UTMBワールドシリーズとStravaが戦略的提携を発表、データでトレイルランニングの進化を明らかに

トレイルランニングの世界最高峰サーキットであるUTMBワールドシリーズは、アクティブな人々のための主要なデジタルプラットフォームであるStravaとのグローバルな提携を発表しました。この提携は、トレイルランニングコミュニティに貢献するほか、革新的で没入感のある、コミュニティ主導のランニング体験を提供することを目的としています。あわせて両社は、近年のトレイルランニングの進化を示す共同のデータ分析の結果を公開しました。

UTMBとStravaの提携の内容とは?

提携を通して、まずUTMBワールドシリーズのメジャー大会とファイナル(UTMB、CCC、OCC)は、Strava上の存在感を高めるといいます。特にStravaの「公式クラブ」は、トレーニングの進捗やレースに関する知見を共有し、コミュニティから刺激を受けるための重要な場となる、とのこと。

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次に、UTMBワールドシリーズのメジャー大会とファイナルのライブ中継、および公式ウェブサイトに、主要なStravaセグメントが統合されます。これにより、リアルタイムでのパフォーマンス比較やセグメントごとのタイムを競うことが可能となり、ファンとランナー双方にとって、レースに熱中できる要素が増すことになります。

そして、両者は共同でデータ分析を実施。トレーニングからレースに至るまで、トレイルランニングへの参加者がいかに増加し、このスポーツに関連する障壁が取り払われ、より身近で誰もが参加しやすいものになっているかという近年のトレンドを明らかにしました。

UTMBグループのブランド・コミュニケーション&マーケティングディレクターであるアントワーヌ・オブール Antoine Aubourは次のようにコメント。「この提携の中心にあるのは、アスリートに最高の体験を提供するというコミットメントです。初めての20kmレースに挑戦する人も、ファイナルで表彰台を狙う人も、彼らはStravaとUTMBワールドシリーズのイベントに同じものを求めています。それは、共有できるコミュニティ、パフォーマンスを理解するための主要なデータ、そして新しい場所を発見するための決定的なルートです。Stravaと共に、私たちはより豊かで、より協力的なトレイルランニングのエコシステムをサポートします。」

トレーニングからレースまで、データで見るトレイルランニングの進化

HOKA UTMB Mont-Blancが閉幕し、UTMBワールドシリーズとStravaは共同でデータ分析に基づくトレイルランニングに関するストーリーを発表し、このスポーツが世界規模でみてどのように進化したかについてのユニークな洞察を公開しました。

参加者の急増

Stravaの最近のアクティビティデータによると、今年上半期にトレイルランニングのアクティビティをアップロードしたアスリートの数は、3年前の同時期と比較して2倍に増加しました。

同様に、2025年上半期のUTMBインデックスレースへの参加者数は、2022年の同時期に比べて2.4倍に増加し、わずか6ヶ月で80万人以上が出走しました。参加者の42%が初めてのトレイルランニングイベントであったことは、この競技の急速な拡大と新規参入者へのアピール力を明確に示しています。

女性ランナーの増加

最新のUTMBインデックスレースのデータによると、今年上半期の女性参加者数は3年前の同時期と比較して2.6倍に増加しました。世界的に見ると、女性は特に短い距離で強さを発揮しており、2024年にはオセアニアとアフリカで参加者の50%以上を占めています。ヨーロッパは最も多くの女性ランナーを抱え、2025年上半期には16万人以上がUTMBインデックスレースに参加しました。

Strava上でのトレイルランニング参加者の増加に目を向けると、特に若い女性層で著しい成長が見られます。今年上半期において、Z世代の女性がアップロードしたトレイルランニングのアクティビティ数は、3年前の同時期と比較して世界的に6.5倍に増加しました。

コミュニティが参加の中心に

世界的に、Stravaのクラブに所属するランナーの割合は、パンデミック前の2019年と比較して31%増加しており、世代別ではベビーブーマー世代で最も大きな増加が見られました。これと並行して、今年上半期にグループで行われたトレイルランニングの割合は、3年前の同時期と比較して約20%増加しています。ベビーブーマー世代は、他の世代に比べて他者と一緒に走る傾向が最も高いことも明らかになりました。

UTMBワールドシリーズのイベントでは、参加者の91%が同じ大陸内から、73%が開催国または近隣国から参加しており、地域的な強いつながりを育んでいます。また、50%以上のランナーが友人や家族と一緒に参加しており、独りでレースに挑むというよりも、冒険を一緒に楽しむというスタイルで楽しんでいることがわかります。

より身近になるトレイルランニング

トレイルランニングは人間の限界を試すウルトラエンデュランスの挑戦と受け止められることは少なくありません。しかし、データが示すのは、より身近な存在としてトレイルランニングに取り組んでいる現実です。UTMBインデックスレースでは、参加者の約3分の2がマラソン(42km)以下のレースを走り、3分の1が50km以上のコースに挑戦し、100マイルの距離に挑戦するのはわずか1%です。最も人気のある距離はハーフマラソンとマラソンの間であり、参加者のほぼ50%を占めています。

この傾向は、Stravaのグローバルデータに見られるトレンドと一致しています。同プラットフォーム上のトレイルランニングの平均距離は9.7km、獲得標高は213mであり、トレイルランニングがあらゆるレベルの走力に対応するスポーツであることを示しています。

エリート層も成長

一方で、トレイルランニングはますます競争が激しくなり、競技分野ごとに専門化する傾向も示しています。一般レベルでの参加者が増えているだけでなく、エリートレベルのアスリートの数も増加しています。過去5年間でエリートレベルの女性は19%、同じく男性は11%増加しました。

トレイルランニングのコミュニティを探している、あるいは初めてのレースに挑戦したいというランナーは、StravaのウェブサイトやUTMBワールドシリーズの公式サイトで情報を得ることができるでしょう。

(Source: UTMB World Series)

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