Amazfit T-Rex 3 Pro が発売に。トレイルランナーの新たな相棒となるか? T-Rex 3からの進化点と注目のAI機能をチェック【レビュー】

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Amazfitのアウトドア&タフネス系のフラッグシップモデルがさらに進化。トレイルランナーにも適したアウトドア&タフネス系スマートウォッチ、「T-Rex」シリーズの最新モデルとなります。

アウトドアスマートウォッチの分野で、圧倒的なタフネスとコストパフォーマンスを武器に多くのファンを獲得してきたAmazfitの「T-Rex」シリーズに、最新モデルとなる「Amazfit T-Rex 3 Pro」が発表されました。

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前モデル「T-Rex 3」はAmazfitのスマートウォッチで初めて、等高線付きのオフラインマップ上でターンバイターンのナビゲーションが可能となった革新的なモデルでした。新モデルの「Amazfit T-Rex 3 Pro」は前モデルが築き上げたミリタリーグレードの堅牢性を基盤に、核心的な機能とインテリジェンスを進化させたモデルとなります。具体的には、ベゼルへのチタン合金採用、風防のサファイアガラス化といったマテリアルのアップグレードに加え、待望のBluetooth通話機能を搭載しています。さらに、AIアシスタントの「Zepp Flow」をはじめとするソフトウェア面も着実に強化されています。

Amazfitからレビュー用に実機を貸し出していただき、発売前の Amazfit T-Rex 3 Pro を約2週間にわたって、トレイルランニングや日々のジョグ、日常生活の中で使用しました。この記事ではファーストインプレッションとして、Amazfit T-Rex 3 Pro の外観やスペック、全モデルからの進化のポイントをお伝えします。

気になる販売情報は次のとおりです。AmazfitからはDogsorCaravanの読者限定の5%オフ特別クーポンコードを用意していただいています。

【Amazfit Amazfit T-Rex 3 Pro 販売情報】

  • 希望小売価格: ¥59,900(税込)
  • 予約開始日: 2025年9月5日(金)
  • 発売日:
  • Tactical Black: 2025年9月12日(金)
  • Black/Gold: 2025年10月3日(金)
  • 販売ページ
  • Amazon製品ページ
    • 【読者限定】5% OFF 特別クーポンコード: TREX3PRO18
    • 有効期間: 2025年9月5日(金)~9月30日(火)
    • 割引後価格: ¥56,905

外観とスペック:ミリタリーグレードの堅牢性に、チタン合金の高級感をプラス

早速開封していくと、パッケージはウォッチ本体とシリコンバンドが別々に収められており、そのほかは専用のマグネット式充電器、そして取扱説明書とシンプルです。バネ棒でウォッチにバンドを取り付け、本体を手に取ってまず感じるのは、その凝縮された塊感と、前モデルのT-Rex 3に似たデザインでありながら一線を画す高級感でした。

その印象の元となっているのは、ベゼルとボタンに新たに採用されたグレード5のチタン合金素材です。T-Rex 3のステンレススチールも十分な堅牢性を持っていましたが、チタン合金になることで軽量性を維持しつつ、強度と耐食性を高めています。

ディスプレイを保護する風防は、ゴリラガラスからサファイアガラスへとアップグレードされています。硬度の高いサファイアガラスは、岩場での擦れや木の枝との接触というような、トレイルで想定される衝撃からディスプレイを確実に守ってくれるでしょう。なお、メーカーによればこのAmazfit T-Rex 3 Pro の風防には、サファイアガラスの鏡面が元々持つ透明度と光沢を維持するためコーティングを施していないとのこと。指紋のようなくもりが気になる際は、清潔な柔らかい布で軽く拭くといったメンテナンスが推奨されています。

ディスプレイ自体も大きく進化しており、1.5インチのAMOLEDスクリーンの輝度は前モデルの2,000nitから3,000nitへと大幅に向上しています。これは業界最高クラスの明るさであり、真夏の強烈な日差しの下でも、走行距離やペース、地図上のナビゲーションをより明確に視認できることになります。視認性の高さはトレイルランニングでは安全性に直結する重要な要素です。

また、前モデルにはなかった「デュアルモード懐中電灯」を搭載しています。これはウォッチのケースの上側、時計の12時の位置に設けられたLEDライトで白色の四段階の明るさと赤色の5つの間で切り替え可能。緊急時に路面を照らすライトの代わりとなるほか、夜間に車道の脇をランニングする時の安全確保にもなりそうです。

デュアルモード懐中電灯は四段階の明るさも白色と赤色を切り替えられる。

デュアルモード懐中電灯は四段階の明るさも白色と赤色を切り替えられる。

Amazfit T-Rex 3 Pro vs T-Rex 3 主な進化点 Amazfit T-Rex 3 Pro Amazfit T-Rex 3
ベゼル/ボタン素材 チタン合金 (Grade5) ステンレススチール
ディスプレイ素材 サファイアガラス コーニングゴリラガラス
ディスプレイ輝度 3,000 nit 2,000 nit
Bluetooth通話 有り 無し
重量(ストラップ込) 74.5g 68.3g
価格 ¥59,900 ¥39,900
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最先端のGPSトラッキング性能と、実用的なナビゲーション機能を搭載、外部のGPXファイルのインポートも可能

