずか18秒という、100kmレースでは稀に見る僅差の決着となりました。
このほか2〜3人のチームで地図を頼りに進むアドベンチャーレースである PTL (300km, 25,000mD+)では、スイスのガビウ兄弟 Gabioud brothers (SUI) が、悪天候により一部コースが変更される厳しいコンディションの中、他を寄せ付けない圧倒的な強さを見せつけ、4度目の勝利を収めました。
TDS (153km, 9,000mD+)ではこれまで経験豊富なベテランが活躍することが多かったものの、今年は表彰台に上がった6人のうち4人が31歳未満と、若い世代の台頭が光りました。男子はアントワーヌ・シャルヴォラン Antoine Charvolin (FRA) 、女子はカレス・アーノルド Careth Arnold (USA) が優勝しました。
大会を支えるボランティアや地元住民、大会パートナーを主役とするMCC (40km, 2,300mD+)は大会初日の月曜日に行われました。ヨアン・スタック Yoann Stuck (FRA)が男子優勝、マリーヌ・キンタール Marine Quintard (FRA) が女子優勝と地元フランス勢が男女の表彰台を独占し、コミュニティの絆を深めました。
DogsorCaravanでは今年のHOKA UTMB Mont-Blancの開催前の有力選手紹介から、各レースのリザルト、そして今回のレースを制した選手たちのインタビューを紹介するコンテンツをお届けしました。
8月27日水曜日 – 29日金曜日
The Great Naseby Water Race(200mile, 200km, 100mile, 100km, 80km, 50km)
ニュージーランドの南島オタゴ地方の町ネーズビーの一周10kmの周回コースで開催されました。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。
8月29日金曜日 – 31日日曜日
World Masters Mountain Running Championships 2025
Meduno, Italy
30歳以上のベテラン選手のアスリートを対象に年代別に競うマウンテンランニングの世界選手権。開催地のイタリア、メドゥーノ Meduno は、ヴァル・トラモンティーナ Val Tramontina の入口に位置し、フリウリ地方の丘陵地帯に囲まれています。コースとなった山、モンテ・ヴァリーニス Monte Valinis はパラグライダーなどのエアリアルスポーツや、マウンテンランニングの名所として高く評価されており、川沿いのビーチ、歴史ある集落、パノラマ絶景の稜線が広がる自然の中でレースが開催されました。初日のアップヒルはメドゥーノ発・モンテ・ヴァリニス頂上着の約5km/累積800m(リザルト)、二日目のロングは34km(リザルト)、最終日は約14.1kmで登り735m・下り730mのクラシックのレースが行われました(リザルト)。
今週末開催のイベント
8月25日月曜日 – 9月7日日曜日
Swiss Peaks(700k, 380k, 170k, 100k, 70k, Marathon, Half marathon)
スイスのレマン湖畔の町、ボヴレを起点に、氷河から湖へとバレー州を横断する超長距離ステージが特徴のイベントです。前週に最長距離の700kmがスタートしており、先週末の8月31日日曜日には380kがスタート。週末にかけてそのほかのレースも開催されます。380kには日本からも多数選手が参加しており、ライブトラッキングで応援できます。
9月1日(月)- 5日(金)
Dragons Back Race(380km)
世界最高峰の過酷さと絶景が評価される山岳超長距離レース。ウェールズの山脈「ドラゴンズ・バック」を縦走し、6日間で約380km、累積獲得高度16,400mD+のコースの完走を目指します。「世界で最もタフなマウンテンレース」と称され、長時間にわたって山と向き合う究極のイベントとして知られています。
9月3日(水)- 6日(土)
Ultra Tour Monte Rosa(170km stage, 170km, 106km, 63km, 23km)
アルプス第2の高峰モンテローザをぐるりと巡るシングルステージ、またはマルチデイのステージレースです。UTMBよりもテクニカルかつワイルドとされるコースは、標高差や難易度も高いといいます。コースは170kmを一気に走るシングルステージか、4日間に分割したステージレース形式(41km+42km+45km+44km)で走ります。そのほかに106km、60km、23kmのコースも用意されており、柔軟に好みのスタイルを選べます。圧倒的な自然美と、ランナーとスタッフの一体感からランナーの評価が高い大会です。
9月5日(金)- 7日(日)
adidas INFINITE TRAILS
オーストリア・ザルツブルク州ガスタインで開催されるトレイルランニングイベント。中心となるのは3人1組で走るリレー形式のレースで、3区間の合計は約100km、累積標高約7,700mとなります。ソロの種目も60K、45K、30K、15Kが用意されています。コースはガムスカールコーゲル、グラウコーゲル、シュトゥブナーコーゲルなどを結ぶ高峰縦走がハイライトで、アルプスらしい岩稜と草稜の多彩な地形を満喫できます。
Canfranc Canfranc(100k, 70k, 45k, 16k, VK)