トレイルランニングファンとしては、GNSS衛生システムによる測位機能、いわゆるGPSウォッチとしての基本性能が気になるところです。昨年発売されたT-Rex 3は、この点ではライバルとなる競合のGPSウォッチと並ぶ機能を備えました。新モデルとなるAmazfit T-Rex 3 Proにおいては、前モデルと同様の機能を備えています。

まずGPS性能のコアとなるシステムについては、前モデル同様に現在のGPSウォッチとしては最もハイスペックな「円偏波+デュアルバンド6衛星測位システム」を搭載しています。これは、高層ビルが立ち並ぶ都心部や、GPS信号が遮られやすい深い森、険しい渓谷といった環境でも、より正確で安定した測位を可能にするテクノロジーです。日本に多い、木々に覆われたシングルトラックを走る場合はもちろん、高層ビルの間を走った場合でもランニングのGPSログがギザギザになりにくい、というアドバンテージがあります。

オフラインマップ機能も充実しており、スマートフォンのZeppアプリから、ベースマップと等高線マップを無料でダウンロードして、ウォッチに転送して利用可能です。もちろん、PCやスマートフォンアプリからGPXファイルをインポートし、ウォッチ上でナビゲーションルートとして使用できます。これは、トレイルランニング大会の公式コースを事前に取り込んで試走や当日のロスト対策に活用したり、他のランナーが公開しているルートを辿ったりと、活用の幅を大きく広げてくれます。地図読みが苦手なランナーにとっては心強いガイドとなり、冒険指向のランナーにとっては未知のルートを開拓する際の強力なツールとなります。

GPXファイルはスマホのZeppアプリに一度取り込み、アプリからウォッチに転送する。

GPXファイルはスマホのZeppアプリに一度取り込み、アプリからウォッチに転送する。

こうした機能を活用するにはバッテリーのスタミナも必要です。GPS高精度モードで最大42時間となっており、100マイルのトレイルランニングレースでも多くのランナーにとって、スタートからフィニッシュまでバッテリー切れの心配を払拭してくれます。もちろん、途中でバッテリーセーブモードに切り替えれば、もっと長時間の挑戦にも対応できます。

AIがトレーニングと日常生活をレベルアップする「Zepp OS」の機能群

堅牢性やGPS精度といったAmazfit T-Rex 3 Proのハードウェアを語るだけでは製品の魅力を伝えるには十分ではありません。AmazfitのスマートウォッチのベースとなるZepp OSと、スマートフォンアプリのZeppアプリは、AIの力を活用して日々の生活のちょっとした用事や、健康管理からランニングのパフォーマンス向上まで、スマートにサポートしてくれます。こうしたインテリジェンスもAmazfitのスマートウォッチの魅力です。こうした機能は今までもできたことが簡単になるというだけにとどまらず、健康管理やトレーニングの質そのものを大きく変えるポテンシャルを持つ要素です。

「Zepp Flow」は声でウォッチを操るAIアシスタント

「トレイルランニングを開始」「15分のタイマーを設定して」「最後のワークアウトでどれくらいカロリーを消費した?」といった具合に声で指示を与えることでウォッチを操作できるのが、AIアシスタント機能である「Zepp Flow」です。

「Zepp Flow」はGPT-4.0を搭載しており、定型的なコマンドだけでなく、より自然な対話形式でウォッチの機能を呼び出すことができます。前モデルの「T-Rex 3」から大きく進化したのは、質問に対して音声で回答を読み上げてくれる点です。「Zepp Flow」の呼び出しを物理ボタンに割り当てる設定をすれば、視線をウォッチに落とすことなく利用できます。走りながらスタートからの距離や心拍数を音声で確認したりすることができます。「日の入り時刻は?」といった周辺情報に関する質問にも応答してくれます。このハンズフリーでの情報アクセスは、試してみたところ想像以上に便利で、一度体験すると手放せなくなると感じました。

Zepp Appの「食事記録」アプリは写真一枚で炭水化物、脂質、カロリーが記録できる

シリアスにスポーツに取り組む人はもちろん、ある程度健康管理に関心のある人であれば、日々の栄養管理は大事な関心事なのに、客観的な管理が難しいのが悩ましいところです。具体的にいえば日々の食事のカロリーや、炭水化物、脂質、タンパク質のバランスを知りたくても、客観的に記録することは難しいことです。

こうした問題意識を持つ人には、Zepp Appの「食事記録」アプリはまさに求めていたものでしょう。食事の写真を撮るだけでAIが画像認識で内容を分析し、主要な栄養素を自動で記録してくれるのです。筆者も日々の自宅や外出先での食事を記録していますが、AIによるメニューの判別はかなり正確ですが、もし違っていたら自分で訂正することもできます。