ピレネー山脈のスペイン側の町、カンフランクで開催。ピレネー山脈の雄大な自然を舞台に、Uphill 4K、Classic 16K、Long Distance 26K、Marathon 45K、Ultra 70K、Ultra 100Kなどの多彩な種目が3日間にわたって開催されます。累積標高差の大きい厳しい山岳コースが特徴となっています。カンフランでは今月、WMTRC世界選手権が予定されており、カンフランは注目を集めています。
Ultra-Trail Harricana du Canada(125k, 80k, 65k, 42k, 28k, 20k, 10k)
カナダ・ケベック州シャルルボワ地方で開催されるトレイルランニング大会です。カナダ屈指の大自然とユネスコ生物圏保護区に認定されたエリアを走ります。125kmのコースは累積標高4,635mD+となり、森林、山岳、川、クレーター地形など、変化に富んだワイルドなトレイルが魅力です。
Desafío Urbión(70k, 37k, 4.8k)
スペインのカスティーリャ・イ・レオン州ソリア県のコバレダで開催される大会で、昨年はスカイランニング世界選手権の開催地として話題になりました。累積標高2,600m・距離37kmの「レイナ(女王)レース」を中心に、17kmの「OPEN」、さらに初心者や若年層向けの6kmレースやキッズ向け種目もあります。
9月5日(金)- 6日(土)
Superior 100(100m, 50m, 42k)
アメリカ・ミネソタ州北部のスーペリア・ハイキング・トレイルをコースとして、毎年開催される伝統ある100マイル(約160km)の大会です。美しいスーペリア湖や雄大な北方林、複数の渓流・滝を望みながら走れる、絶景も大きな魅力。秋に開催されるため、紅葉真っ盛りの絶景を見ながら走ることができます。
Wasatch Front 100
アメリカ・ユタ州のワサッチ山脈で長い歴史を誇る100マイルのウルトラランニングのイベントです。コースはいわゆるワンウェイの距離約161km、累積標高約7,300mD+以上となっています。
9月6日(土)- 7日(日)
千歳青葉ウルトラトラックレース(12h, 24h)
北海道千歳市・青葉陸上競技場の400mトラックで開催されるウルトラマラソンの大会で、昨年に続いて2回目の開催です。50km部門がインド・ニューデリーで12月7日に開催されるIAU50km世界選手権の日本代表選考会となっています。
SAINT JEOIRE SKYRACE(80k, 30k-SWS, 13k)
フランス・オートサヴォワ地方のサン・ジョワールで開催されるこの大会の30km/2,950mD+のレースが、今年のMerrell Skyrunner World Seriesの公式戦となっています。モンブラン山群にも近いワイルドな山岳ルートが魅力です。30kmのほか、80km/6,000mD+、13km/1,150mD+のレースも行われます。
Mogollon Monster 100(100m, 42k)
アメリカ・アリゾナ州パイン Pine で開催される100マイルレース。標高1,600mから2,400mにおよぶ「モゴロン・リム Mogollon Rim」と呼ばれる断崖や森林地帯を走るコースはテクニカルで急勾配も含まれたハードなコースとされて今うs。
OSJ安達太良山トレイル14K・50K
福島県二本松市・岳温泉を拠点に、東北の名峰であり日本百名山の安達太良山を舞台として開催される人気のトレイルランニング大会です。土曜日に約14km、日曜日に約50kmと分けて開催され、2日間連続参加も可能です。フィニッシュ後は名湯・岳温泉で疲れを癒せるのも魅力の一つです。
最上稲荷耐久(9h)
日本三大稲荷の一つである岡山県の最上稲荷で開催される、9時間耐久型のトレイルランニング大会。1周4.6km・累積標高約330mの周回コースを、制限時間内で何周できるかを競います。コースには神社の参道や急な階段・林道のトレイル区間が盛り込まれています。
9月6日(土)
京都一周トレイルグランドトラバース(60km)
京都の伝統的な名所をぐるりと巡る全長約60km、累積標高3,170mを誇るウルトラトレイルのイベントで、嵐山公園亀山地区をスタートし、清滝、高雄、鞍馬、大原、比叡山、大文字山を経て山科・毘沙門堂がゴールとなります。
信州戸隠トレイルランレース(35k, 22k, 8k)
長野県長野市の戸隠・飯綱エリアで開催される人気のトレイルランニング大会。コースは妙高戸隠連山国立公園を中心とし、戸隠古道や鏡池、戸隠神社奥社参道、宝光社など戸隠の名所を巡ります。ロングコース(35km:18歳以上・制限8時間)、ミドルコース(22km:18歳以上・制限6時間)、ショートコース(8km:小学生以上・制限2時間30分)の三つの距離カテゴリーがあります。
白馬国際クラシック HAKUBA CLASSIC INTERNATIONAL(28k)
長野県白馬村で開催される大会では50km、29km、12km、6km(キッズ・ファミリー)と複数のカテゴリーが用意されており、白馬村の雄大な自然や国の天然記念物の高山植物、貴重な動植物が息づく絶景の中を駆け抜けます。29kmの「GTNS」部門がゴールデントレイルナショナルシリーズのジャパンシリーズの最終戦となります。
Ben Nevis Race
イギリス最高峰のベン・ネビス山(標高1,344m)で行われる、イギリスのトレイルランニング「フェルランニング」の伝統的なレースです。ベン・ネビス山頂まで登り、そのまま下山してくるというシンプルかつ過酷なコースの距離は14kmで、テクニカルなコースであることから、山岳経験が参加資格となっています。起源は1937年に遡る歴史ある人気大会です。
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