しらすづくしのランチは小鉢も多数あったがAIは正しく認識したようです。

しらすづくしのランチは小鉢も多数あったがAIは正しく認識したようです。

これにより、例えばレース1週間前から炭水化物の摂取割合を増やすとか、長時間のトレイルランの後でリカバリーに必要なタンパク質が足りているか、といったチェックが手軽にできるようになります。これだけ手軽であれば継続しやすく、日々のコンディショニングをサポートしてくれそうです。

「Zepp Coach」はAIが寄り添うパーソナルトレーナー

「次のレースに向けて、どんなトレーニングをすればいいだろう?」という疑問に答えてくれるのが、「Amazfit T-Rex 3 Pro」とZeppアプリが連動して機能するAIパーソナルトレーナー「Zepp Coach」です。

Zeppアプリから、たとえば「11月x日のフルマラソンでサブフォーを目指す」という目標を設定すると、それに至るまでのトレーニングプランを作ってくれるのですが、一度作ったらそれきりではありません。スマートウォッチを通して収集されるユーザーの睡眠の質や日々の活動量、そして過去のトレーニング負荷から算出される「レディネス(トレーニングへの準備度)」を基に、その日のコンディションに合わせた最適なトレーニングを提案してくれます。

例えば、週末に高強度のロングランをこなした場合、AIは翌日のプランとして単に「休息」を提示するだけでなく、「軽いストレッチとウォーキング」といったアクティブリカバリーを推奨してくれる、といった具合です。常に「Amazfit T-Rex 3 Pro」を身につけておくことで、オーバートレーニングもトレーニング不足も防ぎ、ケガのリスクを低減させながら、目標達成に向けて最も効率的な道筋を示してくれるでしょう。

スマホのZeppアプリでトレーニングの計画を立てる。

スマホのZeppアプリでトレーニングの計画を立てる。

ランニング後にウォッチでトレーニングの効果を確認できる。

ランニング後にウォッチでトレーニングの効果を確認できる。

ウォッチで通話が可能に、ミニアプリも徐々に充実

「Amazfit T-Rex 3 Pro」はスピーカーとマイクを内蔵しており、スマートフォンと連携してウォッチ単体でのBluetooth通話が可能になりました。前モデルにはなかった機能で、ユーザーからの要望が最も多かった機能の一つだということです。

例えば、トレイルランニング中で大雨が降っている時に誰かに連絡を取りたいとか、万が一のケガで大会本部に救助を要請するというシーンでは、もちろんスマホと取り出して話すこともできるでしょう。しかし、そうしたシーンで手元のウォッチから直ぐに通話できるのは便利なだけでなく、場合によってはこの機能のおげで命拾いをするかもしれません。

Zeppアプリには、Amazfit T-Rex 3 Proの機能を拡張する様々なミニアプリをインストールすることができ、メーカー純正のもの以外にも、ユーザーコミュニティで開発されているものもあり、中には有料のミニアプリもあります。

誰にとっても便利なのは「Camera Remote」というミニアプリでしょう。これをインストールすれば、Amazfit T-Rex 3 Proの画面をタップしたり、ボタンをプッシュするだけで、連携しているスマホのカメラで写真を撮影したり、動画の録画開始・停止といった操作ができます。

Weather Service」はサードパーティ製のアプリで、現在地の気温、気圧、湿度、風速、降水量、日の出と日没の時刻といった具合に、ウォッチ本体に内蔵されているアプリよりも天候についてより詳細に知ることができます。

トレーニングやストレッチ、リラクセーションのためのミニアプリも豊富で、「5 min Stretch for Neck and Shoulder」は首周りや肩の筋肉をほぐすストレッチを30秒ずつ、順番に案内してくれます。

まとめ:高級感があり、ランニング以外のシーンにもマッチするハイスペックなスマートウォッチ

スペックだけを見ると「Amazfit T-Rex 3 Pro」はGPSやバッテリー持続時間、等高線付きオフラインマップ上でのナビなど、前モデルから変わっていない点もあります。しかし、実際に手に取ってみるとチタン合金とサファイアガラスによる外装は、前モデルより明らかに高級感があります。3,000nitの明るいディスプレイも前モデルからの違いを感じる点で、夏の強い日差しの下でもはっきり見やすくなりました。待望のBluetooth通話機能が刺さるユーザも多いでしょう。

もし前モデルの「T-Rex 3」のユーザーで、トレイルランニングのログを取るためだけに使っているのであれば、わざわざこの新作に買い替える必要はないかもしれません。しかし、普段から腕につけておくスマートウォッチとして使うなら「Amazfit T-Rex 3 Pro」の質感の高さやBluetooth通話機能は、買い替えの十分な理由になるでしょう。

Zepp FlowをはじめとするZeppアプリには、Amazfitの他の製品でも使えるものもあります。しかし、他のモデルでは機能の制約で使えないものもあるかもしれません。最新モデルである「Amazfit T-Rex 3 Pro」を選べば、これから現れる新しいアプリも使える可能性が高いのも嬉しいところです。

このファーストインプレッションに続いて、実際にこの新作スマートウォッチをつけてランニングやハイキングをしてみたフィールドテストもお送りする予定です。

【Amazfit T-Rex 3 Pro 販売情報】

